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藤井四段フィーバーで将棋に興味出たけどルールも知らないよって人におすすめしたい知識ゼロでも楽しめる本たち

藤井聡太四段、前人未到の29連勝おめでとうございます。すごすぎる。すごいです。チートです。漫画の設定だったらボツです!!!


(このツイートの段階からさらにどんどんチート設定が増えている……)

将棋関連のニュースが毎日のように流れるのもアツいよ〜〜!世界まわってる!!将棋観戦はとっても楽しいのでこのブームでさらに盛り上がってほしいな〜!!NHKさんのこのQAがとっても親切でわかりやすい。

さて、このエントリはタイトルの通りです。

私が将棋を観始めたのは2014年の電王戦(コンピュータとプロ棋士の対局シリーズ。今年終了)なのですが、3年経ってもほとんど指せません!!金と銀ってどっちがどっちに…動けるんだっけ…?と数秒考えなきゃわからないレベル。当然、もちろん盤面の状況だけ見ても形勢判断できません。

……という話を人にすると「えっそれ…何が楽しいの!?」と言われるわけですが(まぁそうだよね)ちゃんと楽しいのです。

今や将棋はネットと密接に結びついていて、対局の進行を見ながら棋士の先生方やファンのみなさんが「これはいい手ですね」「先手よしですね」なんて言ってるのを見たり聞いてるとなんとなく雰囲気が伝わってくる。なんだろう……小さいころ夏休みに会う親戚のお兄ちゃんが自分にはできないテレビゲームをやってるのを横で座って見ているような気持ち……。

将棋のプロになるような人たちは小さな時からずっとしのぎを削り続けています。数十年変わらず、何十回も何百回も同じ相手と将棋盤を挟んで向き合い続けるんですよ。すごくないですか?

天才、秀才、才能、努力、幼馴染、先輩後輩、師弟関係、漫画やアニメのような設定てんこ盛りの時には現実離れしためくるめく人間ドラマ。棋士のキャラクターを少しずつ把握していくと世界の解像度が少しずつ上がっていって、見えなかったものが見えるようになります。宇宙のように壮大なゲームに人生を賭けた人たちの物語の一端を垣間見る、のはそれだけでエンターテインメントです。

ヤバい、ポエマーのようなことを垂れ流してしまった。そんなリリカルな楽しみ方をしている私が読む将棋の本と言えば、棋士のエピソードや生活や人となりがわかるものです。知識ゼロでもわかる。なんか将棋界、おもしろそうかも、知りたいかも、と思った人、軽い気持ちでぜひどうぞ!

聖の青春

聖の青春 (角川文庫)

聖の青春 (角川文庫)

重い腎臓病を抱えつつ将棋界に入門、名人を目指し最高峰リーグ「A級」で奮闘のさなか生涯を終えた天才棋士村山聖。名人への夢に手をかけ、果たせず倒れた“怪童”の生涯を描く。

元「将棋世界」編集長の大崎善生さんによるノンフィクション。将棋ファンが99%すすめる本。

羽生善治と同世代、将来を渇望された村山聖という実在の棋士のお話。まずどれか一冊、と言われたらやっぱりこれをすすめたい……!将棋の世界に渦巻くいろんな感情があって好きです。電車で読んだら泣いちゃう。

去年映画になっていて、松山ケンイチさんが村山聖を、東出昌大さんが羽生善治先生を演じています。どっちもすごい。鬼気迫る。すっごくいい映画なのですが、お話の一部の要素にフォーカスしているものではあるので、ぜひ本も読んでほしい……。

聖の青春

聖の青春

将棋の子

将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る“トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。

同じく大崎善生さんの著作。私はこちらもかなり好き。

「聖の青春」はプロになった後、こちらはその前、そもそもスタートラインに立てるかどうか、選ばれる側の人間たちの話。奨励会(プロ養成機関。夢をつかむのは一握りだけ。つまりジャニーズJr.です)には全国でそれぞれの街でめっちゃ将棋が強い“神童”たちばかりなわけで、天才の中の天才だけが次のステージにいける。藤井四段が14歳でプロになった裏には「そうではない」たくさんの夢の屍がある、わけです。

泣き虫しょったんの奇跡 完全版 サラリーマンから将棋のプロへ

中学選抜選手権で優勝した男は、年齢制限のため26歳にしてプロ棋士の夢を断たれた。将棋と縁を切った彼は、いかにして絶望から這い上がり、将棋を再開したか。アマ名人戦優勝など活躍後、彼を支えた人たちと一緒に将棋界に起こした奇跡。生い立ちから決戦まで秘話満載。

ある意味で藤井四段と対極にあるような将棋人生を生きてきた瀬川晶司五段のこれまで。

奨励会には年齢制限があって、26歳までに四段(プロ)に上がれないと強制的に退会です。瀬川五段は一度夢破れたあと、実力と奇跡(詳しくは読んで!)の積み重ねで35歳でプロになる。将棋界でも異色の経歴だし、サラリーマン時代のことも書かれていて私たちに近い世界で読みやすい。

瀬川先生は本当に人格者で大好き……。私が将棋を学び始めてすぐ、初心者向けの教室に連れていっていただいて、その時生まれて初めて会って話して教わったプロの先生が瀬川先生でした(思い入れ)。

藤井四段の26連勝をかけて戦ったのが熱かったな~~。対局前のこのツイートだけで瀬川先生の人間としての徳の高さが伝わるよ。。

今回の藤井四段の連勝、後半になればなるほど対局相手にもフォーカスされていていいなぁって思った。みんなそれぞれね、ドラマがあるの。最年少棋士じゃなくても最多連勝記録じゃなくてもここまでの軌跡があるの。


こうなった以上はぜひ連勝の新記録を見てみたいと思います。負けた途端に応援団になるという(笑)。

またいつか彼と対戦したいと思いました。そのためには自分が勝たないとですね。頑張ります!!

透明の棋士

透明の棋士 (コーヒーと一冊)

透明の棋士 (コーヒーと一冊)

今の私にとって、 将棋以上に魂の震える対象はない―
将棋とは無縁の人生を歩んできた著者が出会った、ひとりの棋士。その出会いをきっかけにのめりこんだ将棋には、静かに燃える数々のドラマがあった。 羽生善治渡辺明森内俊之里見香奈...... 報知新聞社の熱き記者が描く、今までにない将棋の世界!

報知新聞の北野新太記者による取材で見聞きしたものをベースにした「いささか私的すぎる取材後記」。このタイトルでWebで連載していたものがまとまった本。

とにかくエモーショナルに、文学的にある瞬間をつづるので、将棋の持つドラマ性、瞬間の美学、一瞬の衝動がすごく伝わると思う。

書籍化にあたってだいぶ消されてしまったけど、まだサイト上でもいくつか読める。

藤井四段がプロ入りを決めた日のこと。

「将棋は自分の一部みたいな感じです」
 5年後、19歳の彼はどこにいるのだろう。
 期待という言葉は軽すぎる。
 私が抱いているのは、畏怖である。

第54回 生まれながらの|いささか私的すぎる取材後記|みんなのミシマガジン

木村一基八段についての「敗れざる者」もいい。多分、将棋知らないと用語がよくわからないはずだ。でも、なんとなく雰囲気で読み進めても十分だと思う(もちろん、調べるのが好きな人はひとつずつ用語を調べてもいいと思う)。わからないまま読んでいても、どこかでハッとする言葉にぶちあたると思う。そういう本。

摩訶不思議な棋士の脳

摩訶不思議な棋士の脳

摩訶不思議な棋士の脳

「対局室もちょっとのんびりした時とピリピリした時があるが、この日はピリピリしたほうの日で、風の音どころじゃなかったのである。そんな張りつめた対局室の空気も、次の攻撃の前には、ひとたまりもなかった。その攻撃とは、ギョーザ攻撃である」(本文より)

本書は、将棋を指すことで生計を立てる、プロ棋士という天才集団の知られざる生態を先崎九段がユーモアたっぷりに描くエッセイ集です。対局の現場を、何の変哲もない日常を、晴れのイベントを、先崎九段が12年にわたってつづった週刊文春の連載「先ちゃんの浮いたり沈んだり」から70編を厳選して収録しました。

漫画「3月のライオン」の監修としてお名前を知ってる人も多いかもしれないですね。先崎学九段。めちゃめちゃ文章がうまい。普通に読み物としておもしろい。

週刊文春」の連載から70編を収録してまして、それぞれ結構短めなのでさくさく読めます。先ちゃん(という愛称)のエッセイ集はたくさん出ているのだけど、新しくてKindleでも買いやすいのでこれを紹介してみた。昔のだったら図書館とかにもあるかも!

不屈の棋士

不屈の棋士 (講談社現代新書)

不屈の棋士 (講談社現代新書)

由緒ある誇り高き天才集団は、はたしてこのまま、将棋ソフトという新参者に屈してしまうのか。劣勢に立たされ、窮地に追い込まれた彼らはいま、何を考え、どう対処し、どんな未来を描いているのか。プロとしての覚悟と意地、将来の不安と葛藤……。現状に強い危機感を抱き、未来を真剣に模索する棋士たちの「実像」に迫った、渾身の証言集。

電王戦には個人的にとても思い入れがあるし、電王戦で将棋始めた、あるいは再開したという人もすごく多い気がします。人工知能絡みの本も何冊か出てるけどこれは新書で読みやすい。

去年はネガティブな意味でも「将棋ソフトと人間」が話題になることが多かったけど、棋士の先生たち自身がこれまでと異次元の葛藤を抱えながら、今この瞬間、時代の過渡期のこの一瞬に何を考えているのかが残されているのかがこの本。いろんな立場の人がいて、赤裸々。その入り乱れ感がいい。

将棋の戦法よりも考え方やスタンスのことなので、そんなに知らなくても読めると思う。この先生の姿勢好きだな、気になるな、みたいにパーソナリティに興味を持ってから観始めると興味持ちやすい気もする!!

電王戦関連はネット上でも素晴らしい論考が多くて本当に楽しい。ブクマした中からいくつか貼っときます。一番上のシノドスのものは2014年のものだけど、めっちゃくちゃ好きで、今も年に何度か読み返す。長いけど、専門用語もあるけど、ある時代の一瞬が切り取られていてすごく美しいです。好き。
synodos.jp
これだけ将棋界がネットを活用できているの、故米長邦雄会長、前谷川浩司会長の判断が大きいと思う。谷川先生がコンピュータについて語ってるのも好き。あと都市伝説みたいな羽生先生の話が好き。

「そういえば,プロ棋士の人が匿名でネット将棋を指しているんじゃないかって噂をよく聞きますけど,実際のところはどうなんですか」
「ああ。一時期,レーティングがもの凄く高い人がいて。勝率も9割以上の人がいたんですけど,あまりに強いもんだから,『あれはきっと羽生さんに違いない』とかは言われていましたね」「いやでも,真相は分からないんです。あくまでも噂でしたから」

www.4gamer.net
「これ、放っておくと投了しますよ」。なんてしびれるせりふ。その言葉を残して永瀬拓矢六段が凄まじい勝ち方をした電王戦FINAL第2局。藤井四段の次の対局相手佐々木勇気五段も出てくる。
news.nicovideo.jp
「総手数21手、各5時間の持ち時間ながら対局終了時間は開始から僅か49分後の10時49分という衝撃的な結末で終局を迎えることとなった」。予想外の幕切れで物議をかもした電王戦FINAL第5局。今読んでもぞくぞくする…。
news.nicovideo.jp
「今のプロ棋士で、コンピュータより人間――我々プロ棋士が強いと本気で思っている者は、ほとんどいない」って出だしからやられる。前述の先崎学九段。書き手としての力量を感じる。
news.nicovideo.jp
今年は佐藤天彦名人が叡王として将棋ソフトポナンザに挑んで、2局とも負けた。天彦先生の負け方は悔しそうで辛そうででも美しくて、それもドラマだった。これも先崎九段によるもの。
originalnews.nico

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

2017年4月1日――人工知能「ポナンザ」が現役の将棋名人に公式戦で初めて勝利した日を、その生みの親である著者は次のように振り返ります。
「この日は、コンピュータ将棋の世界にとって記念すべきものになりましたが、同時に改めて、人間と人工知能の違いを認識させられた日ともなりました。本書で紹介してきた人工知能(ポナンザ)の特徴と、世界に意味を見つけ物語を紡いで考えていく人間の思考法の限界が明確に表れたのです。」

佐藤名人と対局したポナンザの開発者が「で、結局、人工知能って何なの?」を解説する本。わかりやすいしおもしろい。将棋だけじゃなくて広く人工知能に興味ある人は読んだらおもしろいはず!もはや、なぜこのソフトは強いのか?を開発者は説明できないし、人間がわからない次元にいっている。

山本一成さんの以下の文章を読んでもっと知りたいと思ったらこの本は買いです。黒魔術、いい言葉~~。
www.nhk.or.jp

3月のライオン

その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は──やさしさ溢れるラブストーリー。

説明するまでもなく。現実の将棋界を知ってると、このエピソードや人物の元ネタはあれかな?なんてことも思える。

将棋の渡辺くん

将棋棋士は人類の代表! 将棋を指して生活している。懸命に勉強し、年に50局くらい戦い、勝てば笑い、負ければ自分のせい。勝ち負けだけに支配された世界。それはまるで人生の縮図だ。棋士は、どんな人たちなんだろう? 何を食べて、何時間寝ているんだろう? 勝負師でも無頼でもない、リアルな将棋棋士の毎日を棋士の妻が漫画にしました。ノンフィクションです!

