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インターネットもぐもぐ

インターネット、おなかいっぱい食べましょう




東京都庭園美術館「こどもとファッション」

東京都庭園美術館の企画展「こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し」がすごくよかった。“「こどもらしさ」はこどもが作ったわけじゃない”ってコピー、超いい。子どもに着せていた服にフォーカスすることで、時代ごとに大人が子どもに向けていたまなざし、社会の中でどのような存在だったのかわかるのでは?という命題からしてすっごくいい。

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www.teien-art-museum.ne.jp


18~20世紀のヨーロッパ、明治・大正~昭和にかけての日本の子ども服の変遷から社会の変化や親子関係の変化を読み取ろうという視点で服や資料が並んでいる。庭園美術館さんは公式Twitterでたくさん発信してくれてて親切!ご興味ある方はTwitterをご覧ください、でこのエントリは実はもう用が足りる。コミケ期間中は、創作クラスタの皆様へ、というツイートもしていて、ちゃんと中に人がいる感じが素敵だ。


8月5日(金)は21時までの夜間開館(ありがたすぎる!うれしい!)で、お目当ては19時からのギャラリートークだった。展示内容はもちろんだけどお話もおもしろかったので自分のために簡単なメモ。

  • 担当学芸員さんは子持ちのママ。企画がスタートしたのは、島根・足立美術館学芸員兼ママ友から「こういうのやりたいと思ってる」と打診が来たこと(島根、神戸、東京の巡回展だった)。自分はファッションの専門ではないし、美術館自体も服飾について扱っているわけではないけどこの建物でやる企画として意義があると思ったので進めた
  • 子ども服は大人のものに比べてはるかに後世に残りにくいし、まとめて見られるチャンスが少ない。なぜなら、汚くボロくなることが前提なので捨ててしまうから。きれいなものは周りの誰かにお下がりとして譲る。きれいな状態で残ることはほとんどない(なるほど……)
  • 子ども服より残りにくいのは下着。これもなるほど…だった。そりゃ残しておきたくないよね
  • マリー・アントワネットとかロココ文化の頃は男の子も幼児期もドレスを着ていた。女子との違いはコルセットの有無。女子は2,3歳から小さなレディとしてウエストを締めあげられるけど、男子は5歳くらいで初めてパンツを履くことで“男性”になる。それまではある意味無性の存在
  • 女子ドレスはバックリボンで華やか、男子ドレスはベルト穴のようなものがウェストにある(あくまで展示してあったものの話)。あと見分けるポイントとしては袖口の折り込み方とか。大人の服をベースにアレンジしてる感じでおもしろい
  • ある時期までは子どもは大人のミニチュアでしかなくて、西洋の上流階級ではよだれを垂らしているような乳児でも金刺繍の豪華絢爛なドレスを召していた。すぐ汚くなっちゃいそうだ

  • 子ども服がジャンルとして登場したのはフランス革命
  • より着心地が良くて動きやすい自然体でいられるファッションが子どもから広がっていって、それから女性向けドレスとして古代ギリシャ・ローマ風の胸元からストンと落ちる、肌が透けちゃうような薄くて軽いシュミーズドレスの流行りにつながった(そうやって育った世代が大きくなって少しずつ常識が変わっていったって面もありそう)
  • 動きやすさ、を追求してスカート丈も子ども服が大人のものに先行して少しずつ短くなっていく。引きずるような長さからくるぶしくらいまで。ひっかかると危ないから
  • 19世紀半ばに子どもらしいファッションとしてエプロンドレスが流行る→「かわいいじゃん!」てなって大人でも流行る
  • スカート丈とかシルエットが変化していってもバックスタイルにリボンをつけるのは全体的に変わらないデザインでおもしろかった
  • 20世紀になると一気に「子ども服」っぽくなった気がした。多分ドレスから日常着に近くなる。絵本で見たことがあるようなファッションというか
  • コルセットを付けない文化も子どもから大人に広がっていく(定着したのは第一次世界大戦期くらい)
  • 昔から子ども向けのコスプレ衣装はある。20世紀前半?は軍服が人気。友達の誕生会にトルコやロシアの軍服風のお衣装でおしゃれする(かわいい)。今なら戦隊ヒーローとかプリキュアって感じなのかな

  • 日本ではやっぱり大きな転換は明治、和服から洋服へ
  • 明治初期のイラストを見ると男性はスーツやジャケットやハットの洋装、女性は大人は着物、子どもは洋服が多い。動きやすくてじゃぶじゃぶ洗いやすい素材。着物に小物で洋装をミックスさせてるのもとてもかわいい
  • 雑誌の定番付録の「すごろく」のイラストでファッションやおもちゃの変化が見える(楽しい!)
  • 「子ども」という概念は児童向けの雑誌や童謡の登場で強化された側面がある。大人とは明確に違う存在として扱われてることがわかる。無垢で自由ないきものとして礼賛的な視線が向けられてる。子ども観の変化と家族観(イエ制度ですね)の変化の重なり
  • 「子どもはこうあるべき」が少なからず現れているのが子ども服


展示の内容をまとめたプチ年表ももらえる。
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とてもおもしろかった。展示の命題としては大人の子どもに対するまなざし、なんだけど、ファッションの変化としては逆ベクトルの影響が大きいのが興味深かった。子ども服はコスト的にいろんなものにチャレンジしやすいのかな。小さいころの常識を持って大きくなっていくわけだから、世の中の「普通」の位置が変わっていくのもさもありなんだ。そんな視点で子ども服を考えたことがなかった。

庭園美術館は旧朝香宮邸のアールデコ様式の建物が本当に素晴らしく美しくセンスよく気持ちがいい空間なので、この中にちんまりとした服が並んでいる健やかさだけで、特別ファッションに興味ある人じゃなくても楽しめると思う。図録買えばよかったかな。8月31日までです。

