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もっと恋愛漫画を読みたい(2015)

あいかわらず、数ヶ月に1回「恋愛漫画読みたい!!!」という発作に襲われる。
もっといろんなグラデーションの人間関係が見たい。もっといろんな感情にぞわぞわしたい。好き!!!ってハートを撃ち抜かれてうわ~~~そりゃないよって叫んで絶対その男だけは駄目だ!!ってハラハラしたい。友達にすすめられてBLや百合も読むけれど、そちらのジャンルのほうがよりきっちりソムリエがいるように思うので、実は案外あんまり教えてもらう、すすめてもらうチャンスのない男女の恋愛物はちゃんと開拓していくぞ、という意欲を持続するために書いておきます。

というわけで去年に続き。
mogmog.hateblo.jp

今年はかなり本を読んでいたので相対的に漫画は少なかった気もするけどとりあえず1年の振り返りということで……。
去年書いたのからかぶってるのはなし。今年発売、じゃなくて今年私が読んだやつ!です!なので完結しているのもあります。書誌情報はなるべくKindleを貼りました。「A子さんの恋人」だけ単行本。


 

  • からっぽダンス

からっぽダンス(1) (FEEL COMICS swing)

からっぽダンス(1) (FEEL COMICS swing)

今年の1位、超超大好き、いろんな人に読んで読んでと言って回った。阿弥陀しずくさんの絵がとっても好きです!!久我さんかっこいい!!!
年下の男性アイドルに夢中の主人公・翠と、彼女に一目惚れするストーカー(?)警官・久我さんのラブコメ。東京ドームにコンサートに連れてかれたり謎のミュージカルに一緒に行くことになる久我さんがとてもかわいい。うちわや双眼鏡に初めて遭遇する。「アイドルのミュージカルは耐性ない人にはすすめられないの…」「1回見なきゃ耐性もできんでしょ」って会話、あまりに最高じゃないですか?(言ってしまうよね)

わけもわからずドームコンサートに参戦したあとに、はっ…強引に誘って勝手に1人で楽しんですみません…て空気になる中で(←おたくあるある)彼女に久我さんが返す一言がとてもいいから、好きな女の子がそういうジャンルだと思われる人は然るべき日に使うべき口説き文句としてストックしたらいいと思う。

アイドルとそのおたくを描いたものなんてこの世にはもういくつもいくつもあるわけだけど、ドルヲタであることに対して選民思想も自虐感もなくて1つの趣味嗜好としてニュートラルなところがこの漫画すごく好き。もうおたくであることって全然特別じゃないし、おたくだって自称して声高らかに宣言するの格好よくないよな~。まぁこうやってわたしも「主人公はドルヲタ」って書いてしまうわけだけど、別にそれはアイデンティティなわけじゃなくて、という意味です。そこのニュアンスの描き方が好き。

2巻では一般人である久我さんのファンを自称し出待ち・追っかけ差し入れなどを行っている千代ちゃんという女の子が出てきてさらに最高です。続きがすごい楽しみ~~!

  • A子さんの恋人

すごくいい。似たような経験があるわけではないけど温度感や距離感やもっと言葉で言えない何かがすごくリアル。
3年間のNY留学帰りのアラサー女と、日本に置いてけぼりにしてた人たらしの愛想のいい男と、NYで置き去りにされたけど余裕しゃくしゃくな男のうすーい三角関係と、取り巻く女友達。恋愛漫画だけど恋愛だけじゃなくていい感じでゲスでにやにやする。「無責任シティロマンス」ってキャッチが超超好き。

クズな男性が出てくる漫画は恋愛漫画でもたくさんあるけどうっすらクズな、いやクズとも言えない程度のやんわりとした情けなさを主人公のA子ちゃんが持ってるのがいい。そしてするすると人の懐に入り込むA太郎がすごい。すごいです。こいつ……。「生まれたときから悪い」。

─A君だけが悪くないということは、A太郎は悪いんですか?

悪いと思います。生まれたときから悪い。女の子をとっかえひっかえしていること自体はそんなに悪くないと思うんですが。
近藤聡乃「A子さんの恋人」1巻発売記念インタビュー (1/10) - コミックナタリー Power Push

このコマが最高に好き(彼女は主人公じゃないのだけど)

近藤聡乃さんは「ニューヨークで考え中」というエッセイ漫画も描いていてこれも普通に普通の毎日をセンスよく切り取ってるので読んでて気持ちがいい。この短い人生でこの少ない経験の中で、これまで降り立った場所でNYが2番目にすき。また行きたい。1番は、トーキョーです。

ニューヨークで考え中

ニューヨークで考え中

 