渡辺明竜王の妻が描く棋士のリアル。楽しい。かわいい。変!!!(笑) 渡辺竜王はぬいぐるみマニアなのですがそのエピソードがガチでにやにやする。

漫画にも描きましたけど、結婚前に旦那が「犬を飼ってる」というので私はてっきり本当の犬の話だと思っていたら、彼はぬいぐるみの話をしていて。なんか話が合わないな…とは思っていたんですが。旦那の中では本物の犬とぬいぐるみの犬は同じなんですよ。最初はそんな感じでしたけど。

「愛犬」はぬいぐるみ!? 天才棋士の知られざる奇行三昧。妻が描きました。『将棋の渡辺くん』インタビュー【前編】 | ダ・ヴィンチニュース

藤井四段フィーバーでテレビでも取り上げられたらしい。

将棋めし

前代未聞、将棋×めしの異色マンガ! プロ棋士・峠なゆたが対局の休憩中に食べるメニューとは!? そして、それが将棋にどう影響するのか!? めしで勝敗が決まると言っても過言ではない!

藤井四段が何を食べたかも連日報道されていますが、棋士のごはんに関するエピソードはたくさんあるし、個性が出るのですごく楽しい!タイトル戦だと、午前中のおやつ、お昼ごはん、おやつ、夕食、と何度も注文タイムがあるし、中継ブログには写真があがるし、ネット中継ではアンケートもおこなわれます。一大コンテンツ。普通においしそうで食べたくなるごはん漫画。

深浦康市九段の「羽生先生、バニラジュースを飲む」の話が好きです。

将棋もすごい佳境で、でもアイス運ばれてて羽生さん手つけないんですよ。
途中から羽生さんのアイスクリームが気になってですね、いつ食べるんだろうって盤面みながら、
おやつの方みたりして、こっちにちょっと動揺が出てきたんですね。

10分、15分経つごとにアイスクリームが溶け始めてるんですね、対局室も結構暑いですから。
んでドンドンドンドン溶けだして、僕はもう気が気じゃなくて、「アイスクリーム溶けてますよ」って
言いたくなるくらいだったんですけど。

そのうち完全に溶けちゃって、もう液状化されてバニラジュースみたいになってんですよ。

でも羽生さんは全然意に介さなくて、「ああこれはもう将棋に没頭してるんだな」と僕も考えるの諦めて
将棋のこと考え始めたんですけど、30分くらい経った後ですかね?やおらに羽生さんがその器を持って、
バニラジュースをズズズッと飲み始めましたね。

あれを見て「今日の将棋はダメだな、負けそうだな」と思いましたね。

2ch名人 : 羽生善治の集中力

或るアホウの一生

或るアホウの一生 1 (ビッグコミックス)

或るアホウの一生 1 (ビッグコミックス)

「ふざけてません、本気です」----まっすぐといえばまっすぐ、バカといえばそうかもしれない瞬(17歳)。イケメン坊ちゃんの夏目(17歳)と言い合ったり、辛辣最年長・迫(23歳)にイジられたり、一見温和な牧野(23歳)にフォローされたしつつ、ひたすら「勝ちたい」と思う毎日。アホで間抜けでど真剣、将棋野郎成長群像劇!好きか嫌いかと聞かれたら嫌いでないと答えるけれども、なりたいかと問われれば間違いなくすんごくなりたいと言ってしまうけども、「なんでなりたいか?」と聞かれたら理由はよくわからないから考えながら暴れまわる。強いって、なんだ!?

奨励会から始まる棋士の話。「東京心中」のトウテムポールさんが将棋漫画描いてるよ、と言ったら刺さる人がいるかなと……。

将棋って負けた側が「負けました」って言わなきゃ終わらない世界でそれがすごいなって思う。最後まで全力でやりきりながらどこかで冷静に自分の状況を把握して、敗北を自覚して、しかも目の前の人に向かって言葉にしなきゃいけない。スポーツ的な勝ち負けなんだけど、結果は白黒つくんだけど、そこに至るまでの美学がある。


軽く書こうと思ったら思ったより長くなってしまった!私に将棋を教えてくれた師匠に何か他にありますか?と聞いたらあげてくれた本も紹介しておきます。どっちもおもしろそうなのでこれから読む。

将棋指し57人の日常

将棋指し57人の日常


将棋のルールわからなくても、知識ないからな~って人も、将棋ファンには誰でもなれる!まずはネット中継を見るだけで雰囲気伝わると思います。ミーハーな将棋ファンになる方法も書きたい。。

藤井四段29連勝にあたっての羽生先生のコメントがあまりにかっっこよくてシビれた。

29連勝は歴史的な快挙です。結果も素晴らしいですが内容も伴っていいる点でも凄みがあります。この記録は時が経つにつれ重みを増して来るはずですし、将棋界の新しい時代の到来を象徴する出来事になりました。檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています。

「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」……かっこいいよーー!!!タイトル戦で会いましょう、って意味。「てっぺんで待ってるからここまで上がってこい」。かっこよすぎる。漫画かな?

これまで28連勝記録を持っていた神谷広志八段の「凡人がほぼ運だけで作った記録を天才が実力で抜いたというのは将棋界にとってとてもいいことだと思います」もすごくいい。凡人はプロの将棋指しになって八段になって28連勝できません。天才同士の戯れ。

藤井四段の次の対局は7月2日、対佐々木勇気五段です。

佐々木五段はスイス・ジュネーヴ生まれ、埼玉育ちってプロフィールがまず最高だけど、かっこよくて天然で愛されまくるキャラで推せるポイントしかない!!!好き!!


追記



佐々木勇気五段は最高です(ダイレクトマーケティング)。


他にもおすすめの本あったら教えてください。私が読みたい!

「ラ・ラ・ランド」超好き、最高に美しいハッピーエンドだと思った

「ラ・ラ・ランド」、いろんな感想が飛び交ってるけど、私はすごく好きだった。めちゃよかった。完璧に幸福なハッピーエンドに見えた。誰がなんと言おうと好き!

これから書くのは、批評でも分析でもない、ただの感想です。

www.youtube.com

楽しみにしてた一番の理由は、違う映画を観た時に目にした予告編の音楽が最高にハッピーだったからだ。それまでタイトルのイメージで勝手にボリウッド映画だと思っていた……(めっちゃインドみある響きじゃない!?)。なので映画館行く前からサントラ聞きまくって、この音楽が聞けるなら内容が微妙でも全然いい!すでに好き!と思ってた。

…って予防線はるくらい、正直、かなり身構えていった。公開初日から周囲では賛否両論だったし、もっと前から英語メディアでもくさすようなレビューがいくつも出てたし、自分が一体どう感じるか全然想像つかなかった。超好き、になるのか、悪態つくことになるのか。ドキドキ。

もしまだ観てない人がいたら、と思って先に書いておくけど、先にサントラ聞いてから行くの、個人的にはかなりおすすめです。自分が好きな曲がきたら「きたあああ!!!!」ってテンションあがるし、えっ、この曲こういうシーンで使うの?って思える箇所もあっておもしろい。映画観たあとで聞くと映像も思い浮かぶので2度おいしい。

あと、音楽がピンとこない人は多分映画もそんなに……だと思う。私はとても好きだったけど、確かに万人に超すすめられるかっていうとそんなこともないので、この曲が鳴るなら観たい!と思えたら行ったらいいと思う。

Ost: La La Land

Ost: La La Land

ラ・ラ・ランド (コンプリート・ミュージカル・エクスペリエンス)

ラ・ラ・ランド (コンプリート・ミュージカル・エクスペリエンス)

観る前なら普通のサントラ、観た後は曲数が段違いに多いコンプリート版がおすすめ。さらに別バージョン、スコア版もアレンジ違って楽しい。全部Apple Musicにもあるよ!


以下、超ネタバレです。

みんな言ってるけど、まずOPの数分が最高すぎてそれだけで満足した。「Another Day of Sun」、サントラで聞いても最初の数音だけで好き!!!ってなる高揚感を裏切らない。

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渋滞した高速道路が一瞬で物語の舞台に変わる、ひとつのカメラが人と車のあいだを縦横無尽に走り回る、華やかな曲に合わせて視界がカラフルになって音と色が洪水みたいに流れ込んでくる。最高。好き。トラックの荷台が開いて楽器隊があらわれて、人が集まってダンスするところがなんだかよくわからないけどとにかくめちゃくちゃ好きで泣いちゃう。

軽やかに音楽が終わって、タイトル「LA LA LAND」がスクリーンにドン!と出た瞬間に立って拍手したくなったけど映画館だってことを思い出して我慢した。スタオベだよ。2回目を観て気付いたけど、この歌詞はふんわりとこれから起きることを予感させてるんだな。あなたは私を、いつか映画館のスクリーンで観るでしょう、あの頃を思い出しながら。


OPもそうだけど、この映画を貫くテーマは「退屈」だと思った。生きるの、基本的に退屈なんだよ。その退屈さを少しでも軽減するための燃料を「夢」というのであった。

なので「夢追う2人のキラキラミュージカル!」みたいな言い方も微妙だと思う。夢なんてあってもなくても生きていかなきゃいけねーーんだよ!!って気持ちになったけどな。

人間を変えたり前に進ませたりするのは、夢とか恋とか曖昧模糊としたものじゃなくて、明確に「他者」だと思った。自分ではない異質な存在と関わること。

結局最初から最後まで2人は「1人ずつ」でしかなくて、根本的に見てる世界が違うところが虚しくてよかった。相手と自分を同化させないところが好きだった。ラストシーンの解釈はもう少しあとにするとして、彼らは「2人で手を取り合ってお互いの夢を叶えていこうね」「あなたの夢は私の夢よ」なんて出会った頃から思ってなかったんじゃないかと思う。

ミアもセブも多分傍から見たら「そんなところにこだわらなければいいのに」ってところで突っぱねる。話が合わない脚本家に愛想振りまいたり、店のBGMに徹して言われたとおりの曲を弾いたり、「みんなと同じように」してればいいのに、何かが邪魔してできない。そういうところで「同志」であって、お互いの才能に惚れ込んでるわけじゃないのだ。ミアの演技をセブは見ていないし、ミアはセブのジャズへの執着を「自分の店を持ちたいんでしょ?」というゴールでしか捉えてない。


ミアが、セブが加入したバンドのライブに行くシーン、すごくよかったなあ。残酷で。オセロの白と黒がひっくり返るようで。「Start a Fire」めちゃくちゃいい曲じゃないですか?超かっこいい。このかっこいい曲を聞きながら青ざめていく、固まっていく、冷えていくミアの表情。どうして彼女が拒否反応を見せるのかよくわからなかったんだけど、このあとの口論でわかる。

「ああいう音楽、あなたは好きなの?」「君は好きか?」「ええ好きよ、でもあなたは……」

ああ、応援とエゴは紙一重だ。あなたにはこうであってほしい、という気持ちは。ミアに悪気なんて全然ない。人は他人に簡単に夢を託してしまう。あなたの夢はこうだったでしょ?って決めつけてしまう。

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ラストシーン、私は最高に美しいハッピーエンドだと思った。感傷じゃなくて決別だと思った。美化された思い出でも、得られなかった未来への未練でもなくて、もっと動物的に、血と肉になった過去への憧憬だと思った。恋は終わっても、結婚を選ばなくても、その感情は愛だよ。

