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インターネット、おなかいっぱい食べましょう




代々木上原のモスク「東京ジャーミー」に行ってきた

代々木上原にあるイスラーム教のモスク「東京ジャーミー」に初めて行った。

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東京ジャーミー・トルコ文化センター

小田急線の車内から、ホームから、見える高い塔。モスクがそこにあるのは随分前から知っていたけど、いつか行きたいな~って思っててやっと足を踏み入れた。……めっちゃ、楽しかった!!行けてよかった!!また行きたい。
※建物内の写真も入れてたのですが「撮影はOKでもWebに載せるのはNG」ですよと教えていただいたので外しました、すみません……。調べたらきれいな写真、たくさん出ます。


ニュースで聞くいろいろに辟易して、動画はもちろん画像でも見るのが辛くて、でも目をそらすのもなぁと思って、違う方向からそういうことについて歩み寄りたいって気持ちで思い出したのが電車から何度も見ているミナレットだった。東京ジャーミー、調べてみたら毎週土曜と日曜の14時半から、予約不要で無料で見学会をしてることがわかった。Webサイトに服装規定とかちゃんと書いてある。1人でいってもいいものなんだろうか。どきどき。

服装について
礼拝場は、イスラーム教徒が礼拝を行なう神聖な場所です。女性の場合は、ストールかスカーフをご持参いただき、長袖・長ズボン、ロングスカート(足首まで隠れるもの)など身体の露出の少ない服装でお越し下さいませ。女性のショートパンツ、キャミソール、タンクトップ、レギンス等での入場はご遠慮下さい。男性もハーフパンツやタンクトップはご遠慮下さい。階下のホールでは、女性のスカーフは不要ですが同様の服装を心がけてください。


5分前くらいについたら数十人いて、結構多くて驚いた。いつもこんなものなのでしょうか。「いつか」行きたいな~、の「いつか」は今だろうと、わたしのように思った人がたくさんいたのかもしれない。自分の親くらいの世代の夫婦、レポートの種として見に来たような大学生、これから出かけるんだろうなって感じの若い女性、子ども連れも。近くにいた小さな男の子がアラビア語を学んでいるようで、目につくもので分かるものを読んでいて格好よかった。「お母さん、これは数字の4だよ!」

東京ジャーミーの歴史自体は古くて、1938年から。ロシア革命(!)の影響で中央アジア地帯から東へ東へ、海を超えて日本まで、やってきたトルコ系の人々によってはじまったんだって。ま、まさかロシア革命なんて言葉を聞くなんて思わなかった……。こんな感じで歴史とか風俗習慣についていろいろ説明してくれる。

今の建物は2000年に建てられたもので、16世紀のオスマン・トルコの伝統的な建築形態を再現したものなんだそうです。高いミナレットと、美しい礼拝堂がある。本国から100人以上の職人を呼び寄せて、「水とコンクリート以外のほとんどすべて」を現地から取り寄せて、数年がかりで建築したんだって。大理石の床、彫刻された木の細工、鮮やかな色のタイル、全部本物だ。全部とってもきれい。おみやげも売ってる。

1階にはホールがあって、この日は子どもたちが何かを教わってた。壁にあるアラビア語のカリグラフィーのアートがなぞりたくなるくらい素敵。初夏のラマダン(断食)の時期はここで毎日、日没の時間からトルコからやってきたシェフによる本場のトルコ料理が振る舞われるそうで、イスラーム教徒じゃなくてもウェルカムらしい。行くしか……!


30分くらい見て回ったところで、2階の礼拝堂へ行く。

大学の卒業旅行でシスティーナ礼拝堂に行った時に「あ、これは世が世なら入信するわ」って1秒でくらっときたことを思い出す。今よりもっと色や光が少ない時代にこんなにキラキラしたものを見たらどんな気持ちになるだろう。「神々しい」って言葉の意味はこういうことなのか、ってなった。神様の世界はどんな場所でしょうか。(中高はプロテスタントの学校に通っていたけど、カトリックとはこう違うんだなっていうのもそのとき思った)。

……それと同じようなことをこの日も感じた。ニュアンスの違ういろいろな青、大理石の白、優しい金色、いっぱいある。息を詰めて見る。ステンドグラスがきれいだ。チューリップやバラの装飾がかわいい。アラビア文字が踊る。この日は曇りだったけど明るく陽光がさすとまた雰囲気が違いそうだ。

少しずつ人が集まってきて礼拝が始まる。女性は2階のバルコニーのようなところ。とはいえ別に1階に女の人が入れないわけではなくて、現にわたしたち見学の人たちはみんな1階の後方に座る。子どもがいっぱいいるのがかわいい。前半はみなさん礼拝堂の好きな場所で自由にお祈りする。子ども、普通に遊んでる。同じくらいの歳の子とじゃれたり寝っ転がってくすぐりあったり、走り回ったりしてる。別に静かにしなくてもいいのか~~。この空間にいるってことが大事みたいだ。

そのあと、メッカの方向に向かって1列に並ぶ。さっきまでわらわらしてた子どもちゃんたちもパパの横に並んで、まねっこする。くねくねしたり隣の子の肩をつっついたりしながら、ひざを折って床に額をついて、口の中で言葉を復唱する。

なんかよくわからないけど泣けてきてしまった。。なんだろう、当たり前のようにちゃんと毎日が続いていることに? 宗教って日本だと馴染みがないけど、思想や信念以前に日常や生活に普通にあるものなんだよな~。「1日に5回、礼拝するのは大変じゃないですかってよく聞かれますけど、みなさんごはん1日3回食べたりおやつ食べたりするのに苦労してる感じします? 精神的な食事のような感覚、お腹じゃなくて心を満たすもの」って言ってた。

あと、クルアーンは音楽的なものって話もおもしろかった。礼拝でも朗々と読み上げる。アラビア語で理解するのに意味があるっていうのは排他的な意味ではなくて、音で聞くものなんだって。聖書は(わたしが知ってる限りは)そういう感じはあまりないけどどうなんだろう。お経はそうかもしれないね。


イスラームは誤解されてるところも多くて、という話にも当然なって、今ニュースを騒がせていることの話にもなって、いろいろそういうリアルな視点が聞けたのも興味深かった。過激派組織がやってることは許されることではなくてイスラーム教がテロを認めてるわけでは当然まったくなくて、でも前提として偶像として“描く”ことに対する感覚は全然違うわけで、とか。

普段考えないことをいろいろ考えたし、何より荘厳で美しくて背筋が伸びる場所で、元気でた。無料でこんなにいろいろ見せていただけてありがたい。肌の露出を抑えるし女性はスカーフが必須だし、普段からマフラーしている冬場は見学しやすいかも。


オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)

オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)

わたしがイスラームに興味を持ったかなり大きなきっかけがこれ。すっごく好き。
多民族国家を束ねる合理的で先進的な知恵がオスマン帝国にはあって読んでて気持ちがいい。

イスラーム国の衝撃 (文春新書)

イスラーム国の衝撃 (文春新書)

あと最近話題になったこの本も、Kindleになったから読んだけど「そうだったのか!」ばかりで超興味深かった。脈々と、アフガニスタンタリバーンがどうつながっているか、何が違うのか、そういうところを知るだけで全然違う。

東京ジャーミー・トルコ文化センター


とてもざっくりした感想だけど、やっぱり宗教的な場所に行くの好きだな。いろんなものにちゃんと理由があって別に知らなくてもいいんだけど知ってると世界の見方が少しだけ変わる……可能性がある。

普段見てるものだともしかしてアイドル現場ってある意味自分にとっては“宗教的な場所”に近いかもしれないな? ってぼんやり思いながら小田急線のホームに戻った。キラキラしてて、外から見たら理解できないこともきっとあって、それでもわたしたちは1つの方角を見つめて愛と祈りを注ぐ。あなたに幸福がありますように。

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