インターネットもぐもぐ

インターネット、おなかいっぱい食べましょう




1ヶ月で友達を誘える宝塚入門

f:id:haruna26:20130331235916j:plain:w600
「興味あるけど今さら何から見始めればいいんだ…」に誰にも頼まれていないのに勝手に挑むシリーズ、第1回*1は泣く子も黙る宝塚歌劇団です。ぱちぱちぱち。

「宝塚」って聞いて、1度も見たことなくてもなぜか心にイメージはわくと思います。男装したお姉さんたちのなんだか耽美な感じのお芝居?とかキラキラでふりふりで派手そう…とか、うーん「ベルばら」? とか、まぁそんな感じで全然知らなくてもなんらかのイメージは誰もが持ってますよね。すごいことだ。テレビで見かけるわけでもないし、TSUTAYAで借りられるわけでもないのにみんなの頭の中にぼんやりある。

今年は「毎月1つ新しい熱狂の渦を覗きこむ」ことを自分に課していて、2013年1月は宝塚でした。2月にはじめて観劇してから3月末の時点ですでに3回公演見ていて、未来に3回決まっていて、しかもうち1回は大阪まで遠征っていう超ハイペースでハマりこんでいるのでどうやって潜り込んでいったかをメモっておきたいと思います。ヅカファンの方の中には、親子3代で大好き!物心ついたころから見ていたからどうやってファンになったかって言われても今さら思い出せない…とかいう英才教育(!)の人も多いので、めちゃくちゃ意識的に超短期間に集中して"お勉強"したわたしの軌跡は誰かの役に立つ…かもしれないし、まぁともかく未来の自分のために残しておきます。


というか、マジで宝塚、見始めるなら今しかないと思う。超オススメです。
なんてったって来年100周年なんですよ!宝塚歌劇団100周年。
そこに向けて今ものすごくいろいろ動いているので、今から入門すると来年のどでかいお祭に全力で参加できる!!アツい!!きっと記念のいろいろもあるし、10年に1度開催されるっていうスパンが異常に長い運動会もあるし(参考:宝塚歌劇支局 彩輝直がMVP獲得 10年に1度の「宝塚歌劇90周年大運動会」)、いやーせっかく100周年と同じ時代に生きてるんだから、ね、今までちょっとでも気になっていた人、いつか宝塚みたいな~と思ってた人は逃しちゃあかんですよ。いつ見るの?今でしょ!!!(このセリフの汎用性の高さたるや)


本題に移る前にまずはこれを。



すさまじいRT数でびっくりする!笑 ほらー、みんな興味あるじゃんね!!
この動画は歌だけですが、ライブ形式の演目では他にもJ-POPの曲、歌ったり踊ったりしています。振付のアレンジとかもあって見てて無駄に高まる。うおおおおお嵐メドレー!みたいになる!宝塚、先入観で持ってるイメージより随分やわらかくて楽しみやすいってことが学び始めてからわかりました。もちろん少し亜流だけどこういう面もあるよーって知ってると興味持ちやすいかなって…。


さて、勉強を始める前のわたしのスペックはこんな感じ。
・「宝塚の人って、えっと……黒木瞳? あと檀れい、大地真央とかもそうですっけ?」
・「なんか最近逆転裁判舞台化しててびっくりした覚えが」
・「宝塚に組があることくらいは知ってるけど何組があるのか何が違うのか全然知らないです」
・「関西が本拠地だったら東京だとあんまり楽しめないの?」
・「と、とりあえずベルばらから見始めるべきなのかな…!?」
ヤバい全然知らないわ。さてどこからはじめようか!


STEP1: 宝塚のファンのお知り合いの人に「はじめて見るなら何がオススメ?」って聞く
身近にいたらこれが一番手っ取り早い。ヅカファンのみなさんはすっごく親切にいろいろ教えてくれるし手取り足取りレクチャしてくれます。場合によってはチケットも手配してくれるしバックにいてくれたらもう怖いものなし!底もないけど!絶対身近にヅカヲタ、いるはずですが(隠れてるかも!)パッと思いつかないあなたのために、直近で見られる公演も文末で紹介します。
みなさん口をそろえていうのは「ベルばらじゃなくたっていいよ、むしろそれ以外ぜひ見てほしい!」ってこと。なんとなく外からしたら「宝塚と言えばベルばら」ってイメージがあるけど、他にもめっちゃくちゃたくさん演目をやってます。ベルばらは何度も何度も再演されているけど、やっぱり演出がやや古かったりオーバーな感じだったりして、これがスタンダード、なわけじゃないんだって。
いろいろ相談して、日本舞踊とお芝居とレビュー(ショー)の3本立てという珍しい構成で、一気にいろいろ見れていいかも!とすすめられた星組公演を2月のはじめに見ることに決めました。これが年明けすぐ。観劇までの1ヶ月、わたしの怒涛の日々がはじまりました。