白魔術の唱え方

前回のポケモンGOに関するエントリ……というかポエムに、予想の何倍もの反響があって驚いた。

日曜の夕方に突発的に「今夜ひま?」とLINEがきて飲むことになった友人と渋谷のはずれでおいしいものを食べてお酒を飲んでいい気分で帰ってきて、センター街の奥まった暗い所でミニリュウを捕まえて機嫌がよくて、家族のLINEはのどかにポケモンの話が続いていて、アルコールで高揚したふわふわとした気分にまかせて、日付がとうにまわってから一気にしたためたエモい文章だった。読み直すと微妙に恥ずかしいけど、とにかく幸せそうでいいな、よかったね、と翌朝の新しいわたしは思った。

mogmog.hateblo.jp

なんでブログを書いているんだろう、と考えると、どう考えても未来の自分のためだ。ほんの1日でも先の自分はいちばん近しい他人なので、その人に向けている。瞬間の幸福や興奮をスタンプして、いつでも取り出して袋入りのいちごみるくの飴みたいに舐められるようにしたい。元気がない時に読み直すものを、おいしくいただけるものをせっせと増やす。好きなものの話しかしないぞ、なぜならそう決めたので。不幸や怒りや苛立ちに割いているような時間はないのだ。


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最近の幸せそうな写真、ドイツで撮ったねことビール。


前クールにやっていたドラマ「重版出来!」、視聴率的には振るわなかったのかもしれないけど最後までわりと面白く見た。なんだけど、途中の何話かは一時停止したり早送りして気を紛らわすくらいムカついてしまった。インターネットが邪魔者で敵視されていることが本当に悲しかった。世界が作家と出版社(編集部)と書店で完結してて、ネットは本屋からビジネスを奪って、匿名でSNSで作家や作品を傷つけて貶めてる悪者だった。2ちゃんまとめやTwitterを模したようなビジュアルが幾度か出てきた。実体のないどす黒いモンスターとして。終盤で少し救われたけど、それでも自分はインターネットの住民なのでちょっとさみしかった。

……まあでも、そうなるのもわかる。現実世界では黒い感情ってそうそう露わにならないから余計に目立つよね。マイナス感情は「わざわざ言わなかったけど、やっぱりそうだよね」「私もそう思ってた」で他者を巻き込んで増幅しやすいのかもしれない(わざわざ言わなかったけど、って結構大事なブレーキだし「言わない」って1つのちゃんとした選択肢なのだけど)。なんでもいいから常に怒る対象を探している人、批判したりけなしたりすることで世界を一段上から見られている気になってしまう人、そこそこいる。そりゃあね、いますよ。自分の正義や快楽の為にそんなに汚い言葉を使ってしまうの?という人もいる。

でもね、インターネット、それだけじゃないんだよ! ちゃんと幸せになれる場所なの! 深夜にしたためた重たい愛のポエムが、ゲームフリークの増田さんに、ポケモンの中の人に届くんだよ!!!

すごいじゃん。ハッピーでしょ!! わたしはこっちを信じることにする。

何かを否定したりあげつらったり攻撃したりすることでアイデンティティを確立する黒魔術、それはそれで存在していいと思う。きっと何かの形で救われる人はいるのでしょう(いやもちろん、叶うならば違う形で承認されてほしいと思いますが)。

それはそれとして、わたしは闇雲に頑なに徹底的に白魔術を唱えることにした。対抗呪文。Twitterでもブログでもめちゃくちゃ好きなものの話をする。幸せな思い出を掘り返す。楽しいことを探すし、いっぱい教えてもらう。好きなアイドルの好きなところを何度も何度も手を替え品を替え示して、好きな漫画の新刊が出る度に超おもしろかった!って書いて、泣いてしまった小説に言葉を尽くして感謝をつづって、まぁ結局はあとで読み返す自分のためなんだけど、ついでに誰かにちょっとでも届けばいいと思う。なんかよくわからんけど楽しそうでいいな、ってくらいでいい。気を抜くと闇堕ちしそうなインターネットだから、幸せオーラ無駄にビシビシ出していきたい。日々いろいろあるけど、いいことばっかりじゃないけど、吐きそうにしんどいこと降り注ぐようにあるけど、いろいろすっ飛ばして幸福でいる努力。世界は最高!って毎日思って眠りたい。


という気持ちを、スピッツの新しいアルバム「醒めない」を聞いて強めていた。「子グマ!子グマ!」というふざけてる感すらあるタイトルの曲の「幸せになってな ただ幸せになってな あの日の涙がネタになるくらいに」という箇所が何回聞いても好き。そうだった、幸せにならなくては。未来の自分を幸せにするために、今日も明日も幸せに過ごさなくちゃ。「醒めない」、本当に素晴らしいアルバムなのでぜひみなさん聞いてください……草野マサムネと同じ時代に生きている幸せよ。。

闇にも悪意にも負けないインターネット白魔術、もっとうまくなりたい。

醒めない(通常盤)

醒めない(通常盤)


白魔術、という言い方はよく頭に浮かぶし結構気に入っていて、前にも似たようなことを書いていた。

20年ぶりの「ヒトカゲ、君に決めた」

1996年の夏、わたしは6歳で、小学1年生だった。

宿題やってくる、って親に言い訳しながら、友達の家や近所の公園や児童館にゲームボーイ片手に集まって、ポケモンのレベル上げにいそしんだり、近所の年上のお兄ちゃんにどうしてもここから先にいけないんだよ~って泣きついたり、同じジムリーダーに何回も挑戦したりしてた。チューペットをくわえて濡れた手でAボタンを押す、通路なんだからここで集まらないどきなさい、って怒られる。

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……まさか20年経って同じことをしていると思わなかった。思わなかったよ。
2016年7月22日、ポケモンGOが存在する世界がはじまった。


22日は朝から歌舞伎座で「七月大歌舞伎」を観ていて(市川海老蔵さん、本当に本当に格好よかった)午前中からリリースの喧騒は横目に見ていたけど、歌舞伎座の場内は集まる皆様の年齢層もあって至って静かだった。誰もポケモンゲットしようとしてなかった。今思えばぽっかり隔離されたようでおもしろかった。

終演して、公演の感想もそこそこに、一緒にいた同世代の友人と即インストールした。彼女は北海道で、わたしは神奈川で、まったく違うところで育ってきたけど、あの頃ポケモン151匹全部を空で言えた記憶は共通だった。「最初の子、どうした?ゼニガメにしようかな」「ヒトカゲ、迷わずヒトカゲ」ーーそうです、「ヒトカゲ、きみにきめた!」。20年前といっしょだよ!!


