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もっと恋愛漫画を読みたい

恋愛漫画を読みたいブームがきてる。きてるんだけど、なかなか共有できる人がいなくてさみしい。

20代半ばのわたしの周囲でそれなりにマンガ読む人ってBLを中心に嗜む人も多くて、恋愛漫画についての情報って意外に入ってこない。Amazonレビューも少ないし、雑誌やメディアで特集される機会も比較的少ない……ような気がする。

なんというか、身も蓋もなく言うときっとイタいイメージがあるのでしょう。いつまでも恋に恋してるんじゃないよおまえ……って思われている気がします。「アラサー向け少女漫画(笑)」のイメージのアレさも貢献してるんでしょうか。でもね、年下の男の子に理由なく惚れられて会社休みたくなったり、世を憂いて住み着いた田舎で歳は重ねているけどダンディな魅力あるおじさまと出会っちゃったり、壁ドンされたり足舐められたりを見たいわけじゃないんですよ!!!そういうことじゃないの!!!


……ちょっとこのあたりの話は長くなりそうなのであとにまわします。
会最近読んだ中で好きなやつを書きます。女子を好きになれないと恋愛漫画読めないことがわかってきた。


アヤメくんののんびり肉食日誌 (Feelコミックス)

アヤメくんののんびり肉食日誌 (Feelコミックス)

大学の生物学科の研究室が舞台。「基本的に生きて動いてるものは苦手なの」な骨の研究してる派手でギャルっぽいのに研究大好きな女の子と「僕は恐竜が一番好きなんです、今いる動物だと爬虫類」の年下の男の子がゆるゆる距離を縮めていく話。いちいち細かいエピソードがたまらん。いちゃつかなくても楽しそうでよい。


ひるなかの流星 1 (マーガレットコミックス)

ひるなかの流星 1 (マーガレットコミックス)

絵がとてもきれい。服がかわいい。読んでてずっと気持ちがよい。獅子尾せんせーが髪を結んでるのがものすごく好き。基本的に先生と生徒関係は全然ときめかない(おいおいおいおいって気持ちが圧倒的に上回る)んだけど、スタートの関係性が上手だしヒロインに嫌味がないから好感がもてる。そして同級生・馬村くん…いやがんばってほしい…ほしいが…と思ってると途中からめっちゃ応援してるからあれ!?ってなる。かわいい。かわいいの見せ方がかわいい(伝わる人にだけ伝われ)。あと、装丁がすべて最高。並べたくなる。ついに連載が終わってしまったので12巻で完結らしい。どきどき。


古典「とりかへばや物語」が下敷きの男女境遇逆転もの。男装して出世していく姉と女として宮廷に仕える弟。今5巻まできていっそう佳境。
前にも書いてた。


思春期ビターチェンジ(1) (ポラリスCOMICS)

思春期ビターチェンジ(1) (ポラリスCOMICS)

幼なじみの男の子女の子が精神入れ替わっちゃう話。設定としてはよくありそうだけど、小学生から始まって、謎が解けないまま淡々と成長していくのが、お互いの毎日が当たり前のようにさらっと描かれていくのがざわざわする。もちろん最初は元の身体に戻りたいと思って試行錯誤するんだけど、途中から何が正解なのかどうしたらいいのか、このまま戻りようがないなら何をどう受け入れたらいいのか、読んでる側もよく分からなくなってくる。表紙だけ見ると入れ替わった2人の恋模様ぽいけどそういうことじゃなかった。もっとぐぬぬってなる。続きが楽しみ。


彼女とカメラと彼女の季節(1)

彼女とカメラと彼女の季節(1)

完結した。百合なんだけど、真ん中に男の子がいてこの子がいる意味がものすごくあって読んでてきれいな構図だなあってうっとりできる。高校生の女の子の刺したらしぼみそうな、揺らしたらこぼれそうな、そういう恥も外聞もなくひたすら感情のぐらぐらする感じがうまい。カメラって、エロいよね。エロい。