終盤、オーディションを終えたミアとセブが昼間の天文台を見上げてポツポツと話すところで、(パリに行くなら)「僕には何もできない」と言い切るのが好き。そのあと、「愛してるよ」「ずっと愛してるわ」って会話を交わすのがもっと好き。あなたの夢を叶えるのは私じゃない。2人でいることが目的じゃないんだから、最後は自分で引き受けなくてはいけない。

セブはずっとミアのことを何度も何度も無責任に励まし続ける。一人芝居に臨む彼女に「君なら書けるさ」「天才だ!」って笑いかける、頼りないヒントを頼りにはるばる車を飛ばして田舎に帰ってしまった彼女を探し当てて「諦めるな」「チャンスをつかめ」って諭しに行く。

その無責任さを白々しく思う人もいるだろうけど、結局、才能の世界って純粋な優劣の差ってわずかで、運を引き寄せられるか、自分を信じていられるかだよね。自分より自分のことを信じてくれる人が側にいるのってどんなに心強いことだろう。

2人は恋人だったけど、それ以上に最初から最後までずっと「戦友」だったと思う。むしろ「5年後」も。このクソ退屈な世界で戦う人たち。性愛よりも情愛に近いような(思えば明確なベッドシーンが一度もない)。

期せずして再会した2人が最後に見つめ合って頷くシーンですごく思った。ミアもセブも夢をつかんだように描かれているけど、夢が日常になった今、それはそれでまた新しい退屈に立ち向かっていかないといけない。

家族でも恋人でも友人でもなんでも、とにかく人生で出会った人の感情や思考って自分の中に混ざりあって影響しているわけで、過去からは絶対に逃れられない。それってすごくない?いままで経験してきたことすべてが交差する唯一の点が自分だってすごい。


なんていうか、過去の恋人も絶交した友人も、マジでみんな幸せでいてくれって映画館を出て思った。お願いだ。幸せでいてくれなきゃ殺す(言い過ぎ)。

夢を叶えたかなんてどうでもいい。私は最初からなかったし。なりたいものもやりたいことも昔も今もずっとない。でも、とにかく毎日それなりに楽しく生きてるし、みんなもそうであってほしい。この世のどこかでなんとかうまいこと退屈をやり過ごしててほしい。

それは愛だよ。もはや恋でも友情でもなくても、愛ではある。

バケツを引っくり返したような2016年の話

もう2017年1月が終わってしまった。早い。1年の12分の1じゃん。ヤバいな。

いまさら2016年を振り返っている場合なのか?と思わなくもないのだけど毎年ゆるゆると書いていて、なんだかんだ1年後の自分にとってはわりとおもしろいので今年も書く。

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2016年は、激動だった。

自分でもよくわからないスイッチが入ってしまって、オセロが白から黒にパタパタ変わっていくみたいに一気にかたをつけていった。バケツを引っくり返して全部空にして、石鹸をつけたスポンジでごしごしこすってから日に干して、もう1回蛇口をひねって水をためはじめるみたいな1年だった。引っ越しして転職して恋人ができた。

例年通り、だいたいいつも幸せだった。幸せでいるために必要なのは自分が幸せになれるトリガーを把握しておくことなので、それがわかってしまえばずっと幸せでいられます。ライフハックね。



いざ振り返ればいろいろあったような気もする。最愛の永尾まりやさんがAKB48を卒業したのも去年だった。

あまりに思いが強まってしまって当時はまとまった文章を書けなかったけど(後悔している)(大事な感情はなんとかして書いておかないとダメだ)卒業コンサートをまさかやることになるとは思わなくてそれだけで夢みたいだったし、そのコンサートが、3時間が、本当によくて成仏した。魂のステージが上がった。だんだん怪しい言動になってきた。

「どこにいても私を見つけてくれて、何百人もいる女の子の中から私を選んでくれてありがとう」。東京ドームのステージに100人以上の女の子がズラッと並んでいても、ファンは自分の好きな子が光ってるみたいにわかるんですよ。本当に。

こんなに浮かばれる言葉ってあるでしょうか。この瞬間のために自分はAKBを好きになったんだなってその時思った。今あの情景思い出すだけで泣きそうだ。ああ、よかった。最後に美しい言葉を紡げる永尾さんも好きだし、永尾さんを好きになった過去のわたしは偉い。

島崎遥香さんからの手紙もすごくよかった。「こんなの柄じゃない」「もうやりません」「会場のみなさんじゃなくてまりやだけのために読みます」って、客席に少しも目もくれずに読んだ。ぱるちゃんはそういう仁義のひとなんだ。テレビで「塩対応」を見ているとわからないけれど。

わたしがAKBを好きになってよかったと思うのは「自分の好きなものを無条件に嫌う、叩く、貶めてくる人がいる」状況を知ったことだ。結構キツい。平気で暴言を浴びさせられる。失笑される。支持する人がこの世に存在することを根本的に想定していない物言いをする。

ので、ずっと突きつけられる。わたしは誰かが「ありえない」と嘲笑うものにどうしてこんなに心揺さぶられてるのか、ずっとずっと考えて言葉を探す。別にわかってほしいとかじゃない。嫌いな人はそれはそれでいい。もちろん悪意を向けられるのは嫌だしよくないと思うけど、もうひとつ前の段階として、好みはあって当然だ。選んだのだから、誠意を尽くさなきゃって思う。自分の気持ちにも彼女たちの人生の一部にも。

かくして、1月22日にわたしのアイドルオタクとしての第1章は幕を閉じた。頭の中でエンドロールが流れた。正確には永尾さんの卒業日はもう少し後なのだが、わたしの中ではこの日に区切りがついた。これは結構大事な日だった。


もうひとつ、その意味で大きな事件があった。山本彩さんと一緒にNMB48をひっぱってきた渡辺美優紀さんの卒業。

このひとは、本当に、めちゃくちゃに、賢い人だった。最後の瞬間まで何度も何度も見せつけられた。凄さを。今言うことではないけれど、美しい卒業だったのだけど、それでもわたしはみるきーさんに天下をとってほしかった。彼女が本当にすごいアイドルだってことをもっともっとたくさんの人に知らしめたかった。

みるきーさんがすごかったのは、誰もが卒業をうっすら予期していて、むしろ匂わせるようなことを積極的にしていて、それでもなお心をガンガンに揺さぶってきたことだ。わかってたよ~、なんて余裕は砕け散った。

それはひとえに言葉の力だった。最後に残した言葉だけで、みるきーさんの才能がわかる。アイドルの天才だってことがわかる。


当時、みるきーさんの言葉に触発された人たちが熱にうなされたように感情を吐露し始めて熱かった。多分、アイドルって、人をポエマーにする仕事なんだよね。誰かの言葉を感情を引き出すためのトリガー。その点でも渡辺美優紀さんは悪魔のように才能がありました。

同時期、ふまけんも大変だった。まとめ…というほどでもないツイート集を作ってたけど読み返すとこのころの混乱を思い出す。わたしはシンメという概念の何にそんなに心揺さぶられているのか…って話も続きをもう少し書きたいのですが書けてない。
4月21日はさやみるの日、4月29日はふまけんの日 - ときめきマシンガン


舞台で今年一番よかったのは、やっぱり「キンキー・ブーツ」だなぁ。迷わず選べる。本当に幸せだった。ぼろぼろ泣いた。1回目観た後にあまりにヤバすぎて語彙を失ったし、1人で劇場に来たことがもどかしかった。ねえ!!すごかったねえ!!ってロビーで誰かを捕まえて話したいくらいだった。


海外のミュージカルを日本人キャストでやると文化の違いや実感の違いでリアリティを持って感じられない表現ってあるけど(人種の問題とか特に)、キンキー・ブーツの日本版は、悩みや葛藤を自分たちのものにしていてすごくよかった。上手く言えないけど。自分ごとにしていた。


三浦春馬さんのローラがマジで素晴らしかった。ドラァグクイーンは、女性になりたい男でも、男性性を捨てたい男でもないんだよね。それがきちんと体現されていて超超よかった。かっこよくて強くて美しくて気高い。

「1789」もよかったなあ。宝塚版がすごくすごく好きで東宝版も超好きだった。考えてみると私は小池徹平さんの出ているミュージカルを全部観ている。マネージャーさんと趣味があうんだと思う笑 2017年は2年前に熱狂したデスノートの再演があるので楽しみです。それまで死ねない。そう、「それまで死ねない」を日々積み重ねて生きていこうね。


小説は、ピアノに関する大傑作が2冊も読めてすごい年だった。本屋大賞の宮下奈都「鋼と羊の森」、直木賞恩田陸「蜜蜂と遠雷」(よく考えたら、考えなくても、こっちは賞とったのは2017年になってからですね…Kindleで買ったのは去年だから大目に見て)。

羊と鋼の森

羊と鋼の森

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

どちらも平たく言ってしまえば音楽と才能の話なんだけどアプローチが全然違う。でも仰ぎ見ているものは同じような、不思議な感じがする。

才能の有無にかかわらず執着してしまう、手放せないものってあって、そこまでいくともう業のようなものなんだろう。神に選ばれているから逃げても逃げられない人も、神に選ばれていないことがわかっててそれでも離れられない人もいる。

目印を探して歩いていけるということは、僕も神様を知っているということだ。見たことはない。どこにいるかもわからない。だけど、きっといるのだ、だから美しいものがわかるのだ。(「羊と鋼の森」)

もうすぐだ。もうすぐ、私たちはとてつもなく開けた場所に出る。

もはや後戻りはできない。昨日までの自分はもういない。

これまでとは比べ物にならないくらいの困難が待ち受けていることだろう。しかし、これまでとは比べ物にならないくらいの歓喜もまた、どこかで私たちを待っていてくれるはずなのだ。(「蜜蜂と遠雷」)

宮下奈都さんはこれもいいけど過去作の「スコーレNo.4」がとてつもなくいい。こういう文章を書けるようになりたいって思う。到底届かないけど。

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレNo.4 (光文社文庫)


ヨーロッパに2週間、九州に1週間行けて、この夏は正しくバカンスした。楽しかったなあ。幸せだった。プラハが超よかったのでまた行きたい。

mogmog.hateblo.jp


帰国後は毎日涼しい部屋でオリンピックを見まくったり、ぶらぶらと美術館を渡り歩いたり、長い長い夏休みを謳歌したあとに観念して(語弊)転職した。これまでも記者でしたが、またこれからも記者です。ものを書きます。この仕事は本当に毎日楽しくて面白くてハッピーハッピーです。仕事の話はまたあらためてしたためるかも。どうかな。言うだけならタダだね。書く書く詐欺。

今年はちまちまとやりたいことがあるのと、公私混同(いい意味ね!!)していきたいので、自分が好きなものやジャンルの取材仕事をしたいな。アイドルでも舞台でも本でも漫画でも映画でも、何かご一緒できそうなことがあれば個人の連絡先にでもご一報ください。


頑張れ、って言うのはプレッシャーになるからよした方がいいよ、って言説があって、まぁ意味はわからなくはないんだけど、わたしは自分で自分のためにこの言葉を唱えるのが好きだ。

なぜなら、それは心の持ちよう、精神の方向の話だと思うからです。とりあえず前を向きましょうね、そこからどうするかはわからないけどまず手始めにそこからね、って意味だと思っているからです。

今年も頑張ろう、頑張るぞ、頑張りましょう。

【お知らせ】冬コミ3日目に「浪費」がテーマの同人誌「悪友」を出すよ!&浪費事情アンケートまとめ

きっかけは、下世話な興味でした。

私の周りの愉快な友人たち、あるいはTwitterで見かけている淑女のみなさんたちは多趣味な人が多くて、毎日楽しく飲み食い食べ遊び買い漁り泣き笑い、舞台やコンサートのチケットを集め、西へ東へ遠征し、ツヤツヤ輝く玉のようなJPGを得るべくゲームに課金し……えー、まあ、とにかく精力的に経済を回している人が多くて、みんなどうやってお財布と折り合いを…?と常々思っていたのでした。ので、聞いてみたくなった。ネットでは聞けないことを、こっそりどこかで。

というわけで、冬コミ3日目、12月31日の大晦日に出します、同人誌「悪友」。

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最高の表紙は@kamochicさんです!わーい!