操作方法もよくわからないまま、銀座の街に出て2人で歩く。最初に向かったポケストップは「歌舞伎座楽屋口」だった。「え、ここでポケモンが出てくるわけじゃないんだ」「アイテムだけなんだね」「歌舞伎座、伝説のポケモンいそうなのに…」「楽屋口から出てきたらアツいのに!」

早く東京の街でポケモンに会いたい。そわそわする。「あ!!!コラッタだーー!!!!!」「え、どこ!!!」平日の銀座のどまんなかで昼下がりに騒ぐ女2人。銀座でネズミが出るっていうのが最高にクールだな、と思う。

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東銀座から銀座に歩く。死ぬほどポケストップがある。くるくる回るマークをタップして紫にひっくりかえしていく。ポケモンが出るたびに叫んで立ち止まるので全然進まない。

「ポッポ、AR画面で見ると普通に鳩」「ズバットきた!」「ラッタ怖いんですけど…コラッタちゃんはかわいいのに…」「パラスとかヒトデマンとかこんな都心の水がないところで生きていけるの!?」「ズバットまたきた」「イーブイかわいいいいいい!!!こっち向いて!!!」「キャタピー進化させたくなる」「……いや待って、またズバット?多くない??」

めちゃくちゃ楽しい。歌舞伎座から銀座・有楽町までの道なんて、もう何回も何回も歩いてるのに、ポケモンを捕まえながら歩くだけで景色が一変した。隣の子と一緒にわーわーできるのが本当に楽しかった。コイキングオニスズメ、ニドラン、ナゾノクサコダック、アーボ、トサキント……その熱意を違うものに向けてよ!という親や先生の声を聞き流しながらいつのまにか覚えていた151匹のポケモンの名前、今でもシルエットだけで出てくるくらい染み付いていることに驚いた。高校生の頃に学んだ元素記号も日本史の年号も覚えてなくても、6歳でインプットしたポケモンの名前は口に出てくる。ポケモンGOの爆発を前に「クラスで大流行してるのにせがんでもせがんでも親に買ってもらえなかった記憶を思い出して辛い」という気持ちもわかる。それくらい共通言語で、コミュニケーションだったなあって思う。

あの頃の未来が今だってこと、ゲームの中に繰り広げられていた体験が現実になったこと、すごくない?すごいよ。都会のど真ん中で泣きそうになった。駅前で、公園で、飲み屋で、みんなポケモンの話してる。隣に立ってる人の画面をそっと見て、ほんとにそこらじゅう、みんなやってるなあ、ってため息をつく。ポケモンがいっぱい描かれたハンカチを2枚お道具箱に潜めて、毎日休み時間に取り出して、友達何人かと囲んで自由帳に模写していた日々よ!

ポケモン世代ド真ん中だったこと、一緒に育ってこれたことは本当に幸運だった、と思ったの、今までも何度もあったけど、なんだか妙に誇らしい。愛して信じてきたものは嘘じゃなかった。バブルがはじけてから生まれたわたしたちは、ゆとり世代学力低下、終わらない不況、少子高齢化……って何十もの言葉でさんざんかわいそうがられてきたけど、わたしたちの側にはポケモンがあったんだよ。いいでしょ。楽しかったんだよ。

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わたしや弟が監視の目をかいくぐってポケモンぷよぷよゼルダやスマスマやFFをやりまくってる(遅くまで起きていると怒られるので超早朝にこっそり起きて時間を捻出する)のに眉をひそめて「いい加減にしなさいよ」と小言を言っていた母も、この騒ぎに乗じて、使い始めて数ヶ月のiPhoneポケモンGOをインストールしたらしい。「庭にゼニガメいた」と写真が来る、今何匹?と質問される、「レベル4になった。早くジムに行ってみたい」という報告が来る。なんだか、世界が、ぐるっとまわったと思った。少なくともわたしの世界は。こちら側へようこそ。来てみてくれてありがとう。


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きれいなお姉さんの手の内で泳ぐトサキント

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かわいい女の子とじゃれあうコダック

今夜も、知り合ってからもう人生の半分くらい経つ友人とお酒を飲んだあとに渋谷をきゃあきゃあ言いながらポケモン探しながら歩いた。なんて素晴らしい夏休みの夜!お酒が飲めるようになって、こんな時間にこんなにもうるさくて明るい場所を歩けるようになったけど、いろんな感情の源泉はもしかしたらあんまり変わってないのかもしれないな。

ゲームとしてはすぐに飽きるよ、とかそんなのはどうでもよくて、とにかく、こうやって地続きでポケモンを捕まえられる世界が実現したことそれ自体が幸運で幸福で楽しくて未来だってドキドキする。ハッピーだ。あの頃のわたしに教えてあげたい。いや、やっぱり教えなくていいや。君が白黒の小さな画面の中に見ている景色だって完成されてる。

大人になるって、長く生きるって悪くないなって思った。1度愛したものを、形を表現を変えてまた愛せる可能性があるってことなのか。TLで「まだ1匹しか捕まえてないけど、小学生の頃の『ポケモンやらせてもらえなかったわたし』が成仏した気がする」というツイートを見て、ああ、と思った。その時手が届かなくてももしかしたらいつか。

20年後、どこで何をしてるんだろう。どんな未来が現実になってるのだろう。世界は絶対に毎日進化してるって思うし、わたしはテクノロジーのちからを超超超信じてる。

無責任でひねくれてて煮え切らないぐずぐずシティロマンス「A子さんの恋人」が最高

ひねくれた大人の無責任シティロマンス恋愛漫画「A子さんの恋人」が本当に最高。トーキョーとNYをまたにかけて、阿佐ヶ谷や御茶ノ水台東区や京成ライナーやスタバやユザワヤ世界堂伊勢丹やイナムラショウゾウであれこれ。ひえ~都会的ですね~~~。1巻も大好きだったけど2巻がおもしろすぎて、あまりに好きすぎて読んで読んでと言って回っている。


主人公の「A子」さんは漢字だと「英子」なんだけどこの表記になっていて、そこからしてすごい好き。「エイゴのエイに、子です」と言ったら「A子」って書かれたことがきっかけなんだけど、名前なんてそんなもんだよね、他人にとってはね、けいこちゃんゆうこちゃんも「K子」「U子」だね、ところで、あなたたちの名前の漢字ってどんなんだっけ?という話から始まる(「10年来の友達の名前、普通忘れないよね?」と返すけいこちゃん)。

