読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

インターネットもぐもぐ

インターネット、おなかいっぱい食べましょう




UKボーイズアイドルOne Directionはいかにインターネットを使って世界を獲っていったか


One Directionがついに初来日した。
Mステにも出る。ファンイベントもやる。成田空港にはお迎えの女の子たちが大挙してた。今原宿にいる!ってTwitter駆け巡った。やっと日本に!って感じだよねえ。次いつ来てくれるかわからないもんね。ファンの子たちのTwitter読んでるだけで熱が伝わってきてなぜかうるうるきてしまう…。


One Direction(ワン・ダイレクション)とはなんぞや。
イギリス出身のボーイズグループ…ですが便宜上アイドルと言い切ってしまうことにします。
オーディション番組"X-Factor"で選ばれた男の子5人組で、平均年齢は18歳くらい。2011年秋にCDデビューしてから破竹の勢いでのぼりつめていって、なんと去年のロンドンオリンピックでは閉会式でパフォーマンスした。デビューから1年も経ってないのに!すげー!
2012年、アメリカはじめ世界中でめちゃくちゃに売れた。パフォーマンスを見ればわかるけど、激しく踊るわけでも超歌うわけでもなくて、どっちかというとキャラ同士の関係性で愛されているように思う。という意味で、アイドル。なんてったってデビュー曲のタイトルが"What makes you beautiful"だ。完全に応援ソングでしょう?君はそのままでかわいいよ、って連呼する。最高にキャッチーなポップス!MVも海で男の子たちがはしゃいでいるだけ!イイネ!

わたしが彼らに興味を持ったきっかけ、今でもよく覚えてる。Wikipedia日本語版のページです。
ワン・ダイレクション - Wikipedia
5人組だからまず名前を覚えないと、ええっと、ナイル…はこの子か、アイルランド・ウェストミース州出身。ふうん。瞳の色はブルー…えっ瞳の色!?それが2番めに書くくらいの大事な要素なの!?
別にももクロのそれぞれのカラーみたいに瞳の色でどうこうとかじゃないんですけど、なんかこの書き方、もはや漫画とかアニメの登場人物紹介じゃないですか。書き手が勝手に注目して書いたとしても、わたしが知らないだけでもしかしたらファンのあいだでは大事な意味のある要素であったとしても、すごくおもしろいと思った。

彼らが世界中でどういう風に受容されているのかすごく興味がある。日本は泣く子も黙るジャニーズっていう男性アイドル市場があるけれど、世界中でここまで人気あるボーイズグループは最近あんまりなかったんじゃないか。K-POPとは別の文脈に見えるし。古くはマイケル・ジャクソンとかバックストリート・ボーイズとか、最近だとジャスティン・ビーバーとか、いるけどグループ萌え、関係性萌えのあたりがかなり強く出ているように見えてとても気になる。楽曲やパフォーマンス以上にキャラにフォーカスした見せ方を重要視して今回は便宜上アイドルとします。


例えば、"why is one direction so popular"でぐぐったりするとすごいおもしろい。
「最近の若い子は自意識が低いから励まされるんじゃなの、親も先生も褒めてくれないし(先に挙げた曲の話)」「若い女の子ってひとくくりにしないでよわたしはキライ」「一番かっこわるいやつが真ん中にいて一番熱狂的なファンがいるのがわけわからん」「てゆーかもっといい音楽聴けよwwwwww最近のガキかわいそうだなwwwwww」とか余裕で日本のAKBにぶつけても置換可能な文言が踊る。「アメリカ人の若い子にはイングリッシュアクセントが新鮮なんじゃないの」って意見はちょっとおもしろい。イギリスブランドはグローバル視点で見た時に生きてるのかもね。

1D(グループの略称)の魅せ方とファンについていろいろ見ていて調べていておもしろいことがたくさんあった。1つは意識的な情報提供の戦略。もう1つはファン同士のコミュニケーションとか文化。国を超えたドルヲタコミュニケーション。彼らの仕掛け人のおじさまも「ここまでくるのにソーシャルメディアが一番大事だった、ファンたちがいろんな情報を集めて広げて楽しんでくれたから」って言ってた。全部書くとすごいことになるし楽しい事例はいろいろあるのだけどとりあえず概観をなぞる。