とりあえず公式サイトで情報を得るか…と思って歌劇団公式ページの中から星組を見てみる。
f:id:haruna26:20130401000040j:plain:w600
………だめだ、全然わからない。
っていうかなんだこの不親切さは。エクセルの貼り付けかよ!顔写真すらないなんて!そもそも表の見方がまずよくわからない!何順なの?愛称ってなに?こ、公式にはもう頼らないぞ……。


STEP2: 本と雑誌を読み漁る
何から手を出したらいいかまったくわからなかったので、とりあえず本を読むことに決めた。何冊も読んだけど、その中から2冊ピックアップしておきます。

宝塚百年の夢 (文春新書)

宝塚百年の夢 (文春新書)


まずは劇団の歴史がまとまってそうな公式っぽいやつを1冊。著者の植田先生は演出家のなかでもかなりの大御所で、それこそ「ベルばら」初演時に演出を手がけた人です。2014年で100周年を迎えるその過程、いろいろあったんだなーってわかります。新書なのでさっくり読める。 でもちょっと堅いかな。そして運営的なお話なので楽しみ方をレクチャって感じではない。


宝塚(ヅカ)読本 (文春文庫)

宝塚(ヅカ)読本 (文春文庫)


超わかりやすい!!初心者に解説するよ!ってスタンスの本なのでとっても親切です。男役・娘役はどう決まるのかとかファンとの距離感とかヒエラルキーはどうなってるのとかがQ&Aをベースにまとまってる。とにかく用語が頭に入るところがよかった。役者さんのことを「生徒さん」って呼ぶとか、入団して何年目っていうのを「研○」って示すとか、研7までが新人公演の出演の対象だよとか、どんどんわかってきます。最初に読んだときはまだまだわからないこと多かったけど、3ヶ月経って今パラパラめくったらずいぶん理解が深くなってて感動する…!

どっちも宝塚知らない人が読んでもわかるように書いてありますが、それでも読みながら、ファンにとっては前提すぎてうまく理解できない部分、もっと知りたいことがでてくるのでメモりながら読み進めた。


次に雑誌。
宝塚アンテナを立てて生活し始めるとたまに女性誌の特集の一部で生徒さんが出てたりします。一般誌に出てるときって、全然知らない人に向けての紹介ってスタンスがデフォルトなのですごく読みやすい。しかも舞台で目立つ人や今推されている人が選ばれて数人載ってるので覚えておいて損がない感じ。顔と名前をまずはこれだけ覚えよう、って気持ちになれるので導入にはとってもおすすめです。わたしは「Hanako」かなんかを見た気がします。
このへんにまとまってる。→ メディア情報箱

あとは宝塚の専門雑誌には写真がメインの「宝塚GRAPH」と文章がメインの「歌劇」というのがありますがこれはまだもう少し先でいいと思います…(わからないぜ…!)。大きな本屋さんにあると演劇・映画コーナーあたりに置いてあることが多いのでパラパラ見る分にはいいかも。


STEP3: 再びヅカヲタの友人に教えを乞う
高校の友達に数年ぶりに、このために連絡してみっちり数時間、ごはんを食べながらレクチャしてもらいました。とりあえず何でもいいから話して!というのは無茶ぶりもいいところなので(実際自分もそう言われると困るから!)ある程度予習をしていく方が話がはやいし盛り上がる…!本や雑誌を見ていて気になったことをぶつけまくりました。わたしの場合は軸に女子アイドルが好きっていうのがあるので、そこと比べるとどんどん知りたいことが出てくる。退団してすぐ結婚する人が結構いるけどファンとしてはどうなの?特に男役のファンのみなさんはどういう感覚なの?恋愛スキャンダルってあるの? 「推し」みたいに特定の誰かを好きだってこと示す言葉あるの?役名ってどうやって決まるの?とかとか。
わたしの場合はこの時点で観劇が決まっていたのでそこに照準をあわせてまずは星組を!ってスタンスでした。やっぱり目先のこの日!というのがあると身が入りますね(?)。雑誌と映像をたんまり借りて1コマ進む。