テーマは「浪費」。インターネットで言えない話、ということで、普段いろんなジャンルを追っかけている匿名女性14人の寄稿で、普段は見ることのないお隣さんの懐事情をこっそり覗こう……という本です。

今回はサークルスペースではなく委託、東T−03b「アメドクスキャンダル」さんで頒布していただきます。

事後通販も予定しているので年の瀬に東京ビッグサイトなんていけないよ!という方はどうぞご利用下さい。こちらは追って告知します。一番早いのは多分Twitterです。

目次はこんな感じ。もらった原稿読みながらずっとにやにやしてたし、なんなら最終校正の時も笑えて泣けた。みんな苦虫を噛み潰しながら幸せそうでいい。


アンケートしたら1400人から回答が集まったよ

収録する1コーナーとして、事前にTwitterでアンケートを実施した結果も収録しています。

浪費家のみなさんのリアルな数字をいっぱい知りたい、と思ってふわっと調査したのですが、なんと1439(!)人もの、日々趣味や娯楽にお金を投じているみなさんにご回答いただきました。

誌面じゃ足りないよ―、ということでブログでまとめますと事前に決めていたので、ギリギリですがこのタイミングで。具体的な浪費エピソードも後半でいろいろ紹介します。直接の友人には逆にしにくいかもしれない話、たくさんいただきました。

Q1.年代を教えてください。

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回答者の年齢は下は14歳から上は52歳まで、平均すると26.5歳となりました。分布で見ても「主にアラサー」と言って差し支えないかなと思います。

Q2.居住地域を教えてください。

47都道府県のすべてから1名以上回答がありました。名実ともに全国のみなさんのご協力。

圧倒的に多いのはやはり東京(339)。トップ10は、神奈川(164)、埼玉(118)、大阪(94)、千葉(92)、愛知(55)、福岡(50)、兵庫(46)、北海道(39)、茨城(33)となりました。単純な都道府県別人口と大きくは変わらないですが、強いて言えば、実際の分布よりも大阪・愛知に比べ、東京圏に近い埼玉・千葉の多さが若干目立ちます。

Q3.居住形態を教えてください。

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やっぱりお金や時間の使い方を考える上で実家かどうかっていろんな意味ででかいんじゃ…?という仮説より。

こちらのミスで途中追加した設問なので有効回答数がちょっと少なかったのですが、私が見ていた限り比率は大きくぶれずに回答期間中ずっとこんな割合でした。

実家暮らしが半分超えてるのは、体感的な印象よりも多く感じました。お金を捻出すべく実家暮らしを選択しているのか、実家に暮らしてるから楽しく浪費に費やせるのか。ニワトリか卵か難しいね……?もちろん、人によって理由はいろいろだろうし、一人暮らししてからの方が監視の目が薄くなって金遣い荒くなった!という人もいると思います。

Q4.今一番愛とお金を注いでいる対象はなんですか。

個人のアカウントを起点にアンケートしたので当然回答者の属性に隔たりが出ています。のでそれをなんとなくわかっていただければ。

5票以上の回答があったジャンルを多い順にまとめたのがこちら。ある程度選択肢は用意したのですが自由回答でもいろいろいただいて、見ているだけでも「なるほど…!」と発見が多くておもしろかったです。

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しかし圧倒的なジャニーズ!!!自分が男女アイドル界隈を中心に見てるので、Twitterでもジャニヲタのフォロワーは多い気がするし、母数も大きくて拡散力も高いのも感じるので(はてなブログでもよく話題になるよね)納得できる……気もするけど2倍以上票差があるのはすごい。

他に少数回答だと、フィギュアスケート、お笑い、ボルタリング、乗馬、歌舞伎、海外ドラマ・俳優、歌い手、文具、ガジェット、なんかがありました。単にこの企画ではリーチできていないだけで、各ジャンル広い世界がその先にあるわけで、ひとつずつ詳しくレクチャーを聞きたいくらいです。

Q5.毎月の手取りはいくらですか?

いよいよ、お金の話にいきます。

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手取り額、一番多いのは10~20万(43.5%)でした。分布も含め、わりとリアルな数字です。

Q6.貯金額はいくらですか?

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で、貯金額。堂々最も多いのは「10万円以下」(35.1%)。

……これ、私の設問設計ミスで、どう考えても「ゼロ円(貯金なし)」を設けるべきでした。0万円と10万円じゃ、そもそもする気があるかどうかからして全然違うわ。すみません。

いかんせん、全然貯めてないよ~って人が予想以上にいました。3割超。続いて、10~50万(19.9%)、50~100万(12.4%)、100~200万(11.6%)。グラフだとわかりにくいですが(あとで差し替えるかも)シンプルに少ない順に、割合が高いです。1000万円以上貯めている強者も3%いました。

Q7.毎月いくら程度を娯楽や趣味に使っていますか?

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気持ちがいいくらい割れた! 3~5万円(32.1%)が一番多いけど、もう少し多かったり少なかったりする層とも僅差です。

10~20万使ってるよって人が7.2%もいて、すごい!ってなったんですが、例えば地方に住んでいると東京や大阪に出るだけで数万円単位でかかるもんね。いろいろ全部積み上げていったらそれくらいなるよね。内訳はこれではわかりませんが。

Q8.趣味に投じるお金を捻出するために節約するのは……。

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これもきれいに分かれておもしろかった。食費(26.9%)が多いけど、美容代(19.8%)、交際費(17.3%)もそんなに変わらないですね。いろいろなものを削って、幸せのために。

Q9.浪費、やめたいですか?

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「やめたい」が4割近くいて、葛藤が見える。

Q10.あと何年この生活を続けたい、あるいは続けられるでしょうか?

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「正直もう無理」の人が6.9%もいる……! 胸が苦しくなります。いろいろギリギリなんでしょうか。

「3年以内に変えたい」「5年以内になんとかしたい」もわりと多いですが、そう思いながら何年も経つオチは容易に想像できます。


ここまで見てくると、そもそも「浪費」って何?という気になってきます。実際、自由回答でも「趣味に費やすお金を浪費だとは思ってません」というご意見もいっぱいいただきました。まあ、よくわからないですよね。

でも、その言葉を使ったのは、わざとです。

他人から見たら理解できなくても、意味わかんなくても、適正な対価だと思えることはあるわけだし、むしろ無駄だとわかっているからこそ美しくて気持ちがいいことすらあるかもしれない。

……という話を、つまり浪費を糾弾したりマイナスに捉えるだけじゃない話をしたいと思って、いつもは聞けない赤裸々な裏側を覗く興味も満たされて、なんかちょっと元気も出る楽しい本を作りたいと思ったのでした。

あらためてお知らせです。
「悪友 vol.1」、テーマは「浪費」。
C91 3日目(12月31日)東T−03b「アメドクスキャンダル」で委託販売します。

よろしくね!!

【追記】通販スタートしました

浪費家の皆さんの声

ここからはおまけ、具体的な浪費エピソードをジャンル別に抜粋します(本誌未収録)。

いやーアツい。アツすぎるよ。本の中ではここで紹介していないものも含めていくつかピックアップし、最近のオタクの金遣い事情を編集部員が我が身も省みながら、座談会形式であれこれしゃべっています。ほんとにインターネットに載せにくかったものは本誌だけに載せてるよ!!

以下、ものすごく長いのでお気をつけ下さい。

※回答内容には一部こちらで内容や表記の修正、フェイクを加えています。公開されたくないものがある場合は(haruna0526+gmail.com)までご連絡ください。

