何もかもに飽きて干からびそうだった2017年の話
もう2月になってしまった。2018年、あけましておめでとうございます。
毎年無理やり1年の振り返りを書いているのですが、毎年これといって書くことないな…と正直思っている。でもいざなにかしら書き始めるとなんだかんだ出てくるし、何より1年後に読み返すのが楽しいので今年も書く。とにかく何かを。よーいどん。
2017年は、退屈だった。何もかもに飽き飽きしていた。
2016年は自分でも気が狂ってると思うくらいラディカルに何もかも変えた。仕事を変え、住む場所を変え、人間関係を変え、休みなく遊んで、休みなく旅行して、湯水のように金を使った。その反動なのか、ずっとぼんやりしていた。落ち着いたと言えば聞こえはいいけれど、なんかもう、すべてに飽きてしまった。
新しいことが知りたい、できないことができるようになりたい、もっと楽しい世界を見たい、1秒たりとも無駄にしたくない。
この数年はそういうエネルギーで自分をドライブさせてきたんだけど、数年にわたる鍛錬の結果、どんな時も自分で自分の機嫌をとる方法を完璧に会得することに成功した。
なので、無理してドーピングしてテンションを最高潮に持ってって、アクセル踏みっぱなしで猛スピードでぶっ飛ばさなくてもだいぶ楽に毎日過ごせるようになった。安定してハッピーでいられるのは超超いいことなんだけど、42℃に保温した湯船の中でのうのうと楽しく生きていけるめどがたってしまった。
飽きた、って言葉が一番適切だった。人生にもインターネットにも。つまらなくなったわけでも嫌になったわけでもなく、ただ飽きた。
鬱とか死にたいとかそんなダウナーなエネルギーですらなく、ただ飽きた。辛くも楽しくもない。今やほとんど記憶がないけれど(記憶をとどめておけないくらい生気がなかった)春くらいは本当にひどかった気がする。
正気を保てたひとつが同人誌を作ることだった。とにかく手を動かす。
同人誌「悪友」シリーズは、2017年末の冬コミで初めて頒布したのでちょうどこの1年は同人誌作業とともにあった。これがあって本当によかった〜。とっても楽しかった。アドレナリンがガンガン出た。
ネットで知り合ったそれぞれ違う趣味の同い年の友人4人でやってきたのだけど、仲良し♡ズッ友だよ♡みたいな距離の近さじゃなくて、いい意味でもっとビジネスライクで気が楽だ。大人になってから気の合う友達ができるのはよいことです。
誰にも強制されない仕事を勝手に作って、ゼロから100まで全部決めて、何かひとつのことを一緒にやいのやいのやるのは楽しい。精神衛生にいい。同人活動だからなのもあって、対面至上主義じゃないのも楽だった。デジタルツールへの距離感が同じだとコミュニケーションが爆速になるのでよい。
例えば、私たちは直接会って話すと普通に楽しくおしゃべりしてしまうので、大事な要件こそチャットすることにしている。オンラインでテキストでディスカッションすると、最初に決めた議題から逃げられないので効率がいい。脱線して「そういえばあの舞台のキャスティング発表されたね〜」「それな!?」ってヒートアップしかけても「今日話さなきゃいけないことあと2つ残ってるからあとで!」とリストに戻れる。
あと、時たま強い言葉でやりあってしまうことがあっても、まぁテキストだしねって思えるのもよい。共同作業をしていると一瞬イラッとくることは当然あるわけだけど(でも振り返ると大きな喧嘩、全然ないな)、場の空気がそもそも存在しないので、険悪にならないから引きずらない。いざ会えば楽しく食べて飲んで喋る。
悪友シリーズ、「浪費」「恋愛」「東京」ってやってきて、どれも違った質感になってよかった。どのテーマが好きか、どの一編が好きか、人によって本当にまったく違うと思う。
最初はただ「人のお財布事情知りたくない?」っていう100%下世話な興味だったんだけど、いろんな立場の人の匿名手記を並べて読むことで、自分の中の普段言語化しない感情の存在に気づいて面白かった。
「この文章がめちゃくちゃ大好き」もありがたい感想だけど、「うまく説明できないがとにかくムカつく」「共感できないけどなんか好き」も読んでくれた人みんなにそれぞれあればいいなって思う。
mogmog.hateblo.jp
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夏には「浪費図鑑」として書籍化して、たった1年でいろんなことがあったな〜とびっくりする。商業書籍を出して楽しかったこと、よかったこと、不満や反省、いろいろ感じたのでまたあらためて書きたいな。
- 作者: 劇団雌猫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/08/08
- メディア: 単行本
