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「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展 @ 21_21 DESIGN SIGHT

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世界が信頼するプロダクトデザイナー深澤直人
空気を撮る、広告写真の第一人者、藤井 保。

人々が期待するものの形をぶれることなく描く、プロダクトデザイナー深澤直人
人々の無意識の要素から「ものの輪郭」を割りだす独自の活動は、広く注目を集めています。
広告写真の第一人者にして、光や空気にとけているものの輪郭をみごとに描く、写真家藤井 保。
あたり前のようでありながらも私たちに見えていない「デザインの輪郭」が、二人の活動から浮かびあがります。
深澤直人デザインのプロダクト約100点と、藤井 保が4年間撮り続けた、
それらの写真約70点によって誰もが知りたかった「デザインの輪郭」を解きあかす、かつてなかった試みです。

21_21 DESIGN SIGHT: ページが見つかりません。


1月4日の月曜日、どうしても美術館に行きたくなってとりあえず新宿方面の電車に乗った。
時間があったからいくつかはしごしようと思って、
だからなるべくたくさん選択肢があるところがいいなーと思った。
ほんとうは上野の森のチベット展に行きたかったんだけど、
上野近辺は月曜日は一斉休館なのでやめ。
六本木行けば、新国立(火曜休館)と森美術館はとりあえずやってるでしょー、ってことで六本木に決定。


で、電車の中でiPhoneでミュージアムガイドのページ見てたら、
新国立は休館日ではないけど単純に年始のお休み…。ざんねんすぎる…。
DOMANI展行きたかったな…


ということで、午前11時半、千代田線乃木坂駅で降りたもののどうしようかなぁと。
せっかく森美術館行くなら、展望台で夕日が見える時間に行きたい。
駅の階段のところに、21_21のポスタ。
あー、深澤直人さんかあ。
最近深澤直人さん絡みの場所に居合わせることが多いので、
これもなにかの縁、と思ってとりあえず今日のひとつめは21_21にすることに。


ええと、前置き長くなったけど、
つまり、目的意識を持って行ったわけじゃなかったのですよ。正直。


でも、すごくよかった。ほんとうによかった。
新年一発目がこれでうれしい。


手帳のメモ。

アームチェア、大きな四角くてまるい机、
ねじれるペン立て、まあるいあかり、ドライヤー(ロケット!)
「手」を感じる


地下に降りていった最初にあった大理石のバスタブと洗面台に抱いた最初の印象が
触ると壊れそうだ、
だったの。石なのに。こわれないよねえ。
触れる様に展示されているのだけど、白くてきらきらしててふわふわしててふれるよりも眺めてしまった。

すーごい幅広くてびっくりしちゃった。
家電、ケータイ、文房具、いす、机、かばん。
わたしは深澤直人さんも藤井保さんもインタビューもひとつも読んだことないし、
この業界でどういう評価なのかも知らないから、
もう完全にあの場で感じたことだけだけど、
2人とも、「手」の人だと思った。触覚の人。手触りの人。

わたしがアート(という言い方でいいのかわからないけど…建築とか小説も含む)を
見るときに一番考えるのは
「どうしてこの人はこのやり方で自分の思考をアウトプットしたかったんだろう」
っていうことなんだけど、
深澤さんの「モノ」と藤井さんの「写真」に関しては
すごくよくわかる気がした。

会場内に何箇所かパネルがあって、おふたりそれぞれの言葉が書いてある。

かたちは「生み出す」のではなく「見いだす」ということがわかったのは、
モノだけでなくそれと対をなすその周りにも入れ子となる同じ輪郭があることに気がついたからである。

モノが主体か、まわりが主体か。

そぎおとすこと、加えないことからデザインをはじめることが多い。

電気も水道もない山小屋で生活する中で本当に必要なものが見えてくると言う。

(全部走り書きのうろおぼえですので正確じゃないです…)


言葉も、強烈だったなあ…でも上滑りしてない。
こうやって、書き写すと、大事なものが消えちゃうなあ。
あの空間で写真とモノに囲まれてるチカラってすごい。
個人的には、いろいろ気づくものがあって、たくさんメモしてしまった。


一番すきだった写真はこれ。
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うつくしすぎる。5分くらい見ていた。
ロケットだよ。会場に行くと、この形に行き着く直前の発想がキャプチャでついてる。


藤井さんのスタジオも再現されていたんだけど、
わからないけど、「光をさわりたい」欲求のようなもものを感じた。
ちいさいときにカーテンのレースを通った光が
部屋の中にまうほこりをキラキラうつしている様子をじっとみていたような感覚で、
写真を撮っている人じゃないかしら、と思った。


一番すきだったモノはこれ。
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なぜかちいさいときから大きな木のテーブルに心惹かれる。
四角いテーブルは、人数がなんとなく決まってしまうでしょ、座れる。
丸テーブルはある程度増減があっても自然なかたちで座れる。


母親がそう言って譲らなかったため、我が家の机はおおきな丸テーブル(らしい)。今2代目。
4人家族だけど、詰めれば8人でもいける。
そういう融通のきくかたちってすごくいい。
でも、量販店だと、丸いのってなかなかないの。
家族4人用だとほとんど四角。


このテーブルは、半円2つのあいだに長方形が挟んであるような形なのだ。
一目惚れした。これはいいなあ。
木も、すべすべだった。やっぱり触覚。


プロダクトデザインはぜんぜんよくわからないけど、
いろいろ感じること、考えることが多くて、
情報が多くも少なくもない、感じのいい展示だった。
わたしはアートをみるときは、視覚的質感の人間なので、
触覚的質感の展覧会に行けたのはとても興味深い経験でした。


1月4日の話はつづく。