STEP4: 観劇に向けてもう少し細かく
だいたい宝塚の大枠はわかったので今度は組単位にシフト。
これから星組を見る、という前提で、雑誌も何冊か見繕ってもらって貸してもらう。借りた…どころか1冊もらってしまって(ありがとう)一番見たし今も見てるのはこれ。

TAKARAZUKA REVUE 2012

TAKARAZUKA REVUE 2012


それぞれの組から何人かピックアップされてインタビューや取材されていて写真も多いしDVDもついてるしとってもわかりやすい。ただ名前と顔をなぞる段階を経て、観劇して、あーあの役だった人か、にどんどんアップデートされていく喜びにぞくぞくするね…。

見る予定の星組のお芝居は去年やっていた演目の続編にあたるものだったのでせっかくだし見ておこう…と去年の演目のDVDも貸してもらいました。雑誌で見るより、動いて喋って踊っているのを見たほうがずっと楽しい。
それぞれの組で男役、娘役、それぞれに「トップ」とされるメインとなる人がいて、この2人が軸になっています。柚希礼音さん、夢咲ねねさんの名前をインプット。男役2番手、3番手くらいまではお名前と顔を覚えました。紅ゆずるさん、真風涼帆さん。

そしてここで立ちはだかる壁が「愛称」…!さっきのあの不親切な表の中にあったのを思い出してください!ちなみにあの表は入団年順に並んでいたのでした。年功序列ですね。
…ええと、宝塚のみなさんは役名と別に公式の「愛称」がありまして、ファンのみなさんはもちろん、インタビューで生徒さん同士がお互いのことを話すときも多くの場合それが使われるわけです。例えば星組トップ柚希礼音さんは「ちえ」という愛称で、ちえちゃんちえちゃんって、みんな言います。最初、これが一致しなくて全然わからなかった。だ、誰の話…!?ってなる。本名からの文字りが多いけど、サンリオのキャラクターのキキララにちなんで「キキ」(しかも男役の方!)とかそういうのもあってときめきます。最初は覚えられないめそめそって感じですがパズルみたいに楽しめるようになってくる。理解できるようになってくると明確にステップを上がれてる感じがします。本名ベースの愛称があるのに、本名や年齢は非公開なんだよー。おもしろいですね。


STEP5: 観劇!
f:id:haruna26:20130210235841j:plain:w300
満を持して観劇。日比谷の劇場、結構緊張した。ドキドキ。
赤絨毯の螺旋階段を上る!わー!3時間、大変に楽しむ。オペラグラス覗きまくる!(わたしは見るのが好きなタイプ)最初の観劇の感想はこれ→宝塚星組公演に行ってきた - ときめきマシンガン
併設のオフィシャルショップがとってもおもしろい。生写真、ポストカードはもちろん、それぞれの組のトップさんが書いたイラストでグッズがあるの!!これがかわいいんですよ!ステージでは男役でキメキメだけど、イラストや字がかわいかったりする。そういうギャップもすごくときめけるところなんだな~って思った。


STEP6: 感想をしたためる→すすめられる→見る(以下略)
タイトルの「1ヶ月」の部分は観劇をもっておしまいです、が、まぁここまで来たら努力することなくさらに深みにいけます、幸か不幸か!いや幸福だよ!実際舞台を見たあとであの人がよかった!ここが楽しかった!と友人に話したりTwitterに書いたり(?)するといくらでもすすめてくれるはずです。そうやってわたしは過去公演のDVDを借りまくっています。宙組の「銀河英雄伝説」に、ちゃぴちゃんのロミジュリに、まだまだ見なきゃいけないものが溜まりまくっている。。

何がこわいって宝塚、再演しないものも山ほどあるので、今この上演期間が終わってしまったら見れないかも!と思わせられることですよね……いつかあの演目を見たいな~、なんて流暢なこと言ってる暇なんてなくて!今!見ないと!いかんのですよ!

そうやってわたしは2月の後半に「ブラックジャック」を(どうやって舞台化するか知りたいじゃん!)(しかも約20年ぶりの再演)、3月の中旬に「ベルサイユのばら オスカルとアンドレ編」を(やっぱりベルばら見ておきたいじゃん!)を観劇しました。組ごとの違いとかトップさんペアの色とかわかってくると楽しいし、何より見る度にこのひと素敵っていうのが増えてきて恐ろしいです。宝塚こわい!!!