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舞台やコンサートもいろいろ見た。
けどあんまり新しいジャンルを開拓しなかったので反省ですね。好きなものを何度も観た。
秋は、めちゃ忙しくて、ものすごく楽しかった。再演を待ち望んでいた「デスノートミュージカル」、同じく再演を切望していた「ワンピース歌舞伎」、宝塚で一番好きな月組の「All for One」が連なるようにやってきて毎日夢の世界に生きていた。初台、新橋、日比谷。新国立劇場、新橋演舞場、東京宝塚劇場。ループ。
デスノートのミュージカルは、なんでこんなに好きなのか自分でもうまく説明できないんだけど好き。日常生活でフランク・ワイルドホーンの音楽の幻聴が聞こえるくらいのめり込んでいた。
あ〜〜待ってたよデスノートミュージカル再演!!!もう一度劇場で見られて超うれしい!何回見ても好き、当日券あるからみんな観てほしい、なんでわたしこの演目こんなに好きなんだろう pic.twitter.com/v6IfQ0OtQa
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年9月2日
デスノートミュージカル、自分でも解せないくらい好きなんだけど、細かい頭脳ゲームの応酬がキモだと思ってた話に「退屈」ってテーマを与えることでこんなに美しく削ぎ落として見せられるのか、という衝撃がずっと続いてる気がする、美学の問題
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年9月21日
私にしてはかなり観た。確かに繰り返し繰り返し観ると「もう悔いはない」って気持ちになっていくな…という新しい発見があった。回数は秘密。
浪費図鑑に「満足いくまで観劇したらロスにならない」って書いてあったから実践しようと思って再演デスミュ過去最高レベルで通っていたら確かに今心が穏やか……
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年9月21日
ワンピース歌舞伎はとにかく観てほしくていろんな人に激オススメした。カッコよすぎて涙が出る、という経験ができるんだよな、歌舞伎って。マジで。
ワンピース歌舞伎、もう1回行ってきた、やっぱり新鮮に楽しくてめちゃめちゃに凄くてくらくらする。漫画とかアニメとかゲームとかアイドルとかバンドとか舞台とか、今日本で何らかのエンタメを愛してる人みんな、歌舞伎のこと全然わからなくていいから観てほしい…!!!殴られるような衝撃 pic.twitter.com/qMBAg7L7iq
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
歌舞伎ってこの演目に限らず「カッコよすぎて反射的に涙出る」があるからすごい。白ひげ海賊団の登場シーンで毎回無条件に泣いてしまうよ…舞台下から回転しながらせりあがってくるのしびれる。初演の地方公演でお衣裳変更になっているので、2年前に新橋でしか観てない人ぜひアップデートして下さい…
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
2年前の初演、幕があいてわりとすぐに観て、あまりに面白くて熱に浮かされたようにブログを書いたのだった。これが結構読まれて、検索順位でもわりと上の方にいってうれしかった。好きなコンテンツにダイレクトに貢献できる喜びを感じた……。観測範囲でも数十人これ読んでチケット買いましたって人がいたと思う(うれしい)。
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尾上右近さんのルフィ、猿之助さんとはまた違うルフィっぽさでよかったな~…自分はどこにそう感じてるのか考えながら観るのも楽しかった。動きがぴょんぴょんしててかわいげがあるのにスマートで新解釈…!逆に猿之助さんは声の質というか抜け方というかがそれっぽくて、そこで造形できるのすごい
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
筋書きに尾田っちが寄せてる手書きコメント今回も超最高だな~!!猿之助さんが「どうして少年漫画のセリフは元々七五調なのか」って聞いてるのがまず最高。「海賊王に、俺はなる」だって七五調!!という衝撃
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
市川猿之助さんの事故があったけど、ルフィ役・尾上右近さんはじめ20代の若手の、リアルにワンピースと育った世代の皆さんが楽しそうで生き生きしてて本当によかった。4月に大阪松竹座、5月に名古屋御園座でもありますので見逃した方ぜひ…!!