ジャニーズ
  • 今年のキスマイのツアー関係(アルバム、グッズ含む)に遠征合わせて20万近く使った。勢いとノリで東京四日間全通したのは反省してるけど最高の夏だった
  • 約25万。滝沢歌舞伎のシンガポール遠征での旅費や準備段階のネイル、洋服などのトータルでの金額。
  • 5〜60万くらい。北海道からツアー全通。東京にウィークリーマンションを借り、そこを拠点に遠征したので。
  • 自担誕生日クリエに20万が最近の一番大きな出費です。現在はJr.担ですが過去のデビュー組も変わらず好きで、KAT-TUN台湾・嵐ハワイ・歌舞伎シンガポールなど海外遠征はよく行ってます。母が海外旅行好きなので、上手く乗せて一緒に行きます。
  • 自分の応援していたジャニーズJr.がデビューすることになり、お祝いじゃー!とデビューシングルを全部で50枚弱買ったこと。
  • 素晴らしかった現場のあと、余韻のなか、この記憶をものに残したくてプラチナ×ダイヤのネックレスを購入しました。20万オーバー。
  • ジャニーズ特有の先振り込み(筆者注:事前にチケット代を振り込んだ上で抽選し、外れた分が返金される仕組み)で、舞台全通のために3ケタ振り込んだ(そして無事に全通しました)
  • 自担の視界に入らなくては意味がない!と言ってジャニワ期間相当な公演数前列で入っていました、たぶん80万くらい使ってた。
  • 嵐の最後の国立コンサートにどうしても行きたくて(落選してしまった)某チケット掲示板に定価以上で購入してしまった。1枚13万円。
  • コンサートほぼ全通で100万。なお、東京で行われたコンサートで、100万は全額チケ代。悪いこととは思いつつ、チケがまったく取れなかったので、ダフ屋で一枚8万前後で買いました。
  • 滝沢歌舞伎inシンガポールに有休使わず金曜夜発、土曜観劇、日曜夕方戻りで行ってきたこと。
  • どうしても行きたかったコンサートのチケットを、月七万円の稼ぎなのに七万円で購入してしまった。色々な意味で本当に反省しています。
  • 帝国劇場で行われている同じ演目を18回観劇しました。最前(15万円)含め全てのチケット代併せて約80万円使ったのは反省しています。
  • とある舞台の千穐楽を26万円で買ったこと(チケ流で、それでもいちばん安かった)。当時学生でカードの限度額も20万円だったので、現金をかき集めてコンビニ支払いしました。レジで1万円札を26枚差し出したときは手が震えました。怪我をした担当が最後の青山劇場に立つ姿を見ることが出来たので、悔いはありませんでした。
  • ある年のツアー、全通ではないけれど、東京、大阪、仙台、名古屋、広島と参加したこと。親友の結婚式よりツアー初日を取ったら、自担からも結婚発表&入籍報告されて、その後自棄になって何故か回数を増やしたり、ホテルや食事のレベルを上げたりして、かなり散財しました。色んな意味で印象深いです。
  • 関西ジャニーズJr.のクリスマスのコンサート最前列のチケット15万円。直前に彼氏に振られ、12/24に揺るぎなく幸せになりたくて使いました。昼公演と夜公演があったので昼公演は9万で2列を買いました。これでも相場が安い時でよかったです。
2.5次元舞台、若手俳優
  • テニミュ1公演ほぼ全通(50万くらい)
  • テニミュ3rdルドルフに使ったお金は交通費宿泊費込みで50万くらい
  • 推し俳優の舞台には全通ではないものの何回か行くので公演ごとに10万くらいは使います。あと写真集を18冊買いました。6万円くらいです。
  • 10万円。舞台弱虫ペダルIH1日目×8公演+地方遠征費。初の地方遠征だったのと同作品の鑑賞回数としてはいまだに自分の中で最高回数。
  • 某2.5作品代表格の推しの卒業公演に通える限り通うために可能な限りチケットを抑え初回の入金作業(最速先行当選分)でコンビニで15万支払った。
  • とあるホストの舞台でダメだとは思いつつ通路席のチケットをチケットサイトにて8万で落札した事
  • 北海道でのイベントのあとどうしても観たくなった九州の舞台に日帰りで行った。交通費五万+チケット代。
  • フリーター時代にテニミュドリライ全通して、交通費諸々込みで13万ぐらい(そのときの月の収入超えました)、もしくはプレミアのついた同人誌がどうしても欲しくて中古同人誌ショップで1冊8000円で買ったこと。
  • 約3ヶ月のロング公演で自分が座る席は最前しか認めない時期があり、その時は1ヶ月100万以上貯金がなくなってました
  • テニミュに嵌まり込み近場の大阪公演だけでは飽き足らず遠征に遠征を重ねて1年間で200万円あった貯金を使い潰したのは悪夢の様な思い出です。幸せはお金でしか買えないなぁと我が趣味ながら痛感しました。
宝塚、舞台
  • 宝塚で同じ公演を40回観た。40×8500円(当時)=340000円+遠征費で計50万ほど。
  • レ- ミゼラブル(東宝S席観劇10日で7回)
  • 20万円。ミュージカル「エリザベート」(博多座宝塚大劇場)今年が日本初演 20周年で、8月にどちらも公演していて1ヶ月間で同じ演目の観劇にこれだけ出費したのは初めてでした。
  • ロシアのバレエ公演SS席5万×4
  • 30万×2:本場のミュージカルに憧れ、NYブロードウェイで観劇を1年に2回敢行
  • 40万。ご贔屓(筆者注:宝塚で応援する生徒を指す言葉。ジャニーズでいう自担、アイドル用語でいう推しの意味)のサヨナラでムラと東宝のチケット代(ファンクラブチケット)なので、ヤフオクとかチケ流とか合わせるともっとかも。
  • 金額的にはたいしたことないのですが、最近ではご贔屓のカレンダーに数万円分申し込んだけど、そんな大量に届いても困るので送付は1セットで良いです、と申し出たのか最高に無駄遣いだと思います
  • 50〜60万くらい?ご贔屓の退団のために美容、お茶会のための服にもお金をかけました。宝塚〜東京間を行ったり来たりする生活で体力的にはキツイところもありましたが、最高に綺麗な私で最高に綺麗なあの人をお見送りできてよかった。
漫画(同人誌)
  • 同人誌アンソロ作成40万。
  • 12万円。海外在住時、どうしても国内の同人誌即売会に参加したくて帰国予定を延ばした。復路のエアチケットを無駄にしてしまったため、往復便+国内での数泊分の宿泊費+延長した帰国便+即売会で使用したお金+アフター等交際費。
  • 5年程前にはまった作品で根っからの腐女子でしたので同人即売会がある度に10万は当たり前のように出費してました。それプラス大阪へ向かうなどの遠征費。
  • 中1の時に薄い本を初参戦の冬コミで101冊購入して、薄い本に肩が殺されかける初体験をしました。金額はおおよそ7万あたり。
ゲーム
  • 12万円。シンデレラな月末ガチャ、でませんでした
  • ソシャゲ推しイベント課金で5万、同じ月に推しガチャが来て2万その翌月月初にまた推しイベが来て5万、そして予約が始まるグッズ達に2万とソシャゲの推しキャラの為に諭吉が消えていく……。
  • あんさんぶるスターズにハマり、ひと月で課金額が7万5千円。もしかしたら社会人にとってはたいした金額ではないかもしれませんが、一人暮らし学生にとってはでかすぎます。がもうやめられません…
  • ガチャ100連(約2万5000円)ぐらいなら何のためらいもなくしてしまいます。それを毎月するのが当たり前になってしまいました。
  • あんスタの朔間零が欲しくてガチャを引き続けた結果、160連+α(およそ4万)ドブらせました。
  • 無課金のライトユーザーだったのですが、ソシャゲの期間限定カードがどうしてもほしく、2万円分の課金をしたときに「これはもう引き返せないな…」と思ったのが印象深いです。
  • V6のソシャゲに一月で15,000円
  • 91万。sideMで前作から大好きで共に生きる覚悟で推してたアイドルの初ガチャの画像が最高で貯金を使い果たして回しましたが一枚も得られず、私ではこの子を応援できない…と思いそれ以降正面から向き合えず、二次元オタでいるアイデンティティが崩壊しました。今はミーハーにアイドルと落語を青田買いして心を精一杯埋めています。
その他アイドル
  • AKB48の総選挙。推しメンへの投票で20万前後。総選挙毎にそのくらいは出してます
  • AKB48の神推しちゃんの総選挙費用100万円
  • 地下アイドルを応援していて、その特典会(ハイタッチ、個別握手、ツーショット、グループショット)のフルコースを経験したときは1万円以上払いました。6000円のライブが前提としてあるので、ライブ+特典会でだいたい2万円は毎回消えます。お金がないので特典会フルコースは滅多にありませんが…。
  • アイドル推しのグッズが一人だけ売り切れにならず、個数制限もあったため友人にお金を渡しまくり買ってもらいました。2日で18万円。でも、売り切れませんでした。
  • 直近ですが、指原莉乃さんのディナーショー。2回公演しかないので出費自体は大したことないのですが、34,500円×2回は中々迫力が…でも指原さん主催のイベントは外れることがないので実質タダみたいなもんです!!!!
  • 250万円。SKE48がゆうちょ銀行とコラボした「あったかキャンペーン」に参加(貯金50万円/1口としてSKEの特別公演に応募できる)
  • 一日だと推しの握手120枚出し、イベントを大きく括ると夏のツアー全通(総額18万くらい?)だと思います
  • 某アイドルにハマったと確信した時にデビュー前から現在まで出ている全てのCD、DVDを数ヶ月で一気に揃えたとき。全部で20万くらい。
  • 推しのアイドルが卒業するということで、免許とるのに貯めてたお金(その段階で10万)を全て接触とイベントチケットに費やしました
  • 韓国にコンサートを見にいったとき、まず旅費として3万円、良席確保のためにお金を積んでチケット2日分で7万円、合わせて10万円を一気に使いました。
  • 一回の旅行で20万程。韓国に彼氏がいるので彼だけに会いに行くと伝えて彼に内緒でアイドルに会いに行く。故に費用は明確ではない
声優
  • 推し声優のCDをオリコンチャートにインさせるため&限定イベント当選したいが為に10万分のシングル購入。積んだCDは布教のために友人たちに無料配布
  • 声優さんのお渡し会(先着ではなく抽選だった)に参加するため、CDを30枚買った(約6万円)。しかも2ヶ月連続リリースだったので、翌月も同じように……。
  • 声優のスタンディングライブで、絶対に100番以内が良くて5万円でチケットをオークションで落札したこと。それまでは転売というものを買ったことがなく、買うもんかと思っていたのに、その声優の目に入りたくて、近付きたくて、やってしまいました。それから箍が外れてしまって、転売チケットを買う毎日です…。
コスメ、美容
  • 20万程度。脱毛。結局途中解約したので実際は半額ぐらい脱毛に使いました。(趣味と言えるかわかりませんが、美容関係が好きなので)
  • エステサロン50万円
  • 残金が1万円しかない時期に行った「マームとジプシー」の公演チケット5000円となぜかとち狂って買った5000円のマスカラ(5000円のマスカラは最高)
  • 自分自身にコンプレックスがあり美容整形。今年は医療脱毛を全身して55万。
ファッション
  • きものが好きなので、年間で100万近く購入したことが…。
  • 欲しい洋服を値段を見ずに全て買って総額50万円だった時。
  • ヴァレンチノのセールで服靴鞄を約10万円分(定価だと100万近く)
  • プラダのドレス、250万円。結婚式に着て行ったが、花嫁より金がかかっていた気がする。
バンド、アーティストなど
  • 昔ハマっていたバンドに国産車ダン1台分くらい。
  • 全国42回公演ツアーのうち20回近く参戦したときは、ポルノグラフィティに貢いでいるのか航空会社に貢いでいるのかわからなくなりました。北海道から沖縄まであちこちへ。どのライブもナマモノだから、毎回最高でした。
  • バンドの初海外ツアーのためにドイツまで行った。一ヶ月ぐらい居たのでトータル50万ぐらい使った。
  • 今一番好きなバンドのチェキに3年半で15〜20万弱程度注ぎ込んだので、恐らくそれになるかと思います…。
  • 1年のうちに、ライブ映像のBlu-rayボックス完全受注生産限定盤15万円、ワールドツアーのうち国内ツアー6公演参加でチケット代6万円、その時のグッズ5万円(推測)。行き帰り夜行バスで、バスがついて即グッズ列に並び6、7時間待ち、帰ってからはそのまま朝から1日仕事してました。
  • 応援しているアーティストがCDを三枚購入すると1枚ツーショットが撮れるので、約2ヶ月のリリースイベントで期間で約130枚ほど購入し約14万使いました。
  • 全国16箇所アリーナツアー全通、あとはファンクラブ会員限定のギター10万(弾けない) 、海外遠征(台湾)
  • 推しギタリストの、本人モデルのサイン入りギターを購入。新品12万。なおギターは弾けません(練習し始めました)
聖地巡礼
  • 好きなキャラがイギリスに行ってしまったので今年イギリス旅行に行きました。サーチャージ無料だったこともあり大分安かったものの20万円位。
  • 24万円前後(聖地巡礼ヘタリア)を3〜5回。英仏スペイン米など。グッズや舞台にはあまり興味がないので聖地巡礼費用が一番高額かも。
  • 擬人化にはまって、突発的ドイツオーストリア旅行。35万円位とんだ。
  • ニュージーランドロケ地巡り旅行65万円(女二人旅でしたが、ハネムーナーと同じツアー内容&額でした)
  • Free!オーストラリア聖地巡礼。社会人なので大型連休に。飛行機代だけで17万超。
その他
  • 以前ハマっていたフィギュアスケート観戦。ヨーロッパで1回35~40万、アジアで1回10~15万程度。国内でもチケットが高いので1試合10万くらい。いずれも足・宿・チケットの総額。これにオフシーズンの多数のアイスショー(総じて試合よりチケットが高い)が加わる。私は国内年2+海外年1ペースだったけど周囲は海外年間4~5回は普通だった。ショーは平均1公演2万のチケットを年10公演以上見ていたと思うが、これも明らかに少ない方。5~6年追いかけて、推しの完全引退と同時に卒業しました。今はもっとチケット代が上がっているはず。
  • 初遠征、初自費旅行で週末モスクワへ!フィギュアスケートの試合観戦の他はそんなに観光も出来ませんでしたが、17万くらいでした。夏休みのバイト代を注げば普通に賄えてしまったのが怖い。
  • 博多座(福岡)のワンピース歌舞伎に通って60万(チケット代・交通費)くらい。
  • セーラームーン展、通いつめ通いつめグッズ代だけでおそらく6万強
  • ゆるキャラにハマってグッズ大量購入、言い訳は「普段使いできるから日用品を買ったようなもの」。
  • カメラ本体とレンズの購入に150万程度
  • 自転車競技漫画の登場人物達の気持ちが知りたくて購入したロードバイク 20万円
  • デパートや成城石井のビール売り場で順番に片っ端から輸入ビールを買って冷蔵庫に並べる。累計したら5万くらいはいってるのではないかと。
  • 紅茶が大好きすぎて1人でLondonのFortnum&Masonまで買いに行った。紅茶のために40万使った。笑 スーツケースにも入りきらないのに、帰りの空港の免税店でもHarrodsの紅茶を買い込んで飛行機に乗り遅れそうになった。笑
  • 累計では書籍。年収200万円前後の貧困ライン時代が十年少々ありましたが、書籍費用は微増したのみ。当時は手取りの10%に乗ることもありました。食費が足りなければ河原で野草を摘むなどしていました。まったく苦ではなかった。みんな服とか食べ物とかくれたし。
  • ヨーロッパの城をほぼ貸切で100万
  • 約20万円で推しの所属事務所の株