最近はどんどん友達に、わたしも最近見始めたばっかりだから大丈夫!行こう!!と甘い言葉を囁いています。1回行くととっても幸せになるよ。そして案外安い。S席でも8500円…なので舞台のお値段としては。一番安い席だと3000円とかです。当日券だともう少し安いのかな…?


今から見るなら
この記事を読んで見てみたいなーと思う人がどれくらいいるかは不明ですが、東京の方が直近で見に行くなら!というものをあげておきます。

404 Not Found
同名のハリウッド映画をリメイク?した舞台。以前宝塚では1度演っていて再演。東京では5月5日までですが、まだ土日でもチケットとれるみたいです。宝塚のオンラインチケットは座席をブラウザ上で選べるし手数料もいらないし家でプリントアウトして当日劇場に持っていくだけっていう超絶親切設計なのでとっても楽です最高。映画見てても見てなくても楽しめそうだし、はじめて見る人でもいいと思う!と言ってる人が身近に何人もいるのでおすすめ。わたしももうすぐ行きます…楽しみ!

404 Not Found
日比谷の宝塚劇場ではなくヒカリエの中、シアターオーブでの上演です。言わずと知れたあの大ヒットゲームの舞台化っていう…。宝塚は今までも「逆転裁判」をとりあげていますけど、ゲームを題材にするとか前衛的すぎる!すげー!って気持ちになりますね。この前衣装が発表されてかなりザワついてました笑
人気ゲーム「戦国BASARA」を宝塚が舞台化 : 演劇 : 舞台・伝統芸 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

404 Not Found
やっぱりベルばら見たい!という方にも100周年を前にした宝塚様は応えてくださいます。この春にオスカルとアンドレ編がありましたが夏にはフェルゼン編が東京にやってきます。やっぱりベルばらは特別チケットがとりにくい…らしいです。キラッキラ軍服の男装の麗人にふくらんだスカートのお姫様!を見るのはすっごく高まるし、きゃーこれが宝塚のベルばら!って気持ちになるのでテンションあがります。


繰り返しますが、マジで宝塚入門するなら今が絶好のタイミング!ですよ!
わたしは月組トップ娘役・愛希れいかさんに恋をしたので、彼女を拝みに大阪まで行って参ります。ハマるスピードが速すぎる。でも「ME AND MY GIRL」なんて絶対かわいいよ…東京でやらないなら新幹線で遠征せざるをえない…!

さあ次はみなさんも。「いつか見てみたい」を今踏み出しましょう~楽しいぞ~~


追記:
忘れてた、これを紹介するのを。最近宝塚楽しいの、といろんな人に話してたら教えてもらったやつ。
モーニングのウェブで連載されてる「ZUCCA×ZUCA」。ヅッカヅカって読みます。
『ZUCCA×ZUCA』 はるな檸檬

ヅカヲタあるあるエッセイまんが…なのですが、別に宝塚にハマってなくても何かに夢中になったことある淑女のみなさんには、わかるーってことがたくさんだと思います!!日常生活でなんでも愛しのあのひとにつなげちゃうとかつい無意識にヲタク用語を使って突っ込まれるとか録画容量との戦いとかスケジュールは半年先までガンガン埋まってますとか"お金ない!遠征しなきゃDVDも買わなきゃ!でも幸せ!"みたいな屈折した恍惚とかとかね。改めて別エントリで紹介するかも。
もちろん宝塚のこと全然わからなくても雰囲気はつかめるのですがある程度中のことがわかってきてからの方が用語とか人の名前とかの小ネタに笑えるようになって断然おもしろいので1度観劇してから読むのをオススメしますよ!(回し者みたいだなわたし!)

単行本は4巻まで出てます。表紙もかわいい。絵もかわいい。甘々少女趣味~って感じじゃなくてシュールな感じなのがいいです。ラブ・イズ・ライフ!愛に生きようね。

ZUCCA×ZUCA(1) (モーニングKCDX)

ZUCCA×ZUCA(1) (モーニングKCDX)

*1:第1回ということは続編もありまして、ジャニーズ、BL、短歌、と続く予定です。テニミュも近いうちに…あとうたプリとかEXILEも知りたい…興味尽きなさすぎる