A子さんは3年間NYに住んでいて帰国したばかりなのだけど、3年前に微妙に別れきれていない元カレ(と言い張っている)と、NYに置いてけぼりにした現恋人(ということに一応なっている)がいて、それぞれ仮の名前として“別れたつもりの男の名をつまびらかにしてもしかたがないので”「A太郎」と、対比として日本語ペラペラインテリメガネで性格の悪い「A君」と置かれていて、それで話が進む。2人の合間でふわふわしているのを周りでやいのやいのして応援したり引っ掻き回したりする友人たち。三角関係と言っていいのか微妙なくらい、あるのかないのかよくわからないぐだぐだで煮え切らない優柔不断さ。

クズい男が出てくる漫画は山ほどあるけど、A子さんは女性の側もクズとも言い切れないそこはかとないダメダメさ、どうしようもなさ、問題を先延ばしにしたがるそれあかんやつや!感があるのがいい。けいこちゃんもゆうこちゃんもそれぞれ歪んだ心根を持っていていい。無自覚に末恐ろしい女と、性根が悪い男と、性格が悪い男と、性格の悪い女たちの話。

……って書くと、あーはいはい最近流行りのアラサーものね、って感じだけど、「アラサーあるある」っていうより、人間あるあるっていうか寓話的な作りでおもしろい。いちいち出てくるエピソードが妙に生々しいのに現実的ではなくて、生活感があるのにファンタジック。そして端々のセリフのひねくれ感にやにやする。


1巻も好きだったんだけど2巻でさらにぐわっとおもしろくなった。それぞれのキャラクタのいいところと悪いところがどんどん見えてきて思い入れが高まっていく。A子さんはますますダメダメだなあ!!けいこちゃんいろいろがんばれ。ゆうこちゃん強い、わかるよ。A太郎、お前は本当に悪い男だよ……。A君性格悪いだけじゃなくてかわいいところあるじゃんか~~!!好き!!!

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しかしねえ、A太郎ね。ほんとにね。随所随所で、こ、こ、こいつ……!(好き!!)ってなってしまう。作者の近藤聡乃さんが1巻発売時のインタビューで言ってるここの一節が大好き。

──A君だけが悪くないということは、A太郎は悪いんですか?
悪いと思います。生まれたときから悪い。女の子をとっかえひっかえしていること自体はそんなに悪くないと思うんですが。

──親しくもない家にあがりこんで、馴染んじゃう、という才能が悪いと。

やっぱりお正月にぜんぜん知らない人の家に堂々と行って、馴染んでカルタして盛り上がってちゃっかり終電で帰るっていうのは悪質だと思います。人としてやっちゃいけないことなんじゃないかと思う(笑)。

natalie.mu

A君とA太郎とどっちと付き合いたい!?(きゃーきゃー!)みたいな感じではなく、とにかく後先をどうしても考えちゃうオトナの人間同士の距離感の話なので、恋愛漫画ではありますが自分の胸に手を当てて日頃の行いについて考えさせられる。人はみんなどこかダメ人間なわけじゃないですか。自分の中のクズみについて考えさせられるよ。

というわけで続きがすっっごく楽しみ!!!どうして電子書籍になっていないんだ~~!!悲しい。
近藤聡乃さんはNY暮らしのエッセイ漫画「ニューヨークで考え中」もおもしろいです。変に海外暮らし!という色味ではなくて、淡々と生活の話。
Webで連載読める。→ ウェブマガジン「あき地」

ニューヨークで考え中

ニューヨークで考え中


去年読んだ恋愛漫画まとめでもこの作品については書いてた。
mogmog.hateblo.jp


以下、わたしとわたしのタイムラインで見かけた感想たちです。










伊豆諸島の真ん中 式根島に行ってきた(後編) #tokyo島旅山旅

旅行記の続きです。前編はこちら。
前回のあらすじ:真冬の伊豆諸島・式根島に週末旅行に行くことに。調布空港から新島へ飛行機で、新島から船で式根島に渡ってきました。目的地である式根島に到着し、一通り観光したんだけど、この後大変なことに……?
mogmog.hateblo.jp

気まぐれな土曜日

朝から活動してたのでまだお昼前。近くの商店でパンを買ってきて、部屋で食べながら、電話しました。
……昨日船着場で会ったお兄さんに。「電話して」って言われたので本当にする。

「あ、どうも、昨日船のところで会ったのですけど」
「お~! 来る?」
「えっいやお、忙しくない時で、お時間ある時でいいですよ!」
「いつでもいいよ、何分後?軽トラで行くわ」
は、はやい。話がめっちゃはやい。

昨日の時点で泊まってる場所は言ってあったので超スムーズ。ドキドキ。

そして数分後、着いたのが、



いちご畑!!!

1月の伊豆諸島でいちご狩りするとは!!ビニールハウスの中はあったかい。

とちおとめ、超おいしい。

連れてきてくれた綾真吾さんは、すこし前に脱サラして式根島に移住してきて農業をスタートしたそうで、今はいちごと烏骨鶏飼育をしているんだって。快くいろいろ案内してくださって本当にありがとうございます……ドラクエ感。

いちご畑専用の畝を作る機械があるってことを初めて知ったよ。その機械に描かれてるイカしたうさぎ。うねパンチャー!

就農して日が浅い中で何を栽培するか、いろいろ考えていちごに行き着いたのは、伊豆諸島……に限らず離島地域はどこもそうなのだろうけど、どうしても物資の輸送に日数がかかってしまうから新鮮なものの割合が少なくて、子どもも大人も喜んで食べてくれるものは何かな~と思ったことだそうで。確かにいちごって、目の前にあるだけでテンションあがる。ちょっと特別な感じがする。濡れたような赤が宝石みたいできれいだ。

とりあえず試験的にやってみたので今はハウスは1つだけど、土壌的にも大丈夫そうと分かって、来年は数倍に拡大する予定らしい。そうかぁ農業を始まるって何を育てるかから自分で調べて考えるってことなんだ!当たり前のことだけどそうなのか~!と思った。伊豆諸島で苺農家初めてかもね、と言っていた。初めて、すごい。あとちょっとで今年のシーズンは終わりです。


続いて烏骨鶏も見せてもらう。
うこっけい、って聞いたことはあるけどどんな鳥だか知らないぞ。
※当然ですがここから鳥注意(一応)


鳥だ。


か、かわいい……。真っ白でふわふわ。肉も骨も内蔵も黒いんだって。ひえ~~!顔も黒い。愛嬌がある。全然目を合わせてくれない!!笑

なぜそんなにぎゅうぎゅうに詰まっているのか君たちは?(一番右)

すみっこに卵が!

