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独断で選ぶAudibleのよき小説、2024年版


愛するAmazon Audible、最近読んだ(聴いた)なかでおすすめをアップデートしておく。
オーディオブック、まだまだ母数が少ない上に検索性も低いし、みんなのおすすめ知りたいな~と常に思うため!

前回の記事はこちら。ここからず〜〜っとかなりヘビーに使ってる。SNSをだらだら見る時間が減るのが、本当に、一番いい。Audibleのおかげでコンスタントに小説を摂取できている。
mogmog.hateblo.jp

成瀬は天下を取りにいく

これはもう、音声で聞きたくてAudibleくるまで待っていたところすらある。あらすじだけで朗読で聞きたいタイプの小説!
作品についてはさまざまな角度から語られてまくっているので割愛するとして、とにかく明るい前に進むエネルギーにあふれているのが逆に今新鮮で、いい意味でスルスルと何も考えずに聞けていい。この軽さ、Audible初心者の人にもいいと思う!

なんだろうな〜キャラを「演じる」んじゃないんですよね、朗読は。でもそのキャラクターの色をまとうっていう意味が、わかるな、と思います。ナレーターは鳴瀬まみさんという方で、滋賀県のご出身なんだって。滋賀県のなるせさん。こういう遊び心もめっちゃいいよね。方言ものは朗読の意味があるな〜と思う。

その流れでいうと、『板上に咲く - MUNAKATA: Beyond Van Gogh』は原田マハさんの音声先行書き下ろしなのですが、渡辺えりさんが朗読で深みがあってとてもいいです。棟方志功は青森出身で、渡辺さんは山形ご出身。

イーロン・マスク

インターネット育ちのヘッズは全員読むべきやつ。「なんだこいつヤバすぎる…」ってドン引きと、「いやでもこんくらいヤバくないと激ヤバアントレプレナーにはなれないだろうな」って納得が交互に来る。と思うと「なんかかわいいとこもあるな…」な変なエピソードもあっておもしろい。

Twitterへの歪んだ愛(Twitterを愛してるやつらの愛は等しく歪んでいます)ゆえにTwitterを買収してしまった顛末もかなり書かれているのでそういう野次馬精神で読むのもいい。

歌われなかった海賊へ

『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂冬馬さんの第2作。独ソ戦におけるドイツ側、ナチス政権下の子どもたちの話。こんなことを言えるほどの立場でもないけど、2作両方読んでこの小説家の芯にあるものがわかった気がした。

自分が生まれ育ったのは違う国、違う時代の話なので、「聞く映画」みたいに世界が脳内に広がる朗読の魅力をたっぷり味わえる。冒頭での雰囲気から予想しなかった方にどんどん転がっていく。すぐ映像になるような題材でもないので、そこも本を読む醍醐味ってかんじでいい!

ナチュラルボーンチキン

金原ひとみのオーディオファースト(単行本より前に音声版が出る)の書き下ろし。朗読は日笠陽子!!!!←ありがとう

あらすじがすげ~よい。中年版「君たちはどう生きるか」という説明もいい。「男女を結ぶものは恋愛だけじゃないよね」と耳障りよい言葉におさめられる時代に、恋愛としての“私とあなた”の関係の強度を描き切るところが金原ひとみらしくていいなと思った。

仕事と動画とご飯のルーティン生活を送る、45歳一人暮らしの労務課勤務・浜野文乃(はまのあやの)。趣味も友達もなくそれで充足した人生を歩む浜野は、ある日上司の命令で、在宅勤務ばかりで出社しない編集部の平木直理(ひらきなおり)の家へ行くことになるのだったが、その散らかった部屋には、ホストクラブの高額レシートの束と、シャンパングラスに生ハム、そして仕事用のiPadが転がっていて――。

金原ひとみが贈る、中年版「君たちはどう生きるか」。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

圧倒されるおもしろさ。おもしろすぎる。年末年始はなんかもう全然ネットを見たくなくて、ずうっとこれを聞いていた。一気読みならぬ一気聴き。小説で読んだ人も、あのシーンが、あの会話が、音で聞けるのでおすすめ……。

今聴き放題対象から外れてしまって別売りですすめにくい!かなしい!ライアン・ゴズリングの映画が楽しみだ~~!!!

贖罪

湊かなえの小説を小池栄子が読んでよくないわけがない…よね? 淡々とした語りで、ひたひたと狂気が後ろをついてくる。

湊かなえを俳優が朗読するシリーズはたくさんあって入りやすいと思う。「母性」を戸田恵梨香、「Nのために」を榮倉奈々、「告白」を橋本愛、と映画やドラマの主演俳優たちと連動しているのも多くて豪華だ~。朗読という選択肢の可能性を感じる。

黄色い家

想像以上にがっつりクライム・サスペンスで驚いた。90年代の「あの頃」を振り返るしんどさに息止まりそうになる。川上未映子のあのうねるような筆致が、音になると気持ちがよくて気持ちが悪い。

20時間近くあるのでどっぷり世界観に浸れる。三軒茶屋に土地勘がある人には、特におすすめ。

嘘つきジェンガ

短編集なので聴きやすい。こんな最果てのはてなブログを読みに来るみなさんには「オンラインサロン詐欺」の章がおすすめ。

覆面人気漫画原作者・谷嵜レオはオンラインサロンで少数のファンに向けて創作論を教えている。――ように外からは見えているのだが、実は主催の自分は本人とまったく関係ない赤の他人、ただの熱狂的なファンで……。

ハンチバック

この小説を読むツールとして文字よりも音声のほうが適しているかもしれない、と思ってこちらでも読んだ。Audible版では冒頭に作者から短いメッセージがあって、名前の読み方が一部変わっている。いい意味で読み飛ばせない、全部流れ込んでくるので(冒頭いきなりWebのエロ記事文体読まれるの面食らう)作品自体の印象もちょっと変わるかも、「もう1回音で読む」おもしろさ味わうのにおすすめ!



存在のすべてを

塩田武士の真骨頂…!真っ白な雪の上をはじめて歩くような、暗い夜の高速をずっとまっすぐ走っていくような、静謐なミステリー。
絶対映画化しますねこれは。映画でこのシーン観たい!と思うところが多かった。文字より音声のほうが情景を思い浮かべながら聴けるタイプなので、この作品はとても相性がよかった。


というわけで2024年秋時点のメモ終わり。また1年後くらいに書きます(遠い未来の宣言)
かなり冊数も増えてきてヘビーユーザーとしてはうれしい。一覧はここから!
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