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ミュージカル『マタ・ハリ』

『マタ・ハリ』、愛希れいかさん、田代万里生さん、東啓介さんの回を観た。
ちゃぴさんがめっちゃちゃぴさんで最高だった。

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初演は観られなかった「マタ・ハリ」。踊る女スパイ愛希さん、絶対いいでしょ…とかなり楽しみだった。キャスティングしてくれた人に感謝の菓子折りを贈りたい…。

終わったあと、は〜〜なるほど、これは柚希さんと全然アプローチ違うだろうなと思って柚希さんバージョンも見たくなった。ちょうどライブ配信のあった東京公演千秋楽が柚希礼音さん、加藤和樹さん、三浦涼介さんの真反対のWキャスト公演だったのでこっちも見た。

ライブ配信、画質もすごくよくてカメラワークも凝ってて楽しかった!お客さんが入った公演も配信もハイブリッドでやるのってめちゃ大変だと思うけどありがとうございます…DVD発売の報もあったからその収録もあって映像きちんと作り込んでいたのかな。

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同じストーリーでも柚希さんのマタは「最後の恋」、愛希さんのマタは「初恋」に見えておもしろい。

大衆から向けられる(ときに重い)愛をプロとして100倍に返してきたキャリアと貫禄のある大女優。
誰にもニコニコしながら、どうせその愛は嘘の私に向けられたものでしょうっていう諦念すら感じる新進女優。
……くらいの差を感じた。

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Twitterより

ちゃぴさんはとにかくしなやかでセクシーな踊り子!いい意味で媚びがあってよかった。女を使って生きていくことにも、嘘を塗り固めることにもあまり罪悪感を感じていなそう。だってそうやってやってきたしこれからも生きていくし。人当たりはいいのに心の扉は閉じている。

衣装がどれも似合っていた。ちゃぴさんって本当にスタイルがいいな!あんなに細いのにダイエットどころか「今回は結構食べてます、筋トレするとすぐ腹筋割れちゃうのでやわらかい体つきにするために」という常人には考えられない異次元の発言…笑 かっこいい。

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Twitterより

ちえさんのマタはそういう突っ張った青い時期は過去になったような、もう少し円熟した色気がある。もし叶うなら、きっかけさえあれば、この嘘だらけの人生から降りてみたい、という欲すら感じる。

やっぱりあのハスキーな声が好き。ダイナミックなダンスもいい。露出の多い衣装がエロくセクシーではなく、かっこよい鎧に見える。だからこそ年下の恋人とのシーンのやさしさ、やわらかさが引き立ってかわいい。

田代万里生さんがパンフの座談会で「ちえさんはレジェンド感。クレオパトラメデューサみたいに目が合うと動けなくなるようなオーラ」「ちゃぴちゃんはこの世で最も艷やかでしなやかな最高級の猫みたいな品格」と言ってて言い回しがおもしろかった笑 「この世で最も艷やかでしなやかな最高級の猫」って言葉選びよすぎないか?言いたいことはめちゃわかる。

他の衣装もどれもきれいで素敵だった。色味も質感もゴージャスでどんどん着替えるから楽しかった。ベルリンの病院に行くときのキャメルのロングコートとボルドーの女優帽がかわいすぎた。

ラドゥーとアルマンもそれぞれ印象違っておもしろかった。

和樹さんは「こういう役」が似合いすぎる。似合いすぎるんだよ。嫉妬なのか支配欲なのか愛情なのか、ってぐちゃっとどろっとした感じが一級。逆にまりおさんは悪役なのに、ああこの人まじめないい人なんだな、戦争がこうしてしまっただけで…くう…と切なくなってしまった。というかそうさせるまりおさんのいい人オーラ!

とんちゃんは歌がいいな!!!声が響いて気持ちがいい。あと天性の人懐っこさみたいなものがにじみ出ててとてもかわいい。タッパもあって映えるし、どんどんいろいろやってほしいな〜。とんちゃんにやってほしい役なんやろって考えてしまった。りょんさんはキラッキラな希望とゴリゴリの絶望、どっちにもめちゃくちゃ振れるから見ごたえがあった。目の演技がすごい。


そして私はやっぱりフランク・ワイルドホーンの音楽が好きだな〜〜…となった。なんだこの安心感。きてほしいところできてほしい音がバチンとハマってきてこれこれ!!となる。生理的に気持ちいいし、不思議になつかしさみたいのない? いろんな作品で聞き慣れているだけかもしれないが……笑

ラドゥーとアルマンがバチバチ言わせるデュエット「Man To Man」が非常によかった。同じ旋律が何度も重なって気持ちが高揚していくワイルドホーン節!デスノートの月とLのあのデュエットを思い出してたぎった。てか彼の中で「男2人」のイメージがこういうアレなんだなぁと思ってちょっとにやにやしてしまった。ジャンル移っても違うカプで同じシチュエーション書いちゃうんだよな〜好きだから!みたいな感じでしょ。わかるよフランク!!

「自分がやってきたことを誇らしいとは思ってません。でも、恥じてもいません」

このセリフよかったな。マタ・ハリという人の人生の意味が凝縮しているようで(実際の史実上ではなくではなくこの作品におけるね)。

「いつだって愛を込めてよ」のリフレインもよかった。愛はいつだってどんなときでも、自分の意思さえあれば込められてすごい。