烏骨鶏は普通のニワトリとくらべて産卵数が5分の1くらいで、まず卵をとれる数が少ない。サイズは小さめだけどビタミンやミネラルの栄養価がすごく高いことで有名な高級食材で、東京のデパートだと1個500円とかで売ってます。高級だね。

綾さんの両親も式根島に住んでいて、もともとお父さんが趣味で飼っていて、あれよあれよと(?)増えていったそうです。有機飼料を使って、広々した場所で散歩させながらのびのび育っているうこっけいちゃんたち。


(勝手に写真を組み合わせてアニメーションを作ってくれるGoogle Photoの機能が役立っている)

ひとしきり遊んだあとに、また車へ。卵を持って。
「食べたい?」「食べたいです!」「じゃあ食べよう」

朝行った場所にまた戻ってきました。24時間無料開放の雅の湯!

温泉につけてる、ということはまさか。
……そうです温泉卵!!!
ただでさえおいしい烏骨鶏の卵の温泉卵なんておいしいに決まってますよね?楽しみすぎる。

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足湯でくつろぎながら待つ。

できた!開封の儀。




………め、め、めちゃくちゃおいしい。甘い。びっくりした。黄色みは強くないけど味は濃い。しかも海直結の温泉だから自然に塩味がつくのです。えっおいしい……。調子に乗って2,3個食べてしまった。これごはんに乗せたい!!お醤油垂らしたい!!!それか夏海水浴したあとにそのままファストフードとして食べたい!!疲れた身体に温泉卵!

烏骨鶏の卵は直販でお願いすることもできます。
ちょ~~~おいしいのでおすすめです。そりゃスーパーの普通の卵よりは全然高くなってしまうけどおいしいです。
……でもどうやって頼めばいいのかな?笑 確認してまた追記します。

海と火星

予想外の方法で温泉を堪能して、今度はまた違うところへ。今度は島の西側。

神引展望台にまた来たよ。きれいだな~~!!

ハイキングコースがある。



柵とかまったくない完全な崖。怖い怖すぎる。


映画のロケができそうな荒涼とした大地。スター・ウォーズだ!!(朝スター・ウォーズの話をいっぱい聞いたので引きずられている)

謎の展望デッキ。何も展望できないけど空は見上げられる。


空が青いし広い。

インターネットせずに黙々と過ごした。頭すっきりする。海の真ん中に島ができて、人が住んでるのすごいな……ってなんだかやけに大きいものに思いを馳せる。


超初級ハイキングコースを終えて、綾さんとお別れ。大変お世話になりました。
せっかくなので雅湯に入って帰ろう。

雅湯は水着着用で入ります。手前の小屋が更衣室になっていて自由に使ってOK。この時は早い夕方だったけど、ちらほら地元の人が来ていた。

正直行く前はまぁ冬場だし…水着も面倒だし…と思っていたのですが、朝来て見てたらこれは絶対にハッピーすぎると思って簡単に鞍替えしたのであった。

ずーーーっと海をながめてぼんやりしてるの幸せだった。頭がからっぽになる。することがないので波の数を数える。風が吹くとすこし冷たくて肩までつかる。熱くなってきたら腕を岩のへりにのばす。なんだかいろんなことをぐるぐる考えてるような考えてないような気になる。茶色いお湯をつまさきでかきまわす。両手でお湯をすくってちょっとずつ落とす。もぐりたい気持ちになって、いやいやここは海じゃない、って正気に返る。

夏は海で泳いでそのまま入れるんだな~最高じゃないですか?絶対最高だよ。すこしずつ日が傾いていくのを眺めた。

おみやげを買った。ふわふわした島のり、ごはんの上に乗せてお醤油をすこし垂らすとそれだけでおいしい。

帰って夕ごはん。「ラ・メール SHIKINE」さんは夕食が、和食と洋食で選べる。1日目はお魚とか食べたいなと思って和食にしたのだけど、洋食がとっても素敵なので超超おすすめです。

……コースなの!!アンティパストからデザートまで1皿ずつ出てくるコース!えーイタリアンのコースなんてびっくり!という声を聞きたくて準備しているんだって。確かに夏休みに行くような民宿やペンションてどこもなんとなく似たような食事だし、そういう気持ちでいるからこんな感じだとびっくりする。小さいお子さんがいるお家とか、なかなかゆっくりこういう形で食べられるチャンスも少ないかもしれないし、ちょっと特別な夜になりそう。

しかも全部、すごくおいしい。食べ過ぎてしまった、1人で。

デザートとコーヒーを食しながらオーナーさんとおしゃべり。

「明日大丈夫ですかね……」
「どうだろうね~~ギリギリ大丈夫、かもしれないし、大丈夫じゃないかもしれない」
「こわいよー!それっていつ決まるんでしょうか」
「朝にはわかるから、ごはん食べにここに来てくれた時に」
「……はい」

ええとですね、実はこの日超巨大寒波が西日本に近付いていたのでした。1月の後半の週末です。前週は東京が大雪で、よかった今週じゃなくて!と安堵していたのですが、まさか2週連続でスーパー悪天候に見舞われると思いませんですよ!

