「興味あるけど今さら何から見始めればいいんだ…」に誰にも頼まれていないのに勝手に挑むシリーズ、第2回はBLです。ボーイズ・ラブです。
海外の某小説やジャンプ系の漫画にハマっていたころは二次創作としてぶちあたっていたこともありましたが(なんでも読んでた)、商業作家さんのものって思えばあんまり読んだことないし知らないなあと思って入門することにした。最近はBL出身で一般漫画で活躍してる人もめっちゃくちゃ多いしどんどん垣根が薄くなってる印象すらあります…が、読み始めてみたら奥が深すぎた。全然全貌がつかめない!キリがない!
なんでハマったのかって聞かれても…、というところから入って愛でてる人が当然多いと思うので、意識的に入門するのは珍しいかもしれない。別に批評や分析したいわけでも語ってやりたいわけでもなく、ただただ熱狂の渦のふちにたちたい、それだけです。
まずは、BL入門したいので初心者でも読めそうなの教えてください~と身近な人たちに聞いたりTwitterに書いてみたりして教えを乞うた。宝塚の時と違って体系的に理解、とかじゃなくてとにかく読んでみるしかねえ!って感じだったのでガツガツ読む読む読む。
最初のスペック
・読んだことないわけじゃないけど積極的に読んだり買ったりしてない
・とはいえ読んだとしても二次創作
・濡れ場的なものにはそこまで抵抗ない
・少年誌よりも少女漫画の方が読んできたかも(りぼん党)
・この人、BL出身なんだ~読んでみようかな~くらいのぬるい興味は持ったことある
読んだもの(一部)
もっと読んだ気もするけど、タイトルや作者や話が記憶に残っているものを。
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2008/02/15
- メディア: コミック
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シリーズ全部好き!これは前から読んでたし好きだったし自分の家の本棚にあった。中村明日美子さんは絵が静謐でどきどきします。ときめきしかない。高校生かわいい。男子高校生、というより高校生かわいい。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2000/06/25
- メディア: コミック
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これも前に読んだことあった。BLって思って読んでなかった気がするしそもそもこのカテゴライズであってるか微妙ですが…普段からこのジャンルを読んでる人には怒られそう。。いろいろ読んでみよう、と思い始めたので再読した。
- 作者: 水城せとな
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/08
- メディア: コミック
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- 作者: 水城せとな
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/08
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後輩の女の子が、BL読み始めですか?じゃあこれセットでぜひ、と教えてくれた。
……えっめっちゃおもしろいじゃん!!!
これがBLなのか論争みたいのもあるみたいですが(レーベル的な話?)とてもおもしろく読みました、よくできてるなあと思った。個人的には「失恋ショコラティエ」っていまいちぐっとこないのだけど、この2冊を読んだら水城せとなさんが描きたいものがちょっと腑に落ちた。そして、こっちの方が、断然好きです。1回通しで読んでからすぐ読み返してしまった。
- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2008/12/10
- メディア: コミック
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ヤマシタトモコさんはとにかく、センスがいいなあと思う、読む人によって向き不向きはありそうだけど。短篇集だとさらに光る気がする。タイトルが素敵ですね。導火線短し恋せよ乙女(的ないきもの)。
どうしても触れたくない (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 26)
- 作者: ヨネダコウ
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: コミック
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ヨネダコウさんは結構いろんな人からすすめられた。実際本屋さんで物色してもかなりの確率で平台だったので売れてる人なんだー、と思ってた。絵がきれい。…だけど1ヶ月経って思い返すといまいちストーリーを思い出せないなー。記憶に埋もれてしまった。そんな感じ。
- 作者: 秀良子
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: コミック
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一番多くすすめられたのはこれかもしれない。女装した男の子が登場する作品て、結構多いよね? この短期間で読んだ中にいくつかあった気がします。表紙のイメージからもっとふわっと軽い感じなのかと思ったらそうでもなかった(いい意味で)。みんなどっか歪んでて、それでいいよね。
- 作者: 小嶋ララ子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/07/25
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絵がめっちゃかわいいいいいい!!!少女漫画みたい(という表現が適切かはさておき)。絵も話も大変読みやすい。他の単行本も、表紙がどれもかわいいので本屋さんで見ても目につくしすぐ覚えられた。小嶋ララ子さん、Tumblrがかわいすぎてまぶしいぞ…!