  • モアザンワーズ

ちょ~~~すき!!1回読んで、え、すき……と思ってすぐに2回くらい読み返した。

幼なじみの男女の親友とバイト先で出会った年上の男性、女1人と男2人の三角関係。……なんかどこまでネタバレになるんだろう?Amazonの書誌情報をちゃんと読むとある意味ネタバレです。わたしは完全にジャケ買いだったので全然知らなくて「えっそういう展開!?」ってなりました。びっくりしたい人は何も見ずに買ってください。

関西弁の軽快な会話、言葉の使い方もテンポも最高に気持ちよくてしびれる。センスがいい。そして女の子が超かわいい。女の子を愛せるかって本当に重要だ。そして妹尾くんがズルい。

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作者の絵津鼓さんは普段BLを描いている人で、この作品もその中の1つのスピンオフ……と読んでから知ったので、すぐに買おうとしたら既読の人に「いや買っちゃダメ!待ってて!!この先を知らないまま読めるのが羨ましい!」と言われたので読んでいません。うずうず。バーズは月刊だから単行本のインターバル長いんだよ~~!早く続き読みたいよ~~!

  • 星上くんはどうかしている

「響け!ユーフォニアム」にダダハマりして、その熱をキャラデザのアサダニッキさんの漫画を読むことに向けたのであった。「青春しょんぼりクラブ」も好きなんだけどこっちも楽しみすぎる。

見た目は似てるけど性格は正反対の双子の男の子、が少女漫画で登場したらそのあと一体何が起こるかなんて、これまでの人生でわかりきっているんですよね。わかってるのよ。でもやっぱり定番がすきだよ!幼少期にフレッドとジョージ(ハリー・ポッター)に恋に落ちた時から双子にときめき続けることはもう決まってしまってるわけ。双子の魂百まで。

アサダさんの絵ってすごく動きがあるわけじゃないんだけど間合いの取り方とか動かし方に不思議なリズムがあって何冊かいっぺんに読んだ方が体が慣れる感じがする(なんの話だろう)。

椿町ロンリープラネット 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

椿町ロンリープラネット 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

ストーリーについて理性で判断できないくらい、若き偏屈な時代小説家・木曳野暁先生のビジュアルがドンピシャに大好きです。ありがたく敗北しました。
やまもり三香さんは「ひるなかの流星」もそうだけどとにかくファッションや髪形のセンスがよくて、今回も主人公ちゃんのヘアアレンジがいつもいつもかわいい。そしてこの人が描く長髪男性が嫌いなわけないじゃないですか…!!!ページをめくるたびに、うっ、ってなる。男の人が髪を結ぶのめちゃくちゃ好き。もうほんと2巻のラストの殺傷力が凄まじいので、このビジュアルに少しでも何かを感じる人は絶対に2巻まで読んでほしい。表紙からして好きなんですよそりゃあね……。

椿町ロンリープラネット 2 (マーガレットコミックス)

椿町ロンリープラネット 2 (マーガレットコミックス)

カラーイラストがほしい…色付きで暁先生を見たい…そのためにマーガレット本誌を折々で買っていかなくては、という気持ちにさせてくれる。色の使い方がかわいくて品があってすごくすきだ~やまもりせんせ~!

 

  • 恋と嘘

恋と嘘(1) (マンガボックスコミックス)

恋と嘘(1) (マンガボックスコミックス)

こういう漫画。友人と狭い飲み屋でお酒を飲みながら上記のようなことをぐだぐだ言っていたら「そういやそういう設定の漫画あるよ」と教えてもらって単行本になる前にアプリで読み始めたのだった。

ラッキースケベ的なアレも含めてまぁいろいろ突っ込みたいところはあるんだけど、命題に興味があるから今のところおもしろく読んでいる。個人的には恋愛感情や人間同士の相性はなんらかのアルゴリズムで数値化できるはずでしょうと思っているし、もっと技術進化してほしい(テクノロジー過激派)。

単行本3巻まで時点だと、設定の引きでひっぱれるパートはそろそろ終わりな感じするから、これからどうなるか楽しみだな~。


  • さよならガールフレンド

さよならガールフレンド (FEEL COMICS swing)

さよならガールフレンド (FEEL COMICS swing)

恋愛というより、腐った毎日を踏んづけて前を見て歩く女の子たちの話の短編集。正しく「ガールフレンド」と「さよなら」する話。温度で言うと山内マリコさんの小説。「ここは退屈迎えに来て」。黙々と1人ずつ平均台を渡るような毎日はダウナーでさみしい、人生はそうそううまくいかないけど悔しがってもかなしくなってもさみしがっていても人生は前には進まないのだ。

「今は愛よりファミチキがほしいかなー」「気が合いますね」
「あのとき世界よ滅びろと強く願ったけれど世界は滅びずわたしたちは28歳になった」

  • 彼女のいる彼氏

rola.tokyo

最初から読むにはこっちの方が読みやすい。
彼女のいる彼氏 | くらげバンチ


Web業界のキラキラお仕事漫画。生々しい。仕事がんばろう、と思う。
チャラチャラしてて女にやさしい徳永と、才能があるけど愛想がなくて見た目からしてスーパーサブカル男子な佐倉と、どっちもファンタジーなのに「ある…」って感じでおもしろい。わたしはですね、今のところルミちゃん派です。佐倉も徳永もどっちも許さないぞ!!!