1D情報をフォローしようと思ってインターネットしてると、どこにでもオフィシャルアカウントが出てくるのでマジでびっくりした。FacebookYouTubeはもちろん、メンバーはTwitterやってる。一番多い子だとフォロワー1000万人超えてる。オフィシャルのGoogle+もPinterstもある。Spotifyで自分たちの曲ストリーミング配信もしてて(日本じゃ聞けない)なんとSoundCloudにもアカウントがある。ヤバい。包囲されてる。

One Direction's sounds on SoundCloud - Hear the world’s sounds

SoundCloudの使い方がおもしろい。曲自体やミュージックビデオを掲載するのはYouTubeなわけで、こっちはまた違うところを見せてるみたいだ。長くて1分、短いと10秒以下くらいの音声。メンバーがちょっとした話題についてちょっとだけ話してるとか、ファンのみんなー!みたいな一瞬の音声。そこに女の子たちがたくさんコメントつけててすごいことになってて楽しい。ファンの子のアカウントもある。「ねえこないだどこどこでboys(ってメンバーを総称する)に会ったんだけど!!」みたいな自分の身にふりかかったラッキーなできごとを数分しゃべる音声がよく聞かれてたり。音声版Twitterみたいな感じなのかなあ。

Official-one-direction.tumblr.com / Pinterest
Pinterest、彼らの持ってるいろんなメディアに比べてケタ違いに反響が少ないからやっぱりこのサービス本当に人気あるのかな?って思ってしまうw 写真はきれい。


世界中で売れまくっているので情報の導線も混み入ってる。英語で発信されてるものはみんな見ているし、オフィシャルが提供する写真も映像もとても多いので言語がわからなくてもメンバーがじゃれてるのかわいいなーとか思えるようになってる。
オフィシャルアカウント発じゃない素材もいっぱいある。例えばアメリカのテレビ番組に出たりインタビューされたりするとその映像がアメリカのテレビ局のオフィシャルアカウントにあがったりする。いつのまに世界中のファンに広がる。キャプションつけてあげるひともいる。みんなが同じ番組を見てる、というより、同時多発的にいろんなことが起きてて、みんなで寄せ集めてる感じというか。

このアメリカでの番組とかおもしろかわいい。会場から"ラッキーガール"が選ばれてメンバーに"触れる"ゲームをする(見れば伝わる)。女の子めろめろだー。黄色い声が止まらない。途中でメンバー同士でおんぶとかしちゃうし。サービス精神だなあ。こういう番組アカウントに載ってる動画はファンブログ経由で知る。

去年の暮れにNYでやった、世界各国から3人ずつファンを集めてスペシャルイベントをやる、っていうのはスケールがすごかったし、こんないろんな国から…!ってお祭感があって、これが世界を獲るってことかー、って思った。ライブにご招待、往復交通費も現地ホテルも全部主催者持ち。うちの国のファンからメッセージカード集めてきました!みたいなアルバムとかプレゼントを渡したり。妙に幸福な気持ちになった。世界の平和指数向上したんじゃないかしら。We are family!って感じを、意識的に国境を超えて高めてるんだなって思った。
One Direction | News | 『BRING ME TO 1D/Go1den Ticket キャンペーン』スタート!
Bring Me To 1D | Facebook
One Direction | Bring Me To 1D

Tumblrはオフィシャルのものはない。のだけど、ファンの交流の主戦場はここなんだと思う。当然中心がないので追いかけにくいんだけど…。雑誌の記事っていったってテレビのゲストっていったって国をまたいで出てるから、それを画像にしたりgif動画にしたりしてここに集まってるように見える。今日の成田空港到着時のハッピ姿もさっそくね。