#ワンピース歌舞伎、みんな感想ツイートしてくれよな!と幕間でサンジとゾロがお知らせしてくれるんだけど、そもそもハッシュタグとは?の説明から懇切丁寧にしてくれるサンジと最後まであんまりよくわかってないゾロの組み合わせとてもよかったです pic.twitter.com/Dg9CiM9v03
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月8日
今年の夏にはゾロ&サンジ、坂東巳之助さんと中村隼人さんが「NARUTO」をやるんだっていうのに期待が高まりすぎる。。楽しみ…生きなきゃ。
www.kabuki-bito.jp
あと、ワンピースきっかけに「マハーバーラタ戦記」も観に行った。歌舞伎、インド神話までやるんかいな。すごいな。歌舞伎ファンの人は親切にいろいろ教えてくれて、「これもこれも!」ってすすめてくれるので上手だ。
この時の歌舞伎座にはいつもの歌舞伎ファンに加えて歴史オタクやFGOプレイヤーも集っていて面白かったです。
ワンピース歌舞伎ご一緒した人に「今歌舞伎座でやってるマハーバーラタもヤバいのでぜひ観て下さい!」って言われて、え、あの世界史で習ったやつ…?まさか…?と思ったけど本当にインド叙事詩マハーバーラタで気になりすぎる。後援インド大使館!? https://t.co/riIkN5gskH pic.twitter.com/ChMiPH7QSJ
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
宣言通り、会社休んで歌舞伎座「マハーバーラタ戦記」観てきた。本気の歌舞伎なのにマジでインド神話だった……。すごいなぁこの世界の懐の広さ、いくらでもお高くとまれそう、伝統だ歴史だって内向きになれそうなのにチャレンジしまくる姿勢が pic.twitter.com/MbLyQQqQoy
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月19日
「歌舞伎ファン以外の方もいらっしゃってるみたいです」「そ、そうだよね…?インドクラスタ…?」「それもそうなんですが、あの、ゲーム?のファンとか…」「へえ~!」「カルナやアルジュナが出てくる…」「あ、わかりました」
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年10月14日
歴史オタクもFGOクラスタもいる今月の歌舞伎座…!
そして月組。楽しかったな〜〜!幸せな公演だった。
私が宝塚を好きになった時、すでに月組のトップ娘役には愛希れいかさんがいて、彼女に一目惚れして、ずっとずっと大好きで、それからずうっと楽しかった。舞台の上の彼女を観るたびに、この人を好きになった過去の自分は正しい、偉い、ありがとう、と心底思う。
愛希れいかさんのお茶会に行ってきたのですが、ちゃぴちゃんは本当にわたしの理想の「美しいひと」だ…何度でも新鮮な気持ちで脳がしびれる
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年9月24日
一夜だけ女の子になって王宮を抜け出すことを決意したちゃぴちゃんが満面の笑顔で「やった〜っ♡」って叫んでぴょんと跳ねるウルトラかわいい瞬間のお写真、売り切れだったから絶対に東京で買う…買っちゃうよね…ほしいよね…売り切れてて正しい
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年8月13日
たまちゃぴのコンビも超好きだな〜!!「ただ立膝をつくだけで全身から愛と真心と忠誠心を発せるランキング宇宙一 」マジでそれって感じです。
珠城りょうさんが立膝ついて背筋スッと伸ばして大きな目でじっと見つめて口元に少しだけ笑みをたたえてるの好きすぎる〜〜!!!!ただ立膝をつくだけで全身から愛と真心と忠誠心を発せるランキング宇宙一
— もぐもぐ💸✨ (@mgmgnet) 2017年8月13日
愛希さんの退団、さみしいなぁって気持ちと、宝塚の外でどんな素晴らしい未来を見せてくれるんだろう?ってわくわくが両方ある。口を開けばまだまだいくらでも言葉がこぼれてきそうなんだけど、それはもう少し先までとっておこう。11月まで、もっともっと夢を見せて。
www.nikkansports.com
最近の幸せな写真
年始に18歳で出会った友人たちとごはんを食べながら(みんな日本や世界のいろんなところでたくましく生きている)出会って10年か、とおののいた。すげえな。10年て。多分毎年そう言いながら時計の針は進み続けるんだろう。
私がすべてに飽きて記憶を失っても地球は回るし、世界は変わらないし、まあなんとか気を紛らわしながら、自分の幸福を自分で作りながらバランスとって生きていくしかない。
今年もがんばっていきましょう、同志たちよ。楽しい1年になりますように。