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軽率にファンレターを書く活動の成果

去年の後半は、好きですって気持ちをちゃんと伝えようというのを意識していて、それが精神衛生上すごくよかったという話。
好きなものに好きだと言うのは、何よりまず自分のためなのであった。


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銀座・伊東屋の竹尾見本帖、死ぬほど紙があってめっちゃ楽しい(本文とあんまり関係ない)


きっかけは、友達と昔懐かしインターネットの話をしていて盛り上がって勢いでWeb拍手を設置したことだった。エントリも書いたし最初は結構押してもらって、Twitterでリプライするようなことでもない、メールで伝えるようなことでもないちょっとした言葉がたくさん届いてうれしかった。その昔、管理人さんに小説やイラストの感想送るのすっごく楽しかったなって思いだした。拍手レスする仕組みをまったく用意していなくてすみません。こっそり見てます!!!

これね↓

mogmog.hateblo.jp


おもしろかったのは、Free!聖地巡礼鳥取岩美町にいったよ、の記事を読みましたって人がすごい多かったこと。ワンピース歌舞伎の記事はたくさん言及してもらえたけど逆に拍手コメントは全然なかった。やっぱりWeb拍手を知ってる人、押したくなってくれる人って、昔の同人サイトを通った人なんだな~!って思ったのでした。考えてみたら当たり前だけどおもしろかったです。数ヶ月経ってからどなたかのツイートでバッと拡散したことがあって、更新したタイミングと少し離れていたのもあるかもしれない。

話が逸れた。わたしは別にPVのために何かを書いているわけではないので、普段からそんなに数字は意識していないんだけど、それでも誰かが読んでくれているのがきちんとわかる手応えはうれしい。いや、そういう意味では数字でわかる部分はあるんだけど、自分に向けて書いてくれたものは少し温度感が違ってうれしい。受け手でいると、どうせたくさんのNの中の1人だって思うじゃん?そんなことないんだよね。Twitterの海に流れてる感想を拾い上げて見せてもらうのもすごい楽しいけど、誰か1人を想定してしたためた言葉ってちゃんと1対1になるんだな~ってなった。

何かの折に友人知人の創作業に関わってる人たちに聞いたファンレターの数がわたしが思ったより少なかったということもあった。それくらいなのか!と思う程度の数でびっくりした。確かにお手紙書くのって、それなりの労力いるもんね。もちろんジャンルによってお手紙を書く機会の多さとか、どれくらい一般的な活動かって全然違うからなんだけど。

それから、ステージに立つ人が身内にいる友人が、「公式アカウントへのファンの人のリプライは全部見て、こういうことしたら喜んでくれるんだな~!って思ってる」「わたしはやってないけどお母さんは本人の名前でエゴサしてると思う笑」と言ってたこともあった。そうかぁこうやってわたしがTwitterやブログでしたためている愛は、彼ら彼女らだけじゃなくてご家族に届いている可能性も十二分にあるんだ、と思った。すごいな、それ。「(任意のアイドル)を産んでくれたお母様に感謝しなきゃ……」とか伝わってる可能性あるってことですね。

というか、コンテンツを作る人やそれに関わる人達は多かれ少なかれリサーチしていると思うから、これまでもなるべくひっかかるように作品名とか作者名とか明記してきたところはある。届けばいいな~くらいは思ってたけどそれくらいだった。手紙やメール、今までもきっかけがあれば書いてたけど、意識的にハードルを下げたのでした。好きだけど書いたことない人たち、考えてみたら意外にいっぱいいた。


で、10回くらいは手紙やメールを書いた気がする。宇宙でいちばんすきなAKBの子、めちゃくちゃ応援しているNMBの子、めちゃくちゃ頑張ってほしいジャニーズの子、彼女が輝いている今この時に好きになれて幸せ!っていう宝塚の生徒さん、好きすぎていろんな人にすすめまくってる作品を描いてる漫画家さん、手が震えるくらい大好きな二次創作の小説を生み出してくれたひと……とかとか。小心者なので、お返事を期待しているように見えてしまったらやだな、と思ってあんまり住所も書かずにだったけどこれってどっちの方がいいのだろうか。。

ファンレター書きやすい環境を作るコツは自分の中で締め切り作ることだってことがわかった。いつか書こう~って思ってても案外面倒くさくてやらない(少なくともわたしはそうだった!!)(横着)舞台だったらお手紙入れる箱あるし、コミケだったら直接渡せるし、CDやDVD出たらその感想を書くぞって思えばいいし、そういう点を自分で決めていくことだなって思った。しかし即売会で手紙渡すのってめちゃくちゃ緊張する。下手したらアイドルの握手会より全然緊張するってことがわかりました。新しい発見。

あーこれ使いたい!っていうレターセット買いに行ったり、ペンの色選んだり、ステッカーを貼ったり、結構楽しい。特定の対象に直接伝えたいことって、友達とわーきゃー好き勝手話してる時と違う温度感になって自分でもびっくりする。そして恥ずかしい。でも愛の在処を言葉にして自覚するのってなんだかすごく満足感がある。そうかそういうところが好きだったんだ、応援してたんだ、めちゃときめいてたんだ…!って書きながら気付く。

女の子アイドルのファンの男性に聞いた初めてファンレター書いた話もよかった。好きな子が好きなディズニーやサンリオのキャラクターのラブリーなレターセットを買いに行くところから初体験だし、大の男がそのかわいらしい紙に向かって文字を綴るんだもんな、端から見たらなんだか凄いよね、と言われて、人生にはいろんな階段が!と思った。愛だなぁ。

週刊誌ならアンケートを送れ!単行本買うなら初週に買え!アニメならBlu-ray買え!みたいな「応援してるなら○○しろ」みたいなの、逆説的に「そうじゃない人」を罪深く見せるようであんまり好きじゃないんだけど、その点ファンレターってマジで自分事、誰に頼まれたわけでもないこちらからのベクトルでしかないから変な貢献感がなくて個人的には気が楽だった。

トップアイドルから同人作家から、友達とお仕事付き合いのあいだの人まで、いろんな人に向けてだったから返事は来たり来なかったりだったけど、もちろん来るとうれしいけど、自分としてはどっちでもよかった。というかそこの自意識をうまくやっていく訓練だった。例えばアイドルなんてみんな手紙たくさんもらうもんな~あくまでワンオブゼムだものな~どれくらいありがたいのかな~と思ってた節もあるけど、書いてみてわかったのはもはや相手に届いてほしいわかってほしいというより、自分の背筋を伸ばすためって感じだった。応援してます!!!という気持ちをダイレクトに伝える手段としてはやっぱり一番大きいな、って思える(自分が思えることが重要)。

というわけで今年もファンレター、ファンメールをしたためていく活動をしていければいいなって思っている。「ファンレターを書く」って思考回路が1回できると、折に触れて、あ、書きたいな、ってなる気がする。軽率は力なり……。

あと、好きなものの話をいろんなところでたくさんするぞ。わたしは、わたしが好きなものを、違う誰かに自分よりもっと好きになってほしい。