ここからは友人知人の話。都市伝説のような内容も……。

  • ライブの先行抽選のためにBlu-rayを100枚以上購入していた時は話を聞いて震えました。
  • 毎公演帝国劇場に通うために昼の仕事に加えて夜の副業を始め1月何十万も注ぎ込んでた
  • K-POPヲタク友達がワールドツアーを全ステしたというやつ。チリだったかペルーだったかまで行っていた。
  • 関ジャニ∞の47都道府県ツアーを全通、旅費ふくめ総額1000万円。
  • ドイツのお城で結婚式(ヘタリアドイツ領)。
  • 某アーティストのプレゼントボックスへ札束投げてた。帯にメルアド書いたらしい。
  • 食費生活費の一切を親に支出してもらい自分の給料は全額ディズニーのために使っている。
  • コンサートで最前が決まった瞬間、脱毛エステ、服、ヘアメイク、化粧品と100万程出費していました。怖い。
  • ディズニーオタクの友人が、季節毎に出るメニューを食べて写真を撮ること。1つ1つは大きな出費ではないですが、1年季節が変わるたびに毎年続けていて、パークのレストラン、スナック系の軽食、ホテルのレストランまで制覇していました。
  • 本がはいりきらなくなり、賃貸でほんの為の部屋を一室借りている(トランクルームではない、普通の賃貸)。
  • 某ライブ会場であるキャストのブロマイドを100セット買ってる方を見た時はすごいなと思いました。
  • 年に1回ぐらいはジャニショで推しグループの写真を全買いしているという話は漢気を感じました。
  • ツアー全通のために仕事辞めた。
  • 好きなホストをNo.1にするために数百万使ってシャンパンタワーもして、結果ホストと結婚して今円満家庭継続中。
  • コミケの買い子を頼まれた時、6、7人分のリストを3人で買うことになり、お金どうするのかなと思っていたら買い子用財布(札束入り)を買い子に渡し、「買い終わったら私に精算してくれればいいから」と人間ATM状態だった友人。
  • 同じトップスターを好きだったファンの知人。東京在住だったが仕事を辞め、退団公演では公演中ウィークリーを借り宝塚に定住し全公演公演観劇・入出制覇(東京も同様)。驚いた事に1人ではなくそんな人が複数人いる。
  • Fateのソシャゲに20万出しても推しが出なかったという話
  • アーティストモデルのギター(300万)を、ローンを組んで購入
  • 好きな俳優の差し入れにオーダーメイドで誂えたブランドのスーツ一式
  • 韓国へ握手会のみだけの遠征。またその為の音源を100枚近く購入していたこと。
  • フランスへテニス観戦、何かあっても対応できるようにボックス席と一般席両方押さえる。
  • アメコミ沼にINして個人輸入で現地の薄い本(公式・二次創作問わず)を入手しまくってる。
  • ジャニーズであまり褒められた話ではないですが、担当の乗るトロッコが来るからという理由で40万積んでた話。そして構ってもらって次も積むと言ってたからジャニーズばかやべえと思いました。
  • カメラを修理に出すさいに、修理中の2週間のあいだ、カメラの無い生活に耐えられずに新しいカメラ(5~6万前後)を買ったというエピソード(ダンサーオタクの方)。
  • 歴史ヲタクの父親が、1泊2日の奈良バスツアー(大学教授同伴)に9万円払っていたこと。
  • 知人の知人の範囲の方々が、ベンツとPerfumeのコラボ車がでたとき、ぽんぽん買っていて正気の沙汰じゃないと思いました。
  • 応援しているバンド(V系)の動員数を増やすために、1人で複数枚のチケットを購入して、繰り返し入場していた友達に「こいつ…すげぇ…」と思いました。
  • とある作品のグッズ出る度にくじのロット買いは当たり前から手当たり次第買っていて、同人即売会でも推しが絡んでいれば買っていたので毎月30万を使っていたと知った時には友人の生活を心配しました。今も続いているようで心配ですが…。
  • 韓国アイドル界では買ったCDにサイン会参加チケットが抽選で当たるのでチケットを取るために何十枚、何百枚も同じCDを買うことがあります。人気のアイドルだと倍率が上がるので買うCDも多くなります。
  • 「7万円は推しキャラへのお年玉として捧げた」(丁度正月イベントのガチャだった)という言葉に震えた。「奮発しましたね…」としか言えなかった。
  • コスプレ撮影会で教会貸切エキストラ雇いドレス特注100万円。
  • ジャニーズJrのオタクの子は、どのグループのバックに推しがいるかは分からないから、とりあえずどのグループのコンサートのチケットも取っているということ。
  • 少年ハリウッド」がアニメの最終回を完成させる為にクラウドファンディングを行なっているのですが、ポーンと30万コースに投資してるのは凄いと思いました。
  • ご贔屓の退団公演前に、まず貯金を100万円おろす。
  • お知り合いの話。有名な方の退団公演(ヅカ)で1枚120万円まで出すつもりだったけど結局それ以上の値段になってしまい諦めたらしい。1枚50万円は出したことがあると聞いて震えた。
  • 極貧OLの友人がCD、DVD、雑誌を多数グループコンプリートしていて、なおかつドル現場に北海道から毎月遠征しているのは尊敬しています。
  • 日本で公開が遅い洋画を見に、公開が早い台湾にしょっちゅう行ってる。
  • 職場の人が靴に月30万かける。(毎月)
  • 友人がソシャゲのランカーで、年間の課金額が軽自動車くらいになってたのはさすがにちょっと「隣の沼怖い」って思いました
  • 「定期預金、解約したの…」が意外とあるある。
  • タイバニ映画を100回以上劇場観賞+ニューヨーク遠征。
  • 好きな作品の聖地の花火大会に出資して花火を上げていた。
  • ドレス系コス衣装をウエディングドレス制作会社にフルオーダーで依頼、小物含め1回約100万で毎年パターン変えて作ってもらっている。
  • 彼氏に貢ぐ友達。ディズニーホテル当日キャンセルされても好き、地元まで来させときながら連絡無視でその日会えなくても好き。
  • 地下アイドルグループのリリイベが開催されている場所に、マイナーな都市を含めほぼ全てに通い、終了間際に「○○くんのCD何枚残ってますか?残ってる在庫全部ください」をしている知人。
  • 宝塚は東西に劇場があるのですが、東京在住のひとが大劇場公演用に部屋を借りて東西毎日通っている。
  • 遠征にきた友人を泊めた際、「買うものを増やしたら昼食代がなくなったので食パンを1枚くれないか」と言われた(サンドイッチを使って持たせました)。
  • 飲み友達がCDすら買わない人だったのですが、オススメしていた国民的アイドルに湯水のようにお金を使うようになって、しばらく会えなくなりました。
  • タクシーに同乗した際、運転手さんに「このひとと少し話をしたいので、お堀端をぐるりと回ってから〇〇へ」と指示した知人がありました。谷崎潤一郎かよ(芥川のエッセイに、谷崎とおぼしき人物が「なに、ただそうしたかったものだから」という理由で一日タクシーを走らせる話があります)。
  • 舞台俳優好きな友人が、「プレゼントを贈るのは珍しいことじゃないが、彼がブランド好きで困る」と言っていたこと。直接プレゼントするようなシステムがジャニーズにはないので軽いカルチャーショックだった。
  • テニミュ1stでダブルキャストの出演数よりも友達の観劇回数の方が多かった。
  • 「スケオタの遠征はロシアがデフォ」は怖いです。
  • 「自分と自担の間に他の女がいるのは耐えられない」との理由で最前列のチケットでしかコンサートに行けない友人。
  • ランチに◯◯(土地の名産品)が食べたい!と思い立って、その日に自家用ヘリで行ったという話には、3回くらい「自家用ヘリ?」と聞きなおしました。蟹が食べたくなってヘリで北海道まで行った、みたいなことです。


はあ、だいぶ読み応えがありますね……読んでるだけでお金が減りそう。最後に少しコメントしたいものを。

好きだったアイドルがやめちゃったのでヤケになって貯金はたいて収益物件を買いました♡そしたらソロデビューして驚いたけど毎月利益が出るので結果よかった。

すごい、最初の10文字からは想像できない結論に着地しました。スケールが大きかった。あなたにも推しにも輝く未来がありますように!

学生時代の友人(バイト経験なし)がAKBの総選挙でこじはるに毎回100票くらいは軽く投票していた。もっと応援するために院進学を決意。しかし彼女が就職した今でもこじはるはAKBを卒業していません。

「もっと応援するために院進学」は微妙にわからないですが笑、こじはるさん、罪な女!ついに卒業が差し迫ってきましたね、友人様に幸あれ。

今より高い収入と自由度の高い休みを求めて100万円かけて資格取得の勉強中です。(将来的に宝塚に愛を注ぎ続けるため)

めちゃくちゃ偉い……!全然浪費じゃなくて投資です。

ランチ会に30万ぶっ込んだばかりです。

ら、ランチ会とはなんなのか気になります。

小学校5年生の時にお年玉貯金全額おろしてハリーポッターのシリアルナンバー入り入りローブ、スニッチ(作品に出てくる羽の生えたボール)、なんかもろもろ合わせて10万円。

わかる……ハリー・ポッターのグッズめっちゃほしかったし、世界観やグッズに入れ込んでいくスタートだったかもしれない(世代が絶対に近そう!)

要らないのにグッズを買ってしまう。金額は一回につき15000円とかで、すごい人に比べたらそこまででは無いけれど、一切使わないものに対してお金を使うことが結構好きかもしれない。買ったグッズは使うでも飾るでもなく、ただ部屋に置いてあります。引き出しに入ってる。

これもわかる。アクリルキーホルダーとかクリアファイルとか全然使わないのに買っちゃうし、買っちゃうまでが楽しいところあります。

ドーナツに入っているカード(何が入っているかはわからない)欲しさに、一箱900円のドーナツをトータル10箱買ったこと。ドーナツばかりたくさん余ってしまいました。

想像できる絵面がファンシーかつ禍々しくて、とっても好きな一言でした。

彼に会いにほぼ毎週、東南アジアに行ってます(往復5万×月4回)。

彼とはもしかして何かの出演者などを指している…?と思って回答者さんの「今愛とお金を注いでいる対象」を見たら「彼氏」でした。ごめんなさい。今のジャンルは彼氏!最高。

自費だと社会人一年目の冬に購入したカルティエの時計40万円くらい?(当時貯金もそんなになく余裕もなかったのに) 彼氏と別れて一人で生きていこうと勇気づけるために踏ん張った。

踏ん張りを感じる……!意地らしい!偉い!カルティエの時計よ、永遠に。

まとまった出費ではないですが、日々の浪費で、手取り35/月なのにカードの引き落としが40-45万(その他現金決済もしている)が続いています。

ど、どうなってるんだ……!?手品みたいですね。

10代最後の冬(わたしは春生まれなので本当に本当に10代最後の季節なんです)を関ジャニ∞に投じるつもりです。コンサートで東京と名古屋に行きます。ひとりで夜行バスを使ってまで会いに行くのは初めてなので、ドキドキしています。他の人に比べたら少ないですが、バイトでも月1万ちょいしか稼げない貧乏大学生にとっては4公演はいるのも立派な挑戦です…!

超いい。素敵な思い出にしてください。

みなさま、よいお年を。来年も愛に生きるぞ!!

今後のお知らせ用アカウントはこちら。

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通販開始しました(1/12)

BOOTHとヴィレッジヴァンガードオンラインストアで通販を開始しました。



インターネット is ラブ

2016年11月第2週は幸福なことがたくさんあった。

何もなくてもだいたい毎日幸せに生きているのだけど(これは努力の問題です)こんなにひときわ幸福濃度が高いものが次々放り込まれたら日曜の夜にエモいことだって書きたくなる。

火曜日は、もぐもぐさん、ネットストーカーに会わせていいですか?って言われて、いいよ笑、って答えて、会ってきた。予想以上にまっすぐ愛を向けられて恐縮してしまった。「日本一のファンだって自信があります」。すごい。普通に照れるわ。

Twitterとブログをはじめて、もう5年以上か。短いのか長いのかわからないな。大学でどんなことしてたの?って聞かれると「インターネットです」って答えているけど、本当にわたしの青春はインターネットの中にあったなって思う。ちっちゃいときから骨の髄からネット中毒者として生きてきたけど、友達以外の誰かを意識して書くようになったのはほんのこの数年だ。

同じ趣味を持つ女の子にブログ好きです!って言われることはあるけど、アイドルにも舞台にも特段興味がない人に同じように言われるなんてちょっと意外だった。ちょっとずつ覚えてきましたよ、あの子とか、ほら、ふうまくん、って言われて、マジすか!ありがとうございます!応援してくれよな!という気持ちになった(何目線なんだ)。物事っていうか世界に対する姿勢が好きです、と言われて、それは自分の中でもこの数年で一番変わったことだなって思った。

楽しいことを見つけるようになった。同じ場所で同じことしてるなら極力気分よくなった方がいい。おもしろがった方がいいわ。別に偽善とか媚びとかじゃなくて、もっとエゴイスティックに自分の精神を健康に保つためのせせこましい話。

これはもう何回も執拗に書いていることだけど、結局インターネットで書くことで何をどうしたいのかなって思った時に、炎上してもいいから読まれたいとかアフィで稼ぎたいとかそういうの全然なくて、未来の自分を救うためだなってある時にわかったのだった。幸せな時間と感情を冷凍保存しておけば、いつでも解凍できる。テンションを上げたり保ったりするためにはかなり効率的な手段だ。ぐずぐずと気が向いた時だけ書いてきたから気づいた。そういう意味で世界の見方、変わったなって思う。

水曜日は、わたしのときめきの世界を広げてくれた、新しい扉をいくつも開いてくれた、大好きなお姉さんの婚約お祝いに行った。指輪を見せてもらって、2人で住むべくもうすぐ引っ越す新居の話を聞いて、もっとのろけてくれ〜〜ってせがんだ。幸せな人の近くにいるのはすごく気分がいい。新婚生活、ガンガン邪魔しにいきますね、と言って別れた。お泊まりも宅飲みもさせてもらったこの街、引っ越してしまったらもうきっとしばらくは降り立つことはないだろう。