記事で“特に”って強調されてるTumblrもおもしろい。Tumblrっていろんな使い方ができるけど、ファンの子がやってるブログっておもしろい。話題になったものだと、ライアン・ゴズリングに「Hey Girl」って優しい言葉を言わせるのとか。One Directionのファン・ブログもたくさんある。何がおもしろいって、ファンの目線での愛情のあるギャグがいっぱいあるんだよね。単に、新しい写真やビデオなんかををどんどんアップしてるのもあるんだけど、最近の子はGIFをつかってコマ漫画みたいなのをつくるのがすごく上手。そして、そういうのをずっと見てると、メンバーに愛着がわくし、ファンからの愛され方もわかる。
私もX-Factorから見てきたから、それぞれのメンバーについて何となくはわかるけど、彼女たちのおかげでもっとわかることができた。
グループの成功の秘訣のひとつにメンバーの個性があるけど、それもこれが助けているのかな。
mysterious sheets: ビートルマニアの孫娘たちが熱狂する!One Directionがアメリカで成功した理由

※追記
オフィシャルのTumblrないと思ったらオフィシャルファンによるアカウントはあった。
"WE AREN'T THE REAL ONE DIRECTION, WE ARE OFFICIAL FANS "と明記してある。
自称ではなく、公式サイトからリンクされてるオフィシャルPinterstの画像の引用元がこのTumblrになってるから本当っぽい…?どういう構造なんだろう。あとで調べる。
http://official-one-direction.tumblr.com/


ジャニーズと比較すると、恋愛ネタがスキャンダルじゃなくてコンテンツなのがおもしろい。誰と付き合ってる、彼女と分かれそう、パパラッチの写真、全部ニュースになるし、本人たちも公言する。一番人気あるハリー・スタイルズさんはテイラー・スウィフトさんとお付き合いしていてビッグカップルだったのだけど、年明けにわかれたみたいだ。そういうネタもよく海外ゴシップ系のニュースサイトとかでアクセスを集めてる。彼らだけではなく欧米のポップスターは恋愛ネタが全然ご法度じゃないよね。

あとはBL的な萌え方ももちろんありそう。この2人一緒に前住んでて、みたいな話があったりするし、インタビューや番組でもしょっちゅうじゃれあったりしてる。ちょっとまだよくそのへんの関係性つかめてないからもう少し勉強したい。日本ではカップリングをかけ算記号(×)で示すように、英語圏ではスラッシュで示すんだって。腐女子、じゃなくてSlashers、って言うみたい。へえええ。まだまだ世の中知らないことが山ほど。

あと、日本人の若い女の子のファンはLINEとの親和性がきっとすごく高い層なんだなって。オフィシャルショップのURLを叩くと何よりも上にお店のアカウントを「LINEに追加」するボタンが出てくる。このボタンが入ってるページはじめて見たかもしれないです…。空港にお迎えに行く人でLINEグループつくってます☆とか朝のテレビで特集されてたの自撮り(ケータイで撮ること)したので見逃した人にLINEで送ります!ってTwitterで流れてくる。うおー、インフラだー、って思う。


One Directionのメンバーって、日本人が一般に想像しちゃうようなイケメン外国人!って感じではなくて、どちらかというと愛嬌があってかわいらしい感じを第一印象ではうける。実際に英語圏の掲示版で全然かっこよくねえwwって言われてるのもよく見る。こういう「かわいい男の子たちグループ」が世界を席巻してるの興味深い。5人組なのもあって「なんか嵐っぽいよね」って感想もよくわかる。MVとか見ても仲良しな関係性萌え、…ってそれだけなわけではもちろんないけど。ジャニーズは今年50周年で、日本のイケメンの美の基準をある意味ゼロからつくってきたと言ってもいいわけだけど、じゃあイギリスやアメリカのイケメン基準はどこでどうつくられたんだろう?とか思いを馳せる。

One Directionの曲、どれも元気でるしハッピーでよい。スーパーポップ!

Up All Night

Up All Night

Take Me Home

Take Me Home

わたしの認識が違うかもしれないし実際どうやってファンのみなさんときめいてるのかもっと知りたいので、ガチDirectionerの人がいたら教えて下さい。話を聞かせてほしいよ…!

◆関連記事
One Direction: the fab five take America | Music | The Guardian(2012年3月)