ママレード・ボーイ」の登場人物たちの弟妹の話。単なるスピンオフで懐古厨としてだけじゃなくて(いやそういうところももちろんありますよ!)(光希も遊も銀太も茗子も出てくる)キャラの造形がめっっちゃかわいい。立夏ちゃんはかわいいし朔くんはかっこいい。とにかく吉住渉さんのカラー絵の配色が好きすぎる。表紙からして最高です…ってなる。明るくさわやかにラブリー。あと巻末の「ママレ」本編解説が当時読んでた人間の胸を突き刺してくる。


大学院卒業しても就職先がないから家政婦として契約結婚する話。よく名前を見かけるけどこの設定だしなんか……と若干敬遠してて、でも暇な夜中にKindleで冷やかしのように買ったらおもしろかった。1巻だけじゃよくわからないと思う、続きまで読んでほしい……。勤労としての同居と家事、社員旅行としての実家へのごあいさつ、会話は敬語、そういう設定でガチガチに固めてきてさっくり“偶然のいたずら”で恋愛モードにスライドしたら絶許だからな!?!?とギリギリしながら読むじゃん、読み進めるじゃん、意思は固かったはずじゃん、あれ気づけば(略)って感じで、いやー海野つなみさんとっても上手ですね。。連載中だから楽しみ。


回転銀河(1)

回転銀河(1)

「逃げ恥」おもしろかったごめんなさいみなさんと思ってたら「海野つなみさんならこれを!」とガッツリおすすめされて一気に買って読んだ。面白かったー!って感じじゃない方向の満足感ありまくる。オムニバスの短篇集で人間関係の断片が少しずつ編まれていく。実の姉と弟のあれこれから始まって、題材としてはセンセーショナルなんだけど、でもこの人が描きたいのはそういうことじゃない。「愛の形にはいろいろあるでしょ」ってことを言いたい、って何度も書いてるしその通りで、友情も恋愛も全部愛のお話だなって思う。どの子がすきかなぁ自分は誰かなぁって考えちゃう。


というわけで、新旧問わずにもほどがありますが最近読んだシリーズでした。
年末年始に読むものに飢えてるのでお心当たりの方いらっしゃったら教えて下さい。


終わり。ここからは冒頭の続きです。すでに長すぎる。

「どうせアラサーで恋愛漫画読む奴はこんな感じにやっときゃ喜ぶんだろwww」のパターンとして「なんかよくわからないけどモテる」構図があると思うけど、好感が持てるやつもあって、例えば「9時から5時まで」はわたしの中では先のブログで出てる「&」同じ感じで好き。なんていうのかな……誰にも特に感情移入できないけど読んじゃう枠。

言い寄られまくることに付随する心労とか自意識の描き方がよい。「女版モテキ」。「東京版SATC?」って触れ込みだけど圧倒的にモテキだと思う。神田の英会話学校でバリバリ働く非常勤講師、留学経験ありの上智大卒、夢はNYで働くこと、な27歳女性が主人公なんだよ?下北沢のWebメディアに就職することになる派遣社員バナナマンの大ファンの29歳サブカル男性――ほらほら、きれいな対偶っぽい。

& 1 (Feelコミックス)

& 1 (Feelコミックス)


恋愛中心に生活まわす余裕なんかないから~仕事もあるし趣味もあるしやりたいことたくさんあるし~っていうのが“働く大人の女の子”(後述)の合意なわけですよね。っていうか誰かと相互関係を築いていくって、一方的にときめくより面倒なプロセス多いわけじゃないですか、当たり前だけど。何かを愛したい欲を発散するならもっといろいろあるわけですよね。

新潮社の女性誌「ROLa」が創刊されたときに「恋より楽しいことがある」ってキャッチコピーで、当たり前だろうが!!!と多くの淑女の皆さんが思ったわけですが、まぁ改めてこんなキャッチが成立してしまうくらい女性向けコンテンツのなんでもかんでも恋愛に収束していく確率の高さよ。そして最近の「ROLA」(表記が変わった)は「働く大人の女の子のごほうびマガジン」てタグラインになってて辛さがある。どっちも違う意味で辛いけどこの変化込みで一層辛さが増すな……。

ROLA (ローラ) 2015年 01月号

ROLA (ローラ) 2015年 01月号

こ、こんな感じになってるのか……「泣いてこころきれい」……!


