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それじゃさよなら僕らのたわいない日々よ(中島健人くんのこと)

もう1ヶ月経ったのかという気持ちと、こんなにいろんな感情を味わったのにまだ1ヶ月なのか、という気持ちが両方ある。

1月8日成人の日、それは明日からようやく正月休みが本格的に終わるという夜だった。19時にSexy Zoneファンクラブからメールがあって、「大切なお知らせがございます」という文面で、あー改名の件か、そろそろ発表なのかなと無防備にURLを開いた。

「4月1日からSexy Zoneという名前が、新しいグループ名に変わるタイミングで、僕はソロとして新し」

ここまで目で追ってあまりに動揺して急いでブラウザを閉じた。脳が理解をシャットダウンした音がした。

 

いや……………え???????

 

もうまったく全然少しも1ミリも予想していない内容で本当に心臓がバクバクした。Twitter見てなくてよかった。これを他人の反応やニュースの文言で不意打ちで知るのはきつかった。

ORICON NEWSのLINEで「中島健人、ソロ活動へ セクゾは3人体制に」って速報がきて、その10分後に「松本人志が活動休止発表 報道受け『裁判に注力』」って速報がきた。なんやねん。最悪な並びにすな。

 

ちょうど夕ごはんの時間だったので、頭が真っ白のままとりあえず食卓に皿を並べ、「ちょっと今日は私何もできないんで……」と家族に断った。文字通り何も手につかない。

悲しいとか辛いとかって前にただもうシンプルに、ショック、衝撃、って感じだった。え…?なんで????マジで言ってる????動悸がおさまらなくて、マラソン走ったあとみたいな、頭を強くぶつけたあとみたいなうわんうわんする感じがしばらく続いた。

なにせ私たちはたった2週間前のクリスマスにめちゃくちゃ楽しいライブを東京ドームで目撃していたし、オタクたちでビール片手に「今のSexy Zone楽しい!最高や!!」とぶち上がっていたのだ。落差が激しすぎてもうダメだ。

何も知らなかった頃

結局最初の2行以降は全然読めないまま、メンバーたちが自分の言葉で語る動画も見られないまま、数時間が過ぎた。せめて同じ思いの人にすがりたくてTwitterを開いてあふれる悲鳴とうめき声(もはや泣き声じゃない)を浴びに行った。ひとりじゃない。インスタストーリーで荒れ狂ってる私に友人がDMやLINEをくれた。「もぐもぐさん大丈夫?」「いや……全然だいじょばないです。普通に無理です」「そういう曲あったよな」「Perfumeね」

 
 
 
 
 
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21時にメンバーが一斉にブログをあげて、風磨くんの長文を読んでようやくぼろぼろ涙がでた。ずっとずっと一番近くにいた人が「反対する気持ちは1ミリもありませんでした」っていうならそれはもう、そうなんでしょう。「何より、これからも5人のことをどうかよろしくお願い申し上げます」で結ばれているなら、彼らはもう「これから」を見ているんでしょう。そのうえで失うもののデカさが、道を違えても先に進む覚悟が行間からにじみでていて、私たちはこの選択を受け入れるしかないんだとわかった。決まったこととして知らされているので、当たり前なんですけど。

なんてすぐに飲み込めるわけもなく、子どもを寝かしつける横で「え~~~ん!!でもいやだよ~~!!!!!」とぐずぐず泣いていたら5歳児に「おかあさんどうしたの!?!?」とマジ心配されて、「ケンティー、セクシーゾーンやめちゃうんだって!!」と言ったら「なんで?おひっこし?」と真面目に言われた。保育園のお友達とのお別れ=お引越しだもんね。まぁでも、そうかもしれない。ひっこしてもまたあえるよ。

混乱しきった頭で明け方まで眠れないままいろんな人とめそめそしあい、数時間だけ眠った。寝ているあいだもしんどかったのか、起床即涙がこぼれて驚いた。こんなこと現実にあるんだ。倒れるように寝て、泣きながら目覚めて……。

次の日もほとんど仕事が手につかなかった。幸い新年明けていろんな会議がある日で、とりあえず出席して、頭を使わずにできる事務作業で心を無にして、ふまけんまどマギパロについて考えて気を紛らわせた(何度繰り返してもけんとの脱退を阻止できないふうま)(ほむらちゃんのメンカラも紫だから…)(何の話?)。むしろ仕事あってよかったかもしれない。考えてもしかたないことを、変えられない未来を考え続けるのはしんどいから。

 

最近のライブの定番締めエモ曲の歌詞が““終わり””すぎてくらっていた情緒不安定期

 

私にとって中島健人という人はSexy Zoneを駆動させる心臓みたいな存在で、失うことが本当に本当に本当に想像できなかった。今もまだできてない。なので、語弊があるかもしれないけど、グループそのものの解散の方がまだ納得感があったと思うし、自分が一番好きなメンバーの脱退(卒業)のほうがつらくなかったかもしれないとすら思う。

Sexy Zoneというグループは、5人そろってない時期のほうが長いくらいで、ずっと「今は完成形じゃない」という葛藤や焦燥感があって、ようやく4人とすぐ側にいるマリウスくん、って形で出発する決断をして1年が経ったところだった。この1年、今の4人のステージの並びと相互作用がとてもとても美しくて華やかでパワフルで、ようやくたどりついたこの新しい完成形をこんなにすぐに失うことになるとは青天の霹靂にもほどがあった。今のバランスちょ〜〜〜よかったからもっと長く見ていたかったよ!!!!!!!!

