インターネットもぐもぐ

インターネット、おなかいっぱい食べましょう




プリンセスは王子様の側でドレスを着てるって誰が決めたの?

Sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」


12月21日(金)公開の映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』を、一足早く見てきました。よかった。インターネットの時代を生きる子どもたちと、そして大人のための物語だと思った。元気が出た。たくさんにやにやして、少しだけ泣いた。インターネットが好きな人は見てほしい。ふあー!ってなってほしい!



(C)2018 Disney. All Rights Reserved.

2人は“人気YouTuber”を目指す(マジで)

主人公の2人はアーケードゲームの世界のキャラクター。お話としては、ゲームの中で生きる彼らは夜中、ゲームセンターが閉まった時間に……?という、『トイ・ストーリー』のゲーム版みたいな感じだ。前作『シュガー・ラッシュ』には往年のゲームキャラがたくさん出てきて楽しいので、そちらを先に見るのもおすすめ。パックマンとかクッパとかソニックとかガンガン出てくるよ!



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緑のパーカーを着た、目がキラキラしたちっちゃな女の子・ヴァネロペは、レースゲーム「シュガー・ラッシュ」の天才レーサーでありプリンセス。親友の大男・ラルフは、別のゲームでビルを破壊する悪役キャラ。メインの2人が、男女のでこぼこペアなのがまずいい。リッチ・ムーア監督は前作『シュガー・ラッシュ』のあとに『ズートピア』をやってる人なんです……と言うと興味を持ってくださる方もいるでしょうか。そういえばズートピアのニックとジュディもそういうペアだった。

シュガー・ラッシュ:オンライン』というタイトルを聞いたときは、アーケードゲームがオンライン対応になっちゃうって話?と思ったけどそうじゃなくて、ヴァネロペとラルフがインターネットの世界に飛び込んで冒険する話だった。「探してたものを『eBay』(日本で言う『ヤフオク!』)で発見!したものの、間違えて超高額で落札してしまい、資金稼ぎのため手っ取り早く一発当てようと人気YouTuber……ならぬ“バズチューバー”を目指す」……ってこう書くと身も蓋もないけど、本当にそういう話です。イマドキ!

SNSのコメントは読まない方がいい、メンタル病むから」など古来からのリアルな教訓(?)も随所に含まれていて、親の目から逃れてインターネットで育った身としてにやっとしながら全力でうなずいた。本当にそうだよね。スマホ時代のキッズも知っておくべき大事なことだわ。

大人の皆さんにはとにかく予告編を見てほしいのですが、AmazonFacebookGoogleTwitter……とおなじみのサービスのロゴがガンガン出てきて楽しすぎる。もう1回見たい、静止画で見たい、アップで見たい~~!と思うシーンがたくさんあった。電脳世界を生きるアバターたち、というと『サマーウォーズ』を思い出すけど、まさにああいう感じ。カラフルで緻密でエネルギッシュ! 『ズートピア』好きな人も楽しい画面だと思う。



個人的には、とある世界的サービスが終盤のめちゃくちゃいいシーンでめちゃくちゃいい感じでフォーカスされたのが好きすぎた。なんというか……現実の日本では微妙な存在感の子なんです。おいおいお前、名だたる巨人たちを抑えてこんなに目立つなんて推されてるな!?!?と思ってつい笑っちゃった。多分、はてなブログを読んでいるような人は見たらわかってくれると思う、この気持ち。逆にWebサービスに詳しくないとそもそも存在すら知らない可能性、全然あると思います。

パーカーを着たプリンセス!

あと、かっこいい女たちがたくさん出てくるのがいい。超いい。

まず、ヴァネロペがこのキュートなビジュアルで超絶技巧のスーパーレーサーっていうのが最高。かわいくて強い! 好きなものは好きで何が悪い!

そして、予告編でも話題になったディズニープリンセス大集合の場面。これがもう、最高に最高~~に最高でした。ずらっと並んだ14人、ヒーローの女性形、という意味でのスーパーヒロインたちだよ。



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私は正直プリンセスという概念にそこまで思い入れはないのですが、それでもぐっときた。小さなころから「素敵な女の子」のモデルとして横目で見ていたプリンセスたちが、仲良く生き生きとおしゃべりし、それぞれの人生を謳歌している姿が見られるなんてハッピーすぎる。ほとんど初めて、彼女たちを近しく感じた。ずっと、自分には絶対になれない、かけ離れた存在だったから。

ネットの世界の中でヴァネロペはWebサイト「OH MY DISNEY」(実在する公式ファンサイト)に入り込み、“プリンセス専用部屋”に迷い込む。ヴァネロペ自身もシュガー・ラッシュの世界のプリンセスなのだけれど……当然「誰!?」と警戒される。

「ちょっと待って! 私もプリンセスだよ」
「魔法の髪は?」
「……ない」
「魔法の手は?」
「ない」
「動物とおしゃべりは?」
「しない」
「毒は?」
「ええっ……」
「誘拐や監禁は?」
「あるわけないでしょ! 警察呼ぼっか?」
「背が高くて強~い男性に幸せにしてもらったってみんなに思われてる?」
「そう! でもそれがなんなの?」
「「「本物のプリンセスよ!」」」(大合唱!)