話が脱線した。
とかまぁ、散々言ってきてここでこの恋愛コンテンツ欲はなんなんだ??と考えてみたんだけど、それなりの親密さになるのはわりと簡単になってるけど、じゃあそれなり以上に仲を深めるって何?のプロセスをもっと見たいんだと思う。友情と恋愛のグラデーションをいろんなタッチで見たいんだと思う。

もはやネットでしか友達ができないし(異論は認める)同じ何かが好きな人、この人なら気が合いそうって人ばっかりでいいし、わたしの場合はとりわけ女性ばかり好んで会うし、最初からそれなりに好意がある状態でスタートできるけど、それ以上になるのって男女どちらでも意外に難しい。きっかけが逆にない。

受け入れられたい…肯定されたい…恋愛is自己承認…愛をくれ…ってところじゃなくて、「くっそー、この人のこと好きじゃん……」の恥ずかしさや敗北感(ってあえて言う)をどう受け入れるかとか、えっ何考えてるのか全然わからないんだけど??みたいな探り探りな感じとか迷いとか、そういう能動的なアクションとしての恋愛を摂取したいのだ。

でもわかんない、今恋愛小説ってそもそも売れてるんだろうか?ある時期には世界の中心で愛を叫んだり100回泣いたりする純愛ブームがあったわけだけど。今「テラスハウス」がめっちゃ人気出たのもすごいおもしろいと思うし、由比ヶ浜のいいところだけを切り取ったInstagramみたいな映像を毎週楽しみにしてた彼女たちがどのあたり琴線が触れてるのかとても気になる。

あとBLも恋愛コンテンツとしていいのかしら。ジャンルとしてものすごく充実しててどんどん進化してて、書き手も読み手も愛と情熱があってすごい。BLの根本的なおもしろさはやっぱり前提として、友情と恋愛のグラデーションをかなり細かく描かなくてはお話が成立しないからだよなぁって思う。おもしろいの、よくできてるなぁって思うの、ありすぎる。男同士をメインにするという制約があるからこそどこかが自由になる感じ。

最近は何周かまわってアイドルを好きでいることも広く「恋愛」のくくりでいいのは?って思い始めてきた。「疑似恋愛」なんて言葉を使わなくても、好きでいて一挙一動にときめけるんだから、相手が同性でも異性でもこの感情は恋ってことでいいよ、って思ってる。1対1じゃなくても、次元の壁の向こうでも、それはそれで愛だからいいかなって……。

嫌いなものに呪詛を吐いたり怒りをぶつけたりレッテル貼ったり他人を煽ったりするより、なんでもいいから愛に生きる方が幸せっぽい。

追記

コメントやTwitterで教えてもらったもの。読むぞ~

夫婦サファリ 1 (Feelコミックス)

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ボクは狼。 1 (りぼんマスコットコミックス)

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スプラウト(1)

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隣のあたし(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

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BEAR BEAR 1 (花とゆめCOMICS)

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夏の前日(1)

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新装版 恋風(1)

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異国館ダンディ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

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ベル・エポック 1 (YOUNG YOU漫画文庫)

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となりの怪物くん(1)

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星屑クライベイビー (マーガレットコミックス)

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カレは女とシたことない。 (Feelコミックス)

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デビルズライン(1) (モーニング KC)

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キャリアこぎつねきんのもり 1 (クイーンズコミックス)

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14歳の恋 1

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溺れるナイフ(1)

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おはようおかえり(1)

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いちばんいいスカート (フラワーコミックス)

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スケルトン イン ザ クローゼット (フラワーコミックス)

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