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Ustとライブの生々しさって違うよね、の話

(わたしのなかで)伝説の夜

サカナクションのライブにいってきました。
最近のわたしはクラブダンス系・エレクトロ系な気分なのでそういうのばっかり聞いてる。


ほんとうに音遊びが楽しすぎる!
わたしはすきな音楽はパソコンをアンプにつなげて
爆音で聞くんだけど(隣の部屋の弟に怒られるくらい)
そうやって聞くことで冴えるタイプ。
低音がすきなのだ。やっぱりアンプつなげると全然違う。


前から聞いてたことは聞いてたんだけど、
うわーライブ行きたい、って思うくらい惚れ込んだのは、
3月にあったUst中継だったのね。

ナタリー - サカナクション、オールナイトアルバム爆音試聴会実施

記事にも書いてあるけど、発売前のアルバムを
全曲、ノーカットで、全世界に、生中継したわけです!
この日のUstはものすごくて、デジタルガレージの平野さんにはじまり、
坂本龍一本人がコピー演奏してた番組に降臨するっていう、
いろんな人の記憶に残る伝説的な夜だったのですが。
Ustreamの衝撃、ふたたび... | Ustream | nobi.com (JP)


で、これが超楽しかったわけですよ!!!!
「うわーイントロやばい!」「これライブでかかったら踊り狂うわ…」とか
みんな同じ映像を見て、同じ曲を聞いて、ひたすら興奮を文字にして書き付けているわけ。
時間も時間だから家でひとりで見てる人が多かったと思うけど、
少なくともUstを見てTwitterで書き込んでる時間は、「みんな」と共有してた。
この「みんな」はものすごくあいまいでしょ?
でもすごかったんだよー、あのいっしょに楽しんでる感じ!
楽しくて楽しくて寝られなくなった。今夜しかない。


あとね、すごくいいなと思ったのは、発言しかわからないんだ。
年齢も住んでいる場所も普段何してるのかもわからないけど、
今同じものを見て楽しんでいることは明白、
というこのコミュニケーション(あれはコミュニケーションだったと思うよ)は
新しくてかなりふしぎな感覚だった。
サカナクションの音楽がメディア(媒体)になった、場の創出。
おもしろくない?二重の場の創出。
現場と、Ustと。おもしろいなって思ったの、わたしは。


ああたのしい、これはライブに行きたい、生を感じたい。
こんなに大盤振る舞いの企画でさえ、中継で満足できない部分もあったし、欲望が刺激されるんだよ。
音楽という情報を公開することへの可能性は絶対にあるなーと思った。
ここをうまくプロモートして次のアクションをつなげるディレクションができる人がいれば、
ぜったいいろんなものがガンガン動く気がした。

ライブへ

で、ライブに行ったのね。昨日。ZEPP TOKYOに。
いやー圧倒された。とにかく。
ほんとうに音楽を作ることと演奏することがすきなんだなぁって思った。
いい意味で、ストイックな、神経質な、生真面目さを感じた。
踊りまくりました…汗だくだよー。
もうね、開演前から汗くさかったです、周囲がw


最初の数曲で一気に持っていかれてうわーうわーと夢中になってるに終わっちゃった、みたいな感じ。
わたしはスタンディングで、やばいしあわせ!って思うと天井を仰ぎみてしまうんだけど
青を貴重にした照明できれいだった。


「ライトダンス」とか、いちろうくんがフロアに歌うようにうながすところがすごくかわいかった。
にこにこしながら、耳元に手をあてるんだけど、その動作、日常じゃあんまりやらないよなーと思って。
あと「目が明く」は予想以上にものすごい迫力。
この曲は気合が別格だった感じがした。

そしてそして、アンコールやばかった。全部すきな曲。
最後の最後の曲でしびれました…。放心。


ライブめっちゃよかった、楽しかったんだけど、
これはあのUstの楽しさとは質が違うわと思ったの。
特にリスナー同士の関係が。

Ustとライブ

ライブで共有するものはは身体性がほとんど、「空気」に集約されると思う。
ああ今日ほんとうによかったね、の対象はほとんどがアーティストに対してで、
わたしたちをそれを共有した「お客さん」という集合体になる。


その点Ustは、もっと個人に解体される。
「わたしの」感想が文字になって浮いて「みんなの」と混ざる。
楽しかったね、の対象は音楽やアーティストだけじゃなくて
その場を作った自分や他の視聴者も含めて、に拡張する。
「わたしたち」の感覚が明らかに広がるし強まる。


ふしぎだ。だってリアルを共有しているのはライブのはずなのに。ねえ。
やっぱり言葉にする、文字に落とす、という作業はそれだけの何かがある。
自分の立ち位置に自覚的になる行為。


単なる曲のプロモーション以上に、経験に落ちたんだよなあ。
映像を生で見る、そしてそれを見てる他の人の言葉をダイレクトに感じるっていうのは。
時間と経験と興奮の共有。
自分と誰かの文字が乗っかることで、ライブという形の「生」とは別の生々しさと高揚がある。


もっといろんな人がやればいいのにな、と単純に思う。
知らないアーティストでも、タイムラインで評判だったら見に行くと思うもの。
そこで高揚感があれば次につながると思うもの。
dommuneは完全にその入り方。


なんて楽しい時代。動け動け!