伊豆諸島の周辺は冬場は海がしけることが多くて、ひどい時は週に半分くらい船が結構になるレベルだとか。天気がよくても風が強いとだめ。春から夏にかけて以外はわりと不安定で、島を出ようにも出れない、だって船が出ないから、ということになります。今日は天気……よかったんだけどな……。今のところ風そんなにないんだけどな……。これは祈るしかありません。

悲しみの日曜日

朝起きた瞬間わかりました。

あ、これダメだわ。

とにかく超風が強い!!!部屋の前の木が吹き飛びそう!!気が動転してちゃんとした写真を撮ってなかったのでこんなのしかないですが、ブレまくっているのがわかるでしょうか。こんな風にお部屋は離れとして並んでいます。

というわけで、本当は式根島から11時半頃にフェリーに乗って、約8時間かけてのんびり東京に戻ってくる予定だったのですがそんなわけにいかなくなりました。そして日曜日の船はこの時点ですべて欠航が決まったので必然的に帰国(とあえて言おう)は最短月曜日になります。しかも、明日も帰れない可能性もあるっちゃある……という……。


……いや、考えても仕方ないのでさっくりと明日とりあえず午前休でお願いします!がんばって帰ります!と連絡してフェリーじゃなくて飛行機の手配をすることに頭を切り替える。

しかもねー、天気はめっちゃ晴れてるんですよ。朝8時のひんやりした空気。確かに波が高い。



次の予定は24時間後、なので黙々と部屋で過ごす。持ってきた本を読んだり、Kindleで漫画を読んだり、ある意味ものすごく休日らしい休日を過ごした。なんだかんだ東京にいると予定を入れてしまうから。あんまりインターネットもせずにiPhoneを手放して(今回の旅の目的としてネット解毒も頭の片隅にあった)ぼんやり過ごすのは案外悪くなかった。だってどこにも行けないんだもの。ここから出られないの、ちょっと楽しい。吹きすさぶ風の音にすこし怯えながら、誰にもじゃまされずに昼間から眠った。

夕方には温泉に行った。屋内の温泉施設「憩の家」は200円。これも地鉈温泉と同じ泉質。当然島のみなさんは顔見知りなので話しかけられる。帰れなくなったんですよね~って笑う。
式根島温泉 憩いの家|施設案内|東京都新島村

ひまを持て余しているのでぷらぷらと歩いて帰る。さっきまで一緒にお風呂に使ってたおばあちゃんが「あら、あなた歩いてくの?湯冷めしないようにね」って言いながらバイクで横を走り抜けてく。かっこいい。

式根島には1箇所だけ信号がある。信号がないと子どもが信号を知らないまま大きくなっちゃうからね、と言われて、なんだか特別な感じがした。みんな知ってる赤と青。


夕ごはんはまた洋食にしてもらった。今日はお魚だ。エビとあさりのチーズクリームソースのパスタが超おいしかった。ハッピーな日曜日。


明日は帰れるかしら。また眠る。

決戦の月曜日

あ、大丈夫な気がする。

起きたらあの凄まじい風は止んでて安心した。7時に朝食を食べて、大丈夫だって!と教えてもらって、7時40分の船を目指す。

とってもお世話になりました。次は夏に来な!って言われる。本当にそうです!!ここは夏来るところ!絶対天国!夏場は高速ジェット船という選択肢もあって、それだと竹芝桟橋からなんと2時間20分で来られる。速い。

船で20分くらいで新島へ。通勤通学で使ってる人も結構いる。天気よい。

本当は9時40分の飛行機で帰りたかったんですが満席だったのでロビーで待っていることにしたので早く来た。……んだけど、まぁもともと19人乗りだし、月曜の朝だしそりゃ無理だよね!ということで午後まで待ちぼうけ。でも、朝イチの飛行機で帰れば10時20分には調布に付くので、午前中には戻れるってことですね。土日フルで楽しんで月曜朝に帰るプランもありかも。

お察しの通り暇なので、暇にまかせて散歩に出た。
……海が凄い。


めちゃくちゃ青い。

すごいグラデーション。



石のどうぶつがたくさんいた。


数十分ふらふらして空港へ戻る。寒い寒い。必要なメールはiPhoneで返せるし便利な世の中ですね。
さあ、帰るよ!!


晴れていたので遠くに富士山も見えた。小さな飛行機で高度も低めなので、結構ずっと景色を見ていられて楽しい。

東京だ!

14時半過ぎに到着!は~~よかった!!


というわけで、2泊3日……の予定が不慮の事故によって3泊4日になった式根島への旅、これにて終了です。
式根島は見るものがたくさんあって時間が足りない!というタイプの“観光地”ではないけど、島ならではののんびりした感じとか、とにかく広い海と広い空を見てぼんやりするじわじわ幸せな感じとか、他のどこにもなさそうな温泉とか、そういうものが楽しめてすっっごくいいところでした。何度でも言うけど、夏!夏に行きたいよ!!笑

今回私が参加したPR施策「tokyo reporter 島旅 & 山旅」のサイトでは東京の山村や離島への旅行記が他にもいろいろ読めます。
tokyoreporter.jp

Kindleで幻冬舎本がセールだそうで

幻冬舎電子書籍セールだそうで!!!買ったり迷ったり読んでほしかったりするものを探したよ。25日まで。

Amazon.co.jp: [電本フェス]幻冬舎ほぼ全作品40%OFF(2/25まで): Kindleストア
今週のKindleセール!幻冬舎・翔泳社ほぼ全作品対象の大規模セールや司馬遼太郎『坂の上の雲』など文藝春秋合本版半額ほか - きんどう


さて、最初は森博嗣大先生様から。

神様が殺してくれる

神様が殺してくれる

タイトルと表紙がとても好き。パリやミラノが舞台でこういう空気感、森博嗣作品だとちょっと珍しい気がする。読みたかったけどスルーしてたのでこの機会に買った。

これも珍しい雰囲気。私小説タッチ。

作家の収支 (幻冬舎新書)

作家の収支 (幻冬舎新書)

めちゃくちゃに筆が速い人が自分の作家としての収支をさらけ出すってだけで超読みたい。書誌情報だけでぞくぞくする。森先生はすごい。この人が、自称引退済みだという現実。

1996年38歳のとき僕は小説家になった。作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である――総発行部数1400万部、総収入15億円。人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学


科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

この書評がとってもいい。「個人ではなく、みんなで築きあげていく、その方法こそが科学そのものといって良い」「科学者は、すべてが説明できることを願っているけれど、すべてがまだ説明できていないことを誰よりも知っている」。
seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com


幻冬舎セールとはいっさい関係ないんですが、新レーベル講談社タイガで刊行がはじまったシリーズがミステリィじゃなくSF、人工知能と人工細胞と生きていかざるを得ない永遠に命を永らえさせられる人間の世界、人工細胞とアンドロイドが当たり前になって人間とヒューマノイドがどこまでもあいまいになっていく近未来の話でアツいのでおすすめです。真賀田四季とかミチルとか出てきて過去作品の読者としてもぐっとくる。1作目は得意のダブルミーニングだし、2作目は「魔法の色を知っているか?」っていうタイトルが本当に好き。