discotica-yum
- 作者: 腰乃
- 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
- 発売日: 2011/03/20
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かなり好きだった。コンビニのバイト仲間設定なのだけど、男の子がじゃれてる!っていう恋愛以前の友達フェーズの描き方もすごくよくてにやにやしてしまった。のぞかせていただいているような気持ち。かわいげのある絵なのに濡れ場が結構激しくてそのギャップにびっくりした。
- 作者: 山中ヒコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2012/07/25
- メディア: コミック
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SFっぽいお話。おもしろかった。山中ヒコさん、一般誌の漫画を読んでいまいちピンとこなかったけど、こっちなんだなあ…これならわかる!!! なんていうんでしょう、メジャー路線を微妙にひねるより最初から思い切ってぐっとひねった世界観つくる方がきれいにできるような感じというか。絵の独特な感じもあいまって最後までおもしろく読んだ。恋愛!って感じでもなくて読みやすい。
- 作者: 木原音瀬,日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 蒼竜社
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: 新書
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- 作者: 木原音瀬,日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 蒼竜社
- 発売日: 2008/01/29
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漫画じゃなくて小説。いやー……めっちゃくちゃおもしろかった!!ちょっと感動した。
漫画に比べて小説ってやっぱりハードル高くて、いくらカバーつけてても電車の中では読みにくいし(最大の障壁は挿絵ですね!!!)夜寝る前に読む感じでもないしwいったい自分の生活のどこにいれたらいいのよ!って感じだったけど読み始めたら一気に最後まで、だった。普通に読みものとしておもしろかった。
この方はずいぶん長いこと小説を描いてらっしゃる方なのですね。BL小説の世界、10年20年とか第一線にいる人もいるって聞きました。それは漫画に比べて新人が少ないってことなのかしら。
それなりの量をまとめて読んでみた感想
- 絵がうまい
わけあって近ごろマーガレットとかちゃおとかりぼんを買って、一番衝撃だったのが絵の平均レベルがわたしのイメージより低かったことなのですが(小学生の頃より目が肥えたのかレベル自体が下がってるのかはよくわからん)BL漫画の人ってみんなすごく上手だな…って、言葉にすると馬鹿みたいな感想だけど思った。安心してページをめくれる。興醒めしちゃうことが少ない。特にエロって難しいもんね。なんでもない仕草とか身体の描き方に描いてきた量を感じたし、このシーンを描きたい!みたいなエネルギーみたいのが大きくて読んでて楽しかった。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、好きなんだなあって思った。そういうフェチズム透けて見えるとやっぱりぞくぞくする、こっちまで伝染する。
- 不自由だからこそ自由なんだなあ
同性愛だからって最初からそういう性的嗜好の人同士が出会いましたよって設定はそこまで多くなくて、むしろ葛藤が前提だからこそ、その壁をどう超えるか、自分の中の感情にどう折り合いをつけるかみたいなところを描かなくては仕方がないんだなあ、だからこそ遊べる部分てたくさんあるんだなあって思いました。少女漫画の世界だと、制約はないはずなのに、どうしてもマンネリになりがちな気がするから不思議だね。お決まりのパターンになっちゃう感といいましょうか。
- 友情と恋愛のあいだ
恋愛において一番ハードルが高いのは「あ、わたし、この人のこと好きなんだ」って認める最初の最初だと思っているのですが、それって男女恋愛の場合だと「この人ともっと親密になりたい」って気持ちに「相手が異性である」って前提があれば正直それだけで結構恋愛寄りにぐっと針はゆれるわけだよね。でも同性を描くには、特に男同士だとそうなるのかもしれないけど(女の子の場合は身体接触を伴う濃いコミュニケーションを友達の範疇でするのが極端に珍しいことではない気がするから)厳密に境界があるわけじゃない友情と恋愛のグラデーションをちゃんと重ねてかないといけないんだね。このへんが一番おもしろかった。「これは恋です」って言い切ってしまうことに甘えない部分。それを自覚する瞬間こそがねえ。負けじゃん。負けられるかどうか。納得できる負けちゃい方。
- レーベルと色
読み手が出版社やレーベルを結構意識しているの、外から見てるだけじゃ全然知らなかった。わたしはこれがすきー、とか、ここはこういう感じ、って印象がわりとはっきりあるのね。花ゆめよりりぼん派だな、っていうのと同じ感じなのかな。いくつかレーベルの名前は覚えました。けどどこが好きですとかはまだ全然わからん。
- メディアミックスの方法
かなりの作品で「ドラマCD」が出てるのに驚いた。そうかあなるほど、アニメでもなくセリフを読み上げるCDなんだなあ。声優さんをきちんと使って。ものによってクオリティに差があるらしい。そりゃそうだよね。漫画より小説よりさらに、生活のどのシーンに入れ込めばいいのかわからない笑 電車の中でも職場でも恥ずかしくて聞ける気がしないよう!!でも、制作労力と需要を考えるとそこまでおいしいビジネスだとも思えないよね。どうなんだろう。それでもこんなに広まってメジャーなのすごい興味深い。
人におすすめされたものをたどって、浅く広く漁ったつもりだけどぜんっぜん入り口にも立ててないですね…! オススメを聞かれても答えられないしどれに対してもある程度の感想は抱けただけどそれだけっちゃそれだけだ。「えーそういうジャンルが成立してるの!」って何度もびっくりしてる。広い……。もう少し読みたい。まだすすめてもらったの読んでないのあるので探してみる。
第1弾は漫画を中心に吸収に励みましたが、わたしが今頼っている"先生"が小説好きなので第2弾は小説中心に読みまくりたいと思います。刑務所ものとか幼馴染ものとかSFチックなものとかタイムトラベルものとかバラエティ豊かにピックアップしてもらいました…ありがとうございます…! 漫画はかの有名な「SEX PISTOLS」をお借りしました。さー読むぞー。これを消化したら、第3弾は、ドラマCD…かな…!?(どきどきどきどき)
あとユリイカのBL特集も今手元にあります。コンテンツに触れる前から分析を批評を読んでわかったふりするのもな、と思ってこのタイミングに。。パラパラとめくってみよう~
ユリイカ 2012年12月号 特集=BL(ボーイズラブ)オン・ザ・ラン!
- 作者: 雲田はるこ,ヤマシタトモコ,ARUKU
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2012/11/27
- メディア: ムック
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その2、に続く…かも!