土曜日は、大学時代に死ぬほどお世話になった先輩の結婚式だった。大学の先輩だけど多分出会いはインターネットだ。そういう人がたくさんいるのでいい環境だった。リアルとネットがどろどろに溶けてた。本名がわからないからFacebookを見ても誰だっけ?って一瞬迷っちゃう人が今もそこそこいる。大学時代に戻りたいとは1秒も思わないけど、あの空間でああいう風に過ごせたのはめちゃくちゃ幸せだった。

インターネットでしか生存を確認していない人たちとたくさん会ってしゃべって、すごく楽しかった。今何してるんですか。毎日インターネットしてるのは知ってます。

新郎新婦そっちのけで盛り上がってしまって反省した。でも楽しかった。今までたくさんいろいろいっぱい、ありがとうございました。彼女と付き合いだしてからツイート数は減った?増えた?とか数字で出されてておもしろかった。これからも監視していくぞ!!警備警備。

インターネットに住んでる人たちが、それぞれの世界でも楽しくたくましく生きている現実、最高。この世のどこかにはゴミみたいなインターネットもあるらしいけど、そういうところのことは知りません。わたしはわたしの見たいものを見ます。

なんだろうな、この気持ちは。みんな幸せでいてくれないと許さない。そういう感じ。エゴです。

がんばるぞ。海の向こうで誰が大統領になっても、自分のエネルギーの向ける先は別に変わらないもんね。明日もあさっても多分わりと幸せだと思う。

続きはWebで、明日もインターネットで。

2016秋クールのアニメ&ドラマがおもしろすぎてやっぱりテレビは最高

この秋はテレビが大豊作で働いてる場合じゃない!ってずっと予告して予言して心の準備をしていたけど本当に楽しくて幸せ!!自分史上過去最高に満足度が高い気がする。

というわけでこの幸せを残すために。毎日見るものがたくさんあるよ。

アニメ

ユーリ!!! on ICE


TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」PV

えっこのまま毎週いくの?大丈夫!?と心配になってしまうくらい、とにかくアニメーションが美しくて生唾を飲む。長髪の男性が無条件に好きなので、Jr.時代のヴィクトルが死ぬほど好きです。抗えない。

世界のフィギュアスケート選手を巻き込んで人気を拡大しているグローバル感もすごい。世界女王であるところのロシアのエフゲニア・メドベージェワさんよ……。


話も毎週震えるくらいおもしろくて、うわ~~!!!ってなる。久保ミツロウ先生がネームを1話につき80ページ、全部で900ページ作ってる現実!!世界は最高!!

「ユーリ!!! on ICE」の脚本は、久保がネームと呼ばれるマンガの下描きの下描きで執筆。「私がお話をすべて描き下ろします」と語る久保は、公開されるものではないスタッフ向けマンガのネームを、トータルで900ページ描くという。1話につき80ページ弱となるため、週刊連載で例えると4話分の話が詰まっていると解説した。
「ユーリ!!! on ICE」テーマはGPシリーズ、久保ミツロウがネーム大量描き下ろし - コミックナタリー

コーチは愛しい弟子に強く強く思い入れているし、彼は憧れ続けてきた師匠への愛の告白のようなセリフを吐くけれど、愛って別に恋愛だけじゃないからな。第4話が本当に好きだった。自分を変えられるのは自分だけだ。どんなに周りに恵まれていても人に愛されていても。

3月のライオン

超いい。毎週幸せになる。漫画の再現度があらゆる意味で高くて、でもちゃんとアニメだからこその情感で、いろいろなレイヤで満足度が高い。

物語の最初から見て、そうだ、これは桐山くんが失ったものを取り戻す話なんだったってことを思い出した。それから、ひなちゃんの造形にアニメですごく納得した。桐山くんがコミックスの最新刊時点でああやって彼女に入れ込んでいる理由が。

まだまだ先が長そうなのでどんどん桐山くんに抱く思いが変わっていくと思うので楽しみだな。漫画では少しずつ重ねていったものが、アニメだと流れ込むように入ってくるのでしょうね。

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第二期 PV  MOBILE SUIT GUNDAM IRON-BLOODED ORPHANS

すでに2クール分やっていて、少しあいだがあいて、アニメ内の世界でもいくらか時が経っていて、3クール目。毎週めちゃくちゃにおもしろい。

毎週どんどん新しい展開があるのでドキドキするんだけど、しんどい。少年兵たちが戦い抜いて行き着く先が破滅と絶望の予感しかない。真綿で首を絞められていく感じを、闇の中を探り探り進んでいく感じを、少しずつ体験できるのすごくおもしろしんどいです。

10月の放送開始時点ですでに25話あったので布教しにくいんだけど、それでも本当におもしろいから、興味ある人はぜひ1話から追いついて…いや結構ボリュームはあるんだけど…!!と熱心にマーケティングしたくなる(してる)。

主人公の三日月オーガスが平気で人を殺すサイコパスなのがすごい。徹底的にわからない不気味さを感じせてくる。ブレーキかけずに戦闘にのめり込むから、私たちが知らない空白の時間のあいだに、右目が見えなくなって右腕の感覚を失っていた。壮絶。

ガンダム作品はじめてチャレンジしてるけどすごく好き……モビルスーツもめちゃめちゃかっこいい。最高。

響け!ユーフォニアム2


TVアニメ『響け!ユーフォニアム2』 PV第2弾

本当に楽しみにしていた2期!高校時代のどうしようもない閉塞感を、世界の狭さを、たった一言ですべてがひっくりかえる真っ白な瞬間を、見せてくれてぞくぞくする。

第五回「きせきのハーモニー」、関西大会の演奏が素晴らしすぎてぼろぼろ泣いてしまった。3年生の先輩と過ごせる夏は1度しかないんだよね。ほんの十数分のために時間と魂を注ぎ込むなんて、今の自分には絶対できないエネルギーの使い方だ。

めくるめく女の子たちの衝突と執着は百合……は百合なんだけど、そう言っちゃう気持ちもわかるんだけど、わたしはなんとなく百合って言いたくない。友情でも愛情でもない、好意と嫉妬と羨望が全部混ざった感情、そのエロティックな感じ、正直身に覚えがありすぎる。あんまりフィクションめいた言葉にしたくない。


(これは1期だけど)

高校生の頃って18歳で人生終わる気がしてたよね。わかるわかる。今しかなかった。未来なかったわ。そういうシビアな視界を、京都アニメーションという会社はユーフォニアムでもFree!でも思い出させてくるので、好きです。

舟を編む


「舟を編む」 第3弾PV

丁寧に編まれていて幸福になる。言葉を扱う仕事は美しい。背筋が伸びる。仕事頑張ろう。

櫻井孝宏さんと神谷浩史さん空気の作り方がすごく上手で、だからこそ逆のキャスティングでも聞いてみたかった…と思わせてくる。いや今のままでも好きだけど!!林香具矢の坂本真綾さんも品と色気があってぽわ~~ってしちゃうし、実写映画では宮崎あおいだったことも合わせて日本酒をおちょこできゅっと煽りたくなるすばらしさ。

あと、岡崎体育「潮風」のOPがとにかく超超超好き…!本当にかっこよくて気持ちがいい曲!12月に発売するの楽しみ。

ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校


TVアニメ『ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校』PV 第2弾

引き続き、スタッフの愛が、すごい。漫画っぽさを生々しく残しながらアニメとしてキメのシーンを作ってくるのすごく上手で、見ててテンションが上がる。月島くん~~~!!!

原作実はここまで追いかけてないので普通に毎週ドキドキして見てる。読まなきゃ。

刀剣乱舞-花丸-


アニメ『刀剣乱舞-花丸-』 本PV

ストーリーの中でキャラクターは死なないけど、テレビのこちら側で毎週バタバタと人が死んでいく。気持ちがいいくらいだ。新規のイラストも、新しいボイスもこれまで全然なかったもんね、その状態に慣れてるのに30分動いてしゃべるんだもんね、供給過多だよね、その衝撃はいかほどか……。

特に今のところ中身はないんだけど(褒めてる)この超弩級巨大コンテンツが熱い声援と集めた軍資金で作品になっているというそのプロセスまるっと満足感があるので見る。来年にはまた違うスタッフ、違う視点のアニメがあるからそれも楽しみ。しかしですね、和泉守兼定に思った以上にきゃー!!ってなって自分でびっくりしました。わたし、あなたのことが、好きみたい……。

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター

びっくり、予告動画がない!笑

リアタイで見てぎゃーぎゃー突っ込みながら実況するのが楽しいタイプ。これだけたゆまず地道にコツコツとツッコミどころありまくる作品を作れるのマジですごい。とかいって何週かためてるから追いつかなくては……。

ドラマ

逃げるは恥だが役に立つ


[新ドラマ]新垣結衣×星野源の「恋ダンス」 先行映像 10/11スタート 火曜ドラマ 『逃げるは恥だが役に立つ』【TBS】

言うまでもなく!女性も男性も楽しく見ているのもすごくいい!ハッピー!

新垣結衣ちゃんも星野源さまもすっごくよくて、テンポもよくて、1時間全然飽きずに「楽しかったー!来週も楽しみ!」って爽やかな気持ちになれて、ああ、これが、テレビドラマの楽しさだよね、最高、幸せ、テレビ大好き!!!って気持ちがあふれる(話が大きくなりがち)。

わたしは原作がすごく好きで正直若干不安だったんだけど、こんなポップなキャストであの感じを?と思ったんだけど、ドラマはドラマのポップにアレンジされていて、これはこれで超超好き。

原作はもう少しシリアス…まではいかないけどぬるっと低体温で考えさせられるし胸に手を置いてしまうし、しかし本当にこっちも面白いから未読の人は読んでほしい。既刊8巻まで読んでもドラマのネタバレ!って思う要素はあんまりないと思う。結構変えてるし、温度も違うから。

このブログでも前に少し書いてる。同じ海野つなみさんの「回転銀河」も猛烈におすすめ。
mogmog.hateblo.jp

あと新規視聴者を獲得するのに親切なのもうれしい。来週5話なんだけど、3話までのダイジェストを45分でまとめた映像を公式で公開してくれてる…ありがたや…。


【公式】 1話~3話までを一挙にご紹介!! 話題のムズキュンシーンも満載!? 『逃げるは恥だが役に立つ』SPダイジェスト 【TBS】

「社会派ラブコメ」って言い方すごくいいよね。社会派とラブコメは両立するのだ。だって結婚は社会だもの。そしてそこに変な重たさや暗さがないのもまたいい。

黒い十人の女


黒い十人の女

「逃げ恥」はみんな見てる前提で、今期のドラマ、何がアツい?と聞かれたら即答しているのがこれ。めちゃくちゃおもしろい。すごく今っぽい。

船越英一郎演じるテレビプロデューサーを取り巻く10人の愛人たち……なんだけど、ドロドロというよりドンパチしていて強くて弱くてバカで賢くて全体的に湿っぽくなくて毎週ジェットコースターのようにいろんなことが起きる。脚本バカリズムすごい!!!上の動画にもあるけど、修羅場を示すのでお馴染みの「喫茶店で水をぶっかけられる」じゃなくてカフェオレとか日本酒とかで攻撃する。とにかく勢いがすごい。アクセル全開で頭から中央分離帯に突っ込む感じ。

突然教育番組風の演出があるのがげらげら笑う。逃げ恥の情熱大陸パロもそうだけど、こういうギミックほんと楽しいよね。しかも「おとなはどうして不倫してしまうの~~?」最高でしょ……。

あとグループLINEの使い方がすごくうまい。会話の速さとかスタンプの応酬とかいつのまにか大喜利みたいになるとか、リアルすぎて笑うしかない。「愛人、9人いるんだって」「何それ?」「9人て」「野球チームかよ」「監督なの?」って会話、めちゃくちゃ「わかる」。ハマるひとは1話でビビッとくると思うから、1話だけでもとりあえず見てほしい。

地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子


『地味にスゴイ!』第1話予告動画30秒

しかし何度言ってもどうしようもないのはわかっているのだが、「地味にスゴイ!」がメインタイトルなのわけわからない。校閲って言葉になじみがないからかもしれないけど、逆にこう言われてイメージつく……?いやいいけど……。わたしは頑なに校閲ガールって言っていくぞ!