プリンセスあるある、そして自虐ネタとも言えるメタジョークを自分たちで言っていくのが面白い。共通項としての「誘拐や監禁」という字面よ。そう言われればそうですわ。ラプンツェルもベルもお疲れ様……。

ドレッシーな皆々様に混ざって、限りなくカジュアルな衣装の、映画を見ている私たち(あるいは女児たち)に最も近しい見た目のヴァネロペが、仲間として受け入れられているのがすごくエモい。かわいい。うれしい。元気出る。

「パーカーを着たプリンセス、ヴァネロペをあの一員に加えてあげるというアイデアを心から気に入ってしまったのです」――脚本家・パメラ・リボンがこのシーンに寄せている言葉がよすぎる。「パーカーを着たプリンセス」! なんて素敵な響きなんだろう。パーカーを着ていてもあなたはプリンセスだし、プリンセスだってパーカーを着て自由に街を走り回ってよいのだ! それが2018年!

このあと、プリンセスたちはいつものドレス姿から変身し、今まで見たことがないくつろいだ姿になるのですが、そのパジャマパーティーの女子会っぷりもすっごくかわいくてアガる。それぞれの個性や能力が爆発してて幸せな気持ちになる! 王子様がいなくてもお姫様の魅力は伝わる、成立するのだ。

予告編のプリンセスたちを見て興味を惹かれたらぜひ見てほしい。なぜならシンプルに、さらに最高に最高なシーンが待っているので……。彼女たちがパワフルにきらめく一連のシーンだけで見てよかった!と思ったし、この映画を見る小さな女の子たちはどんなに勇気づけられるだろうと思った。書きたいけどネタバレだから書かない! でも本当に! ブチ上がります!!!

そしてもう一人のかっこいい女、シャンク。

ヴァネロペが憧れるほどの超絶テクニックを持った、男たちを束ねるスーパーレーサー。黒革のライダースを着こなし、まぶたと唇を真っ赤に染めた、セクシーな大人の女性。



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もうね、好き。大好き。宝塚歌劇団の男役トップスターのような凛々しいお方(その例え!)。ヴァネロペとバチバチファイトする迫力のレースシーンも超かっこいいのですが、ラルフとぎくしゃくしてしまったヴァネロペにかける心のこもったアドバイスが心底素敵すぎて「好き……」ってなります。上司になってほしい。プリンセスたちと並んで、こういうタイプの自立したかっこいい女が出てきて寄り添ってくれるのも、今っぽくてめっちゃいいなと思った。

インターネットはやっぱり楽しい

眠らないインターネットの世界に、最初は恐る恐るだったヴァネロペとラルフ。ここが私の生きる場所だ!と確信を深めていくヴァネロペと、早く元のアーケードゲームの世界に帰ってのんびりゆったり過ごしたいラルフのすれ違いはどんどん深まっていく。

性格も中身も正反対な男女の「親友」が選ぶ未来が、すっごくよかった。ありがちな「めでたしめでたし」の枠に収めない。友情の形はひとつじゃない。2人の関係は、取り巻く世界はずっと同じじゃない。



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リッチ・ムーア監督は、2人について「ひとりは都会に惚れ込み、もうひとりは早く故郷に帰りたくて仕方がないのです」と言っているけど、インターネットという“都会”のきらびやかさ、楽しさをこの映画で思い出した。

そうだ、あのころの私はヴァネロペだった。学校なんて行かずにインターネットしてたかった。インターネットの世界でなら、何をしても(たまにやらかして落ち込んでも)楽しくて仕方がなかった。必死でHTMLやCSSを勉強して頑張って個人サイトを作った。ハンドルネームで呼び合う友達と、リアルの友達にはできない話をたくさんした。何気なく書いたブログにたくさん反応があって驚いた。全部新鮮でドキドキしたな。そうだった、インターネットは楽しい場所だ。

炎上、デマ、スキャンダル、差別、怒号。最近、ネットやSNSにはむきだしのネガティブエネルギーがあふれていて、積極的に加担しなくてもその空気にあてられて、正直疲れ気味だったけど、この映画を見てなんだか初心を思い出した。ネットの世界、ドロドロした側面もそりゃあるけど、クールでハッピーな空間や関係も絶対ある。一歩踏み出せば素敵な同志だってできる。私は私の大都会を、インターネットを諦めない。


映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想 #シュガラお題


sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)

はてなブログでは、12月21日(金)公開の映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」と共同で、特別お題キャンペーン「#シュガラお題」を実施しています。この記事はキャンペーンの一環として、もぐもぐさんに作品の感想を執筆いただきました。(はてな編集部)