小説。

有頂天家族、まさか続刊が出るとは!!とびっくりしただけで読んでいなかったので買った。アニメも好きだったな~。しかし森見登美彦作品を読むと自分の文章のリズムまで変わってきて気持ちがいい。タブレットスマホの画面でテンポよく読むのが楽しいよ。

ここは退屈迎えに来て

ここは退屈迎えに来て

「わかるー、共感ー、なんて軽々しく言えないしこの本読んでそう簡単に言うやつは信用しない。男も恋愛も結婚も出てくるけど、ただもうどうしようもなく、ここで生きてくしかない女のあるいは哀しくも永遠に女子でしかない人たちのお話だった。女女女。」「しかし、わたしは東京“しか”知らないのだよ、それはある意味なんて貧困なのでしょう」「灰色で砂っぽくてそこかしこが錆びたロードサイドの変わりばえしない景色の中にあるでかいショッピングモールと隣の廃墟の落書きに色付けられた生活を知らない」――と2012年の私が書いている。

わたしの神様 (幻冬舎単行本)

わたしの神様 (幻冬舎単行本)

「私には、ブスの気持ちがわからない。」って書き出しの破壊力よ。
cakesで冒頭が読める。
私には、ブスの気持ちがわからない。|わたしの神様|小島慶子|cakes(ケイクス)

凍りついた香り

凍りついた香り

「今でも彼の指先が、耳の後ろの小さな窪みに触れた瞬間を覚えている。まずいつもの手つきでびんの蓋を開けた。それから一滴の香水で人差し指を濡らし、もう片方の手で髪をかき上げ、私の身体で一番温かい場所に触れた」。小川洋子の冬の湖みたいな文章はいつまでも特別な感じがする。

アムリタ (上)

アムリタ (上)

ハゴロモ

ハゴロモ

ああ、吉本ばななを読み漁った日々よ……私の血と肉。アムリタ、人生でいちばん読んだ本の1つだ。結構幻冬舎から出しているのでいろいろある。


とっても面白くてわかりやすい。素粒子と量子物理学と宇宙!超ミクロと超巨大!村山先生の本は全部好き。

言わずと知れた。タイトルからしてかっこいいし、中身もかっこいいし、シェフは戦士だし、働くということはすごい。


貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎単行本)

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎単行本)

読みたかったけどなんだかんだ買ってなかったのでこの機会に。ほんとだよ、我々はいつまで女子でいられるのか。女子会していられるのか。

中身漫画なんですね。ちょっと読みたいけどどうしよう。

こないだ出たばっかりのもセール!これタイトルがタイトルだけど中身は凄まじい切れ味なので、なんか、うん、「恋より楽しいことがある」みなさんは読んだらいい。電車の中で広げるのは微妙にはばかられるので電子書籍だとよさそうだね!!
書評が面白かったので借りて読み始めて今まだ数十ページなんだけど「私も合コンさしすせそ的なものを実践しながら『こんなことしなきゃモテないなら死んだほうがマシだ』と思っていました」「恋愛はキノコ狩りに似ています。素人はいざ森に入ってもどこにどんなキノコが生えているかわからない」「見た目を変えるのはメンタルを変えるよりも手っ取り早い」「自意識過剰だからといって銃殺されるわけじゃない」とかロックな文言が並んでて、いいです。なんかこう羅列すると、あ~そういう本ね~って感じに思えるけど、実際読んだ方が、なんだろう……勢いあるしごめんなさいって気持ちになる。ほんとなんなんだろうね、人生にとって、恋愛って、マジで……。
www.excite.co.jp


幻冬舎セール、前回は逃していたので今回はちゃんとラインナップながめられてよかった。
Kindleは幸福な悪魔の道具!


またもやセールは関係ないですが歪んだアラサーもそうじゃない人も読むべき漫画「波よ聞いてくれ」、2巻もアクセル全開で中央分離帯をぶっ壊しそうなグルーブ感で最高でした。

伊豆諸島の真ん中 式根島に行ってきた(前編) #tokyo島旅山旅

伊豆諸島・式根島に行ってきた。東京都の観光事業「tokyo reporter 島旅&山旅」で行かせてもらいました。
いろいろあったけど(後述)楽しかった!青い海と白い砂浜とまっすぐ伸びる水平線のすごく美しい場所だった。好きになった。次は夏に来たい。
TOP|tokyo reporter 島旅 & 山旅


レポーターとして東京の離島に行きませんか?と声をかけてもらって、いくつか選択肢があった中で式根島を選んだのは全然知らない場所だったから。絶対自分じゃ行かないところにせっかくなら……と思って決めたのでした。

伊豆諸島と言っても結構広いわけで、式根島は東京から南に約160キロ、大島よりは遠くて、八丈島よりは全然近い、一般に「伊豆諸島」と言われる範囲のちょうど真ん中あたりにあります。1周12キロの小さい島(ということをもちろん調べて知ったわけですが)。
式根島オフィシャルサイト | 東京都伊豆七島の旅行|白いビーチ、海水浴、温泉など

式根島

いくつか行く方法はあるのですが、今回は行きは飛行機、帰りは船の予定を組んだ。飛行機!? ってなるけど、調布に飛行場があるんですね!!知らなかったよ!!
というわけで旅は調布飛行場からスタート。19人乗りのちっちゃい飛行機に乗ります。すでに楽しい。



12:45に出発して13:25に新島に着く。式根島へは新島から連絡船で渡ります。

夕方の船まで時間があったので、だらだらと空港から海沿いへ歩く。この日はめちゃくちゃ天気がよくて気持ちいい。海が超青くてまぶしいくらいだ……。新島はサーフィンで有名な場所なんですね。しかし冬場なのもあって何もやってない。お店も全然あいてない!お昼の時間は終わっている!暑い日だったのでアイスを食べる。海沿い歩きながら食べるアイス超最高だ。




港から10分くらい歩いたところに「湯の浜露天温泉」ていう24時間無料で入れる場所があるらしいので行ってみる。「古代ギリシャをモチーフにした建物が目印です」ってなんだ……?と思ってたけど行ったらわかりました。かっこいい!!