石原さとみのお洋服がかわいくて見てるだけで楽しい。けど今期これだけ大忙しなのでだいぶ優先順位が下がってきてしまった。。いろいろツメが甘いフィクションぽいフィクションだし(つまりお仕事ドラマではない)1時間見てるとちょっと疲れてしまう。正直言って」地味にスゴイ」が今期一番似合うのは「舟を編む」ですね。

Instagramのフォロワー(14万)がTwitter(7万)の倍!っていうのがアツい。もうそういう時代なんだよな~~!めちゃかわいいです。

悦子のお洋服🍀 #地味スゴ #4話 #河野悦子

【公式】水ドラ『地味にスゴイ!』さん(@jimisugo)が投稿した写真 -


吉祥寺だけが住みたい街ですか?


吉祥寺だけが住みたい街ですか? #1

ごはん食べながらゆるゆる見られていい感じ。30分だし。何も起こらないのがいい。みんなにそれぞれの人生があっていい。東京大好き。雑司が谷、五反田、神楽坂、ときて、秋葉原

薫太が超かっこよくて、誰なのこのまた1人出現したサブカル女を殺す俳優は…と思ったら元ジャニーズの浅香航大さんでびっくりした。え、全然わからなかった。かっこいいです。

「プリンセスメゾン」も見たいんだけど今我が家はBSが見られないので未視聴。ある時期は本屋に行けば食べ物漫画ばかりだったけど、衣食住の「食」ブームが一通り終わって「住」にフォーカスしたものがどんどん漫画やドラマになってるのおもしろいね。

刑事ダン

テレ東の“低予算アイドルドラマ”(って公式が言ってる)。芸能界スキャンダルもテレビカルチャーもアイドルブームも2次元アイドルもまるっとパロったようなごちゃまぜ感がすごい。まだ2話しか見てないんだけどこれ話進むほうがおもしろい予感がするな……?


このキービジュアルからして心当たりがありすぎてにやにやしちゃいますね。そしてなんなの、デビュー曲のアニメPVって。Amazonプライムビデオで見られるのでだらだら流してる。

ドラマはネット配信してくれるのが最近はずいぶん多くなってきて、昔より「お願いとりあえず1話だけ見て!」ってできるようになってきてうれしい。すすめやすい。

は~~毎日楽しいね。テレビ、全然オワコンじゃないし大好き。楽しいものをたくさん食べて来週もがんばりましょう。

夏を求めて九州へ

夏が終わっていくことに耐えられなくて九州に5日間行ってきた。あまりに馴染みがない場所で、完全に知らない土地で新しいものをたくさん見た。想像力に乏しい傲慢な人間なので、こうやって少しずつ自分の身でリアルを獲得していくしかない。

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この夏は大学生か?ってくらい遊びまくったけど学生時代よりずっと楽しかった。全然お金がないのに時間だけがあって、未来が不透明な時代はいろんな面で結構しんどかった。今のほうがはるかに健全な精神で生きている。別に特別裕福なわけではないし、めちゃくちゃ浪費家だし、貯金を食いつぶしまくっているけど、それでも自分で稼いだ金を好きなように使えるなんて、なんて贅沢で幸せなことだろうと思う。大人、超楽しいからな。大学生の自分よ、ざまあみやがれ。

熊本・杖立温泉へ

最初の目的地、熊本・杖立温泉には福岡空港から黒川温泉行きの高速バスで向かって途中下車する。超有名な黒川温泉にはいずれ誰かと来そうだから、1人でぶらぶら行くので杖立にしてみた。まだ地震の影響で一部通行止めの区間があって、少し遠くの別のバス停で降りなきゃいけないんだけど、本当だったら2時間くらいで直通で着く。通行止めの道の片側車線は、着いた翌日の夕方に開通していた。


バスの乗り継ぎに失敗してタクシーを使ったんだけどいろいろおしゃべりできて楽しかった。あふれるくまモンのほかに、嵐の写真やステッカーで車内がデコってあってびっくりした。

運転手さんがファンなんですか?って聞いたら、小さい子が喜ぶから、ってにこにこしてた。このあたりのタクシーは近所の子どもを何人かまとめて乗せて習いごとの送り迎えとかに使われることも多くて、喜んでもらうためのことを考えたんだって。「タクシーも殺風景じゃさみしいもんね、差別化していかないとね~」と笑ってた。個人タクシーでもないのに自由だなあ。なんで嵐なのかっていうと、奥さんがファンらしい。

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お昼くらいに杖立に着く。暑い。ド平日の真っ昼間、誰もいない。

特に目的もないのでふらふらと散歩する。大きな川の両岸にレトロな温泉街が広がっていてすごくいい。どこにいても水の音が聞こえる。







温泉の蒸気を使って調理できる「蒸し場」がいくつもあって、地元の人も観光客も勝手に使っていい。野菜と卵といきなりだんごがセットになったセットを買ってやってみた。




楽しい。そういう蒸し物文化なので、いろんな旅館でプリンを作って「杖立プリン」として売り出してる。おいしかった。
杖立温泉について | 杖立温泉


少し食べて涼んだので散歩する。いい意味でたいしてすることもない。ぼーっと川を眺めたり入ったお店でおばあちゃんと話したりする。朝産んだばかりのチャボの卵をくれた。明日の朝卵かけごはんにするんだ。




最近Instagram検索を試していて旅館「米屋別荘」さんのロビーで、プリン味のかき氷が食べられるらしい、と見たので行ってみた。時間ギリギリだけど注文受けてくれた。プリンとラズベリーのハーフ&ハーフにする。

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こ、このボリュームで500円……!すごい!!!超~~おいしかった。宝石を砕くみたいな気持ちで食べた。氷にかけるからどうしても水分で薄まってしまうので、プリンをそのままシロップにしてはだめで、氷屋さんの「師匠」にアドバイスを受けながら何度も試作したらしい。卵でもミルクでもなくちゃんとプリンの味がするかき氷。旅館のなかだから、チェックイン・アウト業務が忙しい時間は提供してなくて、若女将がいる時だけで、出してる時間は12~14時半くらいかな、と言っていた。ちょっと遅めに行ったから、ダメな日に行ったらダメだったはず……ラッキーだった。

「泉屋」さんに泊まる。1人のお客さんて面倒だと思うけどすっごく親切にしてもらってありがたかった。旅程をあんまり決めてなかったので相談したり。鮎の塩焼き、人生で食べた鮎でいちばんおいしかった。

たまたまこの日女性の宿泊客がいなかったらしく、広い浴場もずっと貸し切りで贅沢の極みだった。身体を蒸気で蒸し上げるサウナ「蒸し風呂」がいくつも種類あって楽しい。箱の中で椅子に座って頭だけ出して、首から下をあっためるやつがめちゃくちゃ気持ちよかった。平日最高、夏の温泉最高!!!心ゆくまでお風呂に入って浴衣で夕涼みに川沿いをてくてく歩いて、窓際でぼんやりしたりする。大人になったなあ。

鯉のぼりが川にたくさんはためく5月がハイシーズンなんだけど、今年は地震でそれどころじゃなくて大変だったらしい。その景色もみたいな~。杖立温泉、お湯も景色ももすごくよかったからまた来たい。ぼんやりしに来たい。


麗しの熊本城

朝からまた温泉に入って、阿蘇経由で熊本市内に向かう。レンタカーとかで行けば多分2時間もかからないのですが今回はバスを使うので3時間くらいかかるルート。このエリアは大分との県境にあるので福岡からの方が近い。


始発の杖立から終点の阿蘇まで。お客さんあんただけになるかもしれんわ、と言われて、案の定途中で少し乗り降りがあったあとに山間を走るあいだのかなり長い区間はわたしと運転手さんだけだった。貸し切り。今このへんカルデラの縁のあたりね、あっちの山の茶色いところは地震で地すべりがあってはげた、とかいろいろ説明してくれる。緑も青も濃くてすごくいい。そっか写真撮りたいか、と見晴らしのよいところで一瞬止めて降ろしてくれた。普通の路線バスなのに……優しい。笑 1時間半くらい結構飽きずにしゃべったり写真撮ったり本読んだりしてた。

阿蘇から熊本への経路はバスと電車があるのだけど、肥後大津阿蘇間の電車はまだ止まっている。大変だ。地盤が違うだけで、物理的にはほんの少しだけしか離れていない場所でもずいぶん被害が違ったらしい。なのでまたバス。ちょっと眠る。


熊本にたどり着く。初めて来た。

熊本城、思ったよりずっと崩れていてびっくりした。立ち入り禁止の奥に崩れた石垣が見える。修復に20年かかる、ってそんなに?と思っていたけどこれは大変だ。中には入れなくて外側をぐるりと回って加藤神社の方にいくことはできる。


それでもきれいだった。ものすごく広いお城なんだってことを初めて知った。時間がたまたま合ったので「熊本城おもてなし武将隊」の夕涼みツアーに参加して解説してもらってたんだけど、一本柱を使った建築の内部が見られるのは今だからこそです、必ず元に戻りますからね、と言っててそうだなぁと思った。確かに断面図とかでなく、目の前で見られる。

武将隊の皆さん、軽口叩きながらツアーしてくれるし、写真撮影コーナーもあるし、ミーハー心が満たされた。加藤清正公が祀られている神社の解説を加藤家の家臣たちのみなさんにしていただくのはなんだかシュールでした(設定についてはぐぐってください)。

路面電車大好きだから熊本は楽しかった。あとは水前寺公園で庭園散歩したり(超いいお庭だった)

踊るくまモンとぐんまちゃんに遭遇して大興奮したりした。

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馬刺しを食べてレバ刺しを食べて熊本で熊本県菊池市の日本酒「美少年」を飲むぞっていう夢を叶えて、地酒がたくさん置いてあるバーで焼酎をいただいてくまモンとツーショを撮る。




中心部も地震でかなり揺れて、お酒のボトルも当然割れちゃってしばらく営業ストップした、って話を聞いた。今はずいぶん普通に見えたけど、しばらくは薄暗くてもやもやした不安が街を包んでいたのだろうか。浮かれて1人で何軒もはしごして(やりすぎた)いろんな人としゃべって楽しい夜だった。熊本に旅行に来ると、お金を使いすぎてもお酒を飲み過ぎても、復興支援、と思えることがわかった。重要な気付き!!消費を肯定できる!!いいところだったな~また来たい。

佐賀って何があるの

翌朝、佐賀・唐津に向かう。九州新幹線で博多に行くルートがいちばん簡単でびっくりした。そうなんだ!

というか九州新幹線思ったよりずっと安かった。熊本~博多間、ネットで買えば3600円なんだ……。1週間前までに予約したら2000円ちょっとになる。えー。安い。しかも40分で着く。近いなあ。福岡にコンサートやお芝居で遠征に来た時に熊本まで遊びに来るの全然できるじゃん。新しい知見を得た。

博多で東京から来た友人と合流して、一路唐津へ向かう。なんで唐津かって言うと……

おそ松さん」とのコラボイベントをやってたからです!!せっかくなので来た!笑 商店街のお店にもポスターがたくさん貼られていて、経済効果~~と思った。新聞にも度々取り上げられてる。コラボしたお店の来店者20倍……!
www.saga-s.co.jp





おそ松のイラストに使われてる「唐津くんち」のお祭のお衣装を展示してくれてるの超親切!と思った。かっこいい。

ショップに置かれていたノートを見たら、本当に北は北海道から南は沖縄まで全国のいろんなところから人が来ていてすごかった。あと、夏休みも終盤だからかもだけど、わたしがいた時間はスタンプラリーする中にちびっ子や家族連れも多くてにこにこした。国民的コンテンツ……。周りを見ても小学生の男の子女の子が普通におそ松さん好きなのですごいねえ。


ネットで知り合った友人が長崎から遊びに来てくれて、一緒に車で市内をまわった(初対面なのにお言葉に甘えまくるわたし……ありがとうございます)。呼子イカを食べたかったのだけど天候不良で食べられなくて悲しかった。

これまで1人でふらふら旅行してるのも楽しかったんだけど、文化財指定されてる美麗な近代建築の邸宅を見学しながら「矢口蘭堂の実家にお呼ばれした志村と安田ごっこ」をしたりするのもめっちゃ楽しかった。燃費がいいので何をしていても楽しい。

夜が更けても分かれずにコンビニでビールを買ってホテルでだらだらだら話せるの最高なので旅行好きだな~。次の日は大雨の福岡に行ったのですが割愛します!!(疲れた)ゴジラ展、超よかったです。


九州、確かに車がないと大変だけど、今回の旅はゆるゆる時間を溶かしたかったのでそういう気分で来る場所としてはすごくよかった。長い夏がついに終わってしまう。2016の夏は自分にしかわかりえないいくつかの理由で結構特別だった。明日からまた生きるぞ。