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インターネットもぐもぐ

インターネット、おなかいっぱい食べましょう




「売れる」って正義だ、そしてわたしは愛でる対象に何を求めてるのか、Perfumeが女神になった東京ドームで考えた

Perfumeの東京ドームライブに行ってきた。
かっこいいしかわいい。愛しかなかった。天使じゃなくて、女神だ。

もうほんとこれ。一重にこれ。売れるって正義だ。ちゃんと売れて、ちゃんとお金をかけてもらって、きっちり魅了して、少しずつ道を踏みしめてく、これって当たり前に簡単なようで全然そんなことないよなー。

大事にされてるなーと思った。スタッフも含めてPerfumeの3人のことがみんな大好きなんだろうなぁ。このライブを見て最初の感想がこれなの?と言われてもおかしくないけれど、とにかく衣装がかわいくてかわいくて本当に感動した。アイドルが大好きだからいろんな衣装を見てなんやかんや思ってるけど、Perfumeの召しているものはちゃんと20代も半ばを過ぎた、そしてこれからも歳を重ねていく女性のための「かわいい」だ。グラマラスなセクシーでもなくて、子どもっぽいキュートさじゃなくて、ふりふりふわふわの甘さじゃなくて。ブロンズと赤を組み合わせるなんて、しかもこんなにかわいく仕上げるなんて!すごい。

ナタリー - Perfumeライブで思わず涙「東京ドームがホームになった」(サンタ衣装の写真がある)

パフォーマンスする時はガツガツ、まるでアンドロイドのように(最上級の褒め言葉)まったく危なげなく美しく踊るのに、MCではどう収拾つけるのよくわからないトークで笑わせてハラハラさせて泣かせて、めちゃくちゃにエモーショナルでいつまