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インターネット、おなかいっぱい食べましょう




理想のお昼ごはんを求めて

中高6年間、ほぼ毎日のようにベーグルを食べていた。

スモークサーモンとクリームチーズだったり、クリームチーズにくるみとメープルシロップを混ぜたり、スパムとロメインレタスだったり、ハンバーグと目玉焼きだったり、レバーペーストみたいなやつだったり、ベーコンとレタスとトマトだったりした。外の生地はオニオンだったりレーズンだったりチーズだったり胚芽だったりした。

……いやまぁ、いろいろ工夫はしたけどベーグルであることに変わりはない。食べてる構図は同じだ。親にも友達にもそんなに毎日同じもの食べてて飽きないのって言われていた。いや、飽きるとか飽きないとかじゃないんだ。これはわたしのポリシーの問題なのだ。

つまり何かって言うと、わたしはできるだけお昼ごはんを食べるのに道具を使いたくない。


すごく病的に聞こえるけど実際病的に情報依存なのだ。ごはんを食べながら本を読むか雑誌をめくるかケータイを触るかしたかった。行儀が悪い。別にただ黙って1人遊びしていたわけではなくて、友達と机をくっつけてごはんを食べておしゃべりするって営みも楽しんでた。それでも食べ終わったあとにお弁当や食器を片付けるその一瞬がもう嫌だった。その隙に違う行動を割り込ませたい(病気だ)。


道具(食器および箸やフォーク)を使わずに食べられることを第1優先にすると、当たり前だけど選択肢が狭まる。

いろいろ試したけどパンかおにぎりに落ち着く。おにぎりは悪くないんだけど、ベーグルよりも飽きがすごい。梅干しを入れてもおかかを入れてもさけフレークを入れても、そこに辿り着くまでの部分は白米だ。全体積の1割以下でしかバリエーションが付けられないのはしんどい。1口目がいつも同じなのはしんどい。強いて言えば炊き込みご飯の時はハッピーなんだけど、そこに毎日の変更を要求したら炊飯器を司る母親との全面戦争になることが目に見えている。

あと、飲み物のバリエーションが減るのも致命的だった。コーヒーもリプトンのレモンティーもなんだかよくわからないコンビニに売ってる甘い飲み物も合わない。お茶か水しかだめなのはなかなか厳しい。

パンの中でもベーグルに落ち着いたのは冒頭に書いたようにアレンジの幅の問題が大きいのだけど、まだ理由がある。食パンのサンドイッチも嫌いじゃないんだけど、何しろいまいち食べた気にならない。ふにゃふにゃぱふぱふしてるのでなんだか満足感がない。

そして何よりやわらかすぎて潰れやすい。今日のたまごペーストめっちゃうまくできた!絶対おいしい!と思って持って行ってお昼を迎えて、本来おさまっているはずの白と白のあいだからはみ出てサランラップの内側にべったりとくっついているとマジで悲しい。ああ輝くキミよ、すやすやとそこに眠っていてくれればよかったのに。フランスパンはパンとしては超好きなんだけどあんまり美しく食べられないから苦手だった。ぼろぼろとこぼしてしまって恥ずかしい。


大学時代はひまだったのでさらにいろいろ試した。毎日アイス(クーリッシュis最高)とか毎日こんにゃくゼリーとか毎日じゃがりことか毎日スタバの何か(友人がバイトしていた)とかやってた。ふ、不健康すぎる……。でも学食には箸やフォークを使わずに食べられるものがないんだ。

あとは当然、パンも買った。でもコンビニの菓子パンてなんだかものすごく抵抗がある。毎日アイス食べておいて今さら何言ってるんだって感じだけど、菓子パンには謎の抵抗がある。手を出しにくい。まちのパン屋さんで買うほうが選ぶの楽しいしお気に入りができるのも楽しい。よくわからないパンを買ってよくわからない味がするのも楽しい。栄養価や健康度としては対して違わないのかもしれないけど気持ちの問題って重要ですね。


というわけで、いつからかよく分からないけど行く先々でパン屋を探すようになった。微妙に人の少ない駅とか微妙な郊外でもたいてい微妙なパン屋さんはあってそのうらぶれ感もよい。パンが好き……っていうとなんか語弊がある気がして、いや好きなんだけど、おいしいパン好きなんだけど、まずはその機能性を愛しているのでよくわからない。

仮にも都内某所でOLをしているのでランチにも出かけるしいろいろしゃべりながらおいしいものを落ち着いて食べるのも好きだけど*1、毎日そうしたい気持ちがない。たまにやるから楽しい。今日も会社のデスクでマルチディスプレイ+iPhoneの3面体制でインターネットしながら午前中に出先で買ったパンをかじった。今日は好きなお店で買ったドライアプリコットのパンがめっちゃ好きな味だったので幸せだった。相変わらずベーグルの日もある。そう思うともう10年以上同じような食べ物を結構な頻度で粛々と食べている。


……あれ、最初は「近くを通ると絶対行っちゃうおいしいパン屋」について書こうと思ってたのに。
前段が長くなりすぎたからここで終わる。何が言いたかったかというと、これからも「道具を使わずに手を汚さずに食べたい」を満たしてくれる昼食メニューを求めて生きていくだろうってことでした。何かイケてるアイディアがあったら教えて下さい。

多分、パン屋さんの話に続く。

*1:お昼誘われるの迷惑とかそういう気持ちは全然ないんだ!それはそれで楽しいし別の何かが満たされるんだ!