平日の昼間ですが人がいた。横に足湯があるのでくつろぐことにする。地元のおばさまが1人でいらしたのでこんにちは~って声をかける。こんな時期に珍しいわねえ、あはは、ちょっと旅行で、そうなの、足湯ちょっとぬるいでしょ、いつもはもう少しあったかいのよ、海の様子で変わるの、そうなんですか、今日はとってもお天気がいいから気持ちいいですね。浜辺できれいな貝をひろってきたところ、というので見せてもらって、少しもらう。かわいい。帰って瓶に詰めよう。




しばらく過ごして船着場へ。結構人がいる。式根島と新島は2島1村で「新島村」なので役場とかはこっちにあるんだって。あと、式根島には高校がないので、通学に船を使うらしい。


港で明らかに旅行~って感じで写真撮ったりしていたら何しにきたの?って話しかけられた。特に何が目的ってわけじゃないんです、初めて来ました、みたいに話していたら、そうか、ひまだったら電話しな、って連絡先を教えてもらう。ドラクエみたい。

着いたらもう夕方。「ラ・メール SHIKINE」に泊まります。すっっごく豪華なお食事を出してもらう!!赤イカおいしい。

ご機嫌な土曜日

式根島観光を始めるぞ。オーナーの齋藤さんに朝ごはんを食べながら相談して、車でぐるっと一周ハイライトしてもらうことに。シーズンオフの1人客にとっても親切にしてもらってすっごくありがたかった……! 式根島は小さい島ですがアップダウンがかなりあるので歩いて回るのはちょっと大変です。普通に来たら自転車(電動だと楽)を借りるのがよさそう。

まずは島の北側、泊海水浴場から。写真を見ればわかりますが、崖の下に砂浜が広がっていて、入江がきれいに視界にはいってめちゃくちゃテンション上がる!!海だーー!!と騒いでいたら昨日から海見てるでしょ!と笑われた。式根島は島の地質で砂浜が真っ白なのもリゾート感たっぷりだ。プライベートビーチみたい。これ、海水浴できる時期に来たら絶対気持ちいいな……。パラソルの下で1日中波の音を聞きながらごろごろしたい。Kindleで本を読みたい。

神引展望台。高低差が少ない式根島でいちばん高いところ。階段を少し登ってたどり着く。リアス式海岸のゆるやかで力強い曲線がすごくきれい。海が青い……。晴れてれば富士山まで見えるらしい。写真より実際見たほうが飛び込んでくる全部が濃い。


朝早くて風が強くて寒かったけど一気に目が覚めた。ここが東京都内だなんて!こんな場所があるんだな~。

オーナーさんも世界中いろいろ旅したけどここの景色が一番好き、と言っていた。季節によって、時間によって、全然表情が違う、毎日違うって。そうだろうなぁ。上の2枚はすこし違う時間。夏は夏でキラキラしてるんだろうな~~!

石碑に白く積もっているのは塩なのだそうで、舐めてみな、と言われてすこしすくてぺろっとした。しょっぱい。


南の方にも展望台がある。潮の流れなのか日の当たり方なのか、青の色がずいぶん違う。

白い砂浜の海岸。

神様が降りてきそうな空。

ご利益がありそうな霊言を感じる木。





もうすぐ小学生になる男の子も一緒に案内してくれた。式根島のちびっこたちは冬もビーサンらしい。小学校に入ったら靴を履く!笑 林の中の階段も急な坂道もざくざくのぼる、走る。
最近はスター・ウォーズにハマってて、エピソード7をお正月に東京で見たそうで(もちろん島に映画館はない)。シリーズでどれが一番好きなの?と聞いたら、うーん、ファントム・メナスかな~!と言っていた。かっこいい。好きなキャラはヨーダ!と意気揚々と教えてくれたけどちょっと前までダース・ベイダーだったじゃん、とパパに突っ込まれていた。かわいい。

地を裂く温泉

式根島は、24時間無料で入れる露天温泉がなんと3つもある。何より地鉈温泉のインパクトがすごい。「地面を鉈で切り裂いたような地形から地鉈温泉と名づけられた」。

このね、一番下に温泉があります。



温泉だ!!(落としそうで怖くてうまくカメラが持てない!!)


見てわかる通り、目の前が海!!どう見ても海直結なので潮の満ち引きで温度が変わる。なので熱いかもしれないしぬるいかもしれないし……で結構難しいらしい。あと当然また登って戻らなきゃいけないので結構過酷!笑 え~でもここから夕日見たりしたら絶対気分いい。朝なのですこし曇っているけど、天気がよくなると、もっとピカピカに夢のような場所になります。

「泉質は硫化鉄線。温度は80度と高く、神経痛、リュウマチ、胃腸病、冷え性等に効能がある。別名『内科の湯』とも言われている」(公式サイトより)というとおり、昔から湯治に使われていたらしい。歴史がある温泉なので、行きすがら壁のように立ちそびえる岩に文字が彫り込んであっておもしろい。「昭和○年 宏」とか、刻んであって時の流れを感じる。ずっと残ってるのすごい。

2つめは足付温泉。松の生えた海岸沿いの小道をすこし歩いて行く。

……温泉です!!!普通に海かと思うけど温泉!潮だまりかと思うと手を付けるとあったかくてびっくりする。

完全に岩場ですね!ちょっと怖い。こちらも潮の具合で温度も水位も変わります。あと、さっきはお湯が赤褐色だったけどこっちは透明。こんなに近いのに違う泉質なんてちょっと不思議だね。

3つめは松が下雅湯。足付温泉の手前に、地鉈温泉のお湯を引いて作られた人口の温泉で、地元の人はこっちに来るらしい。駐車場も近くて入りやすい。脱衣所もシャワーもあるよ!あと足湯もある!


ここももちろん海の目の前です、め、めちゃくちゃ入りたい……!
ここには後でもう1回、楽しいことをしに来ます。温泉といえば、という楽しいこと。


さて、だいたい島のハイライトはしてもらったのでここからは後半戦。
なんですが、書きたいことがまだまだあるので前後編に分けよう……。続きは別のエントリで。このあとちょっと、大変なことになります。