なんかでも、健人くんが野心の人であることは、高い高い目標を掲げてそこにがむしゃらに努力することに喜びと生きがいを感じる人であることはわかっていたし、いざこの選択を提示されると、うんうん健人くんってそうだよね、わかる、わかりすぎる、と納得する気持ちも正直めっちゃある。誰かのためにじゃなくて自分の目指す一番星のためにすべてを懸けて前進できるエネルギーがあるから彼はスターなんだと思う。だから外野が納得できる答えとかないんだよね。やりたいからやるんだ。

 

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このMV本当に最高だから見てくれ〜〜!!!!

 

数日いろいろ考えて、このショックを語るに一番近い言葉は「第一志望落ちた」かもしれないと思った。
ありえた選択肢がひとつ完全に閉ざされた、確定未来としてパターンBに頭を切り替えなくちゃいけないことはわかっているんだけど頭が追いつかない。そして、そっちはそっちで新しい未来が待っている、悪いことばっかりじゃないことも心のどこかでわかっている。

「グループのままじゃダメだったの?」ってすがりたい気持ちあるんだけど、それは「実家から通える範囲の大学にしときなさい」みたいなものかもしれないと思う。

県内の大学にも同じ学部あるでしょ、やりたいことならそこでもできるでしょ、と言われたところで、実質的な日常はそう変わらなくても、環境や肩書きや住む場所を変えることに意味がある瞬間はすごくわかる。

だから、健人くんが進みたい道を進んでほしいと思う。応援する。でも、さみしいはさみしい。ああなんとか2人に分裂してくれればいいのに……。

 

あの日「菊池、殴ってでも中島を止めてくれよ!!!」と悔しさ余って言っている人がたくさんいて、その気持ちはわたしもすげ~~~わかるのですが、でもそれをしない人たちだから、全体最適よりも個々の幸福の最大化を目指している人たちだから好きなんだよね。そうなの。

そして、(名前も変わるならいったん解散からの再結成みたいな心持ちなのかもしれないが)続けることを選んだ風磨くん、勝利くん、聡ちゃんそれぞれの思いを想像してしまうし、3人のことも手放しで応援するよって思う。私たちですらケンティーの不在にこれだけ動揺するんだから、メンバーにとっては……。超大変だろうけど、でもそれを選んだんならその先を見に行きたい。

Sexy Zoneはキラキラな見た目に反して泥臭くもがいで悩んで迷い続けていて、全然考えが違う人たちの集まりで、繊細にお互いのことを想っていて、他者と生きるもどかしさと諦めなさが合わさっているのが大好き。誰かと一緒に生きるのはままならないけど、だから美しくておもしろくて予測不能で、スペシャルだね。

超いい曲なんだけど「嘆いたってしょうがないってわかってるでしょ?」って歌詞が今の気持ちをえぐってくる

今さら言うまでもないんだけど、アイドルとしてのケンティーの輝きはめっっちゃくちゃにすごいんだよね。目の前で見ると毎回新鮮に感動する。なんだろうな……自分に向けられる無限の愛を受け入れて束ねて、美しいオーナメントに作り変えるのが抜群にうまいのだ。愛を愛に還元する力がとんでもない。そういう「限りない愛と献身」(byマリウスくん)の人が自分の好きなグループにいるのってあまりにも幸福だった。

まだ彼がここからいなくなることを誰も知らなかった12月のドームライブは、Sexy Zoneというグループ最後のツアーという名目で別れを惜しむ演出が多かったのだけど、あれはメンバーと中島健人との最後の時間だったんだなとわかるとすべてが叙述トリックのようだった。

東京ドームの挨拶で、健人くんが「12年にわたるメンバーたちとの友情」と言っていて、その言葉選びに少しだけ違和感があった。友情、なんてセンチメンタルな言葉使うんだ。別れを前にしてようやく「メンバー」から「友達」になったのかもしれない。これからようやく、友達になりなおすのかもしれない。

 

結局願うことはひとつで、みんなそれぞれ幸せで、自分の心に素直でいてほしいってだけだ。それはどんなに難しいことでしょう。自分の人生は自分のもので、正解はなくて、選んだ道を進むしかなくて、選ばなかったからって捨てたわけでは全然ないのだ。

3月発売の卒業シングル「puzzle」が私たちが大好きなSexy Zoneですごくいいな〜〜と嬉しくて、悲しくて泣いた。

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全然合わなかったり ぴったりとハマってたり

ひとりきりでは気づけないことばかりであふれているんだ

これまでそしてこれからも

それぞれのpuzzleを生きていく

 

そういえば、元旦に公開された関ジャニ∞のTHE FIRST TAKEの「ズッコケ男道」がとってもかっこよくてじんとした。すごくファンってわけでもない私でも!コメント欄がすごい熱量だから見てほしい。

 

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ズッコケながらでも傷だらけでも前に進んだらそこに未来はあるし、築いたものがすべて手のうちからこぼれ落ちてしまうわけじゃない、拾い集めて大事に抱えていけばいいよなって今は思う。未来永劫ふまけんのことを語り続ける亡霊になる未来が見える。3月31日に何を考えているかわからないけど……。

絶対絶対絶対応援するから、今はもう少しさみしさのおふとんにくるまって眠らせて。