いつもまつげがきちんとあがってて爪先が染まってて冬でもピンヒールとフレアスカートのキラキラ女子のみなさんが本当に好きで、だってかわいく美しくあろうとすることは媚びとかモテとか以前に、何かもっと個人的なプライドとの戦いなんだよね。だからそうやってきちんと自尊心を保っているやり方を持っている人は強いなぁと思うのです。それをやってないやつは女としてダメだってわけじゃなくて、自分で自分の中の何かと戦う術をちゃんと持っていることに意味がある。生存戦略はいろいろあっていいのだ。なので咲ちゃん(主人公)は咲ちゃんなりの戦術を開発するしかないよな。恋愛に対してだけじゃなくて。

この2カ月くらいでどんどんおもしろくなってるから続きが楽しみ。矢島光ちゃんは個人的に友だちなので応援してるのは当然なのですが、贔屓目を抜きにしてももっといろんなひとに読んでほしいよ!と思う。
働く“キラキラ女子”はかっこいい――Web業界のお仕事事情を描く“ITきゅんきゅん系”漫画「彼女のいる彼氏」 (1/4) - ITmedia ニュース



ここからは完結済みのやつ。

  • 夏の前日

5巻完結。すすめられて一気に読んだ。すごい。むせそう。ここには恋しかない。恋は生きる目的にも死ぬ理由にもなる。

とにかく超湿っぽくて情念が濃い……。年上の和服美人と才能はあるけど愛想と夢のない美大生がずるずると関係を編んでいく話。甘い時間が重なれば重なるほど、結局楽しいのか幸せなのか苦しいのかしんどいのか希望なのか絶望なのかよくわからなくなってくる(多分、全部)。

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2巻の表紙の匂い立つエロさよ。

幸福の絶頂でもこの関係にいつか終わりがあることが漂っているこの感じは一体なんなのだろう。人間は矛盾でできているんだなって話。冷静に感情的で、クレバーに馬鹿で、わかっていてわからないふりをして、すべて嘘じゃない。

もう10年以上前の作品ですがおもしろい……なんで今まで読んでなかったんだ!!新装版の装丁がとてもかわいい。6巻完結。

甘々少女漫画じゃないけどちゃんとラブコメ、馬鹿正直で常に敬語のホシノくんもツッコミ冴えすぎのネギシさんも周りの友人も愛しい。最初はギャグ成分が強めな気持ちで読んでいるのだけど2人への思い入れが深まることにどんどんぐっとくるシーンが増える。

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連載誌はアフタヌーンなので、そういう感じです。キラキラ少女漫画絵でもないし、普段こういうジャンルになじみがないひとも読みやすそうな気がする。

前回も同じようなことを書いたけれど、恋愛に興味があるというより人間の距離の詰め方に興味があるんだなと思う。ネットで友達を作っていると男女問わずそれなりの距離に仲良くなるのはハードルが下がっているけど、反対にあえてその一歩を超えて恋愛関係を結ぶのって結構たいへんだ。

朝井リョウさんの「武道館」という小説はアイドルという職業の恋愛禁止という不文律を大きなテーマにしているのだけど、なんだかわかるようでいまいち納得できなかった。不幸なのは選択肢が与えられないことであって恋愛できないことそれ自体ではないとわたしは思う。

人間生きていれば誰だって恋をするだろう、それを閉ざすなんてなんて非人道的非人間的なんだ、って言説があることはまぁ理解はするけど、それでは、そんなこと言われずとも恋愛していないのは非人道的な生き方だろうか。人生に恋愛が必要かどうか、そしてその切実さは年齢でも性別でもなく個々の人間で全然違うものだし、恋愛してないからってできないからって不幸じゃないし、そこに不幸を直結させられるとまた逆のステレオタイプを強化するだけな気がする。

自分も人生における恋愛の優先順位って多分決して高くなくて、それでもこうやって意識的に読み漁るくらい興味があるのはそれがちゃんと相手が必要なコミュニケーションだからだ。アイドルの話でいうと、偶像として解釈できるものに対して不特定多数の<N>でいられる、ファンとしての関係とは当然まったく別の文法になる。目の前にいる誰かと相違点に目を背けずにたゆまずすりあわせ続けるのってすごいことだ。


武道館 (文春e-book)

武道館 (文春e-book)


なんの話かわからなくなってしまった。アラサー少女漫画()ってさまざまなイタいイメージがあるかもしれないけどおもしろいのもいっぱいあるんだ~~!
今年読んだ書籍と恋愛ものじゃない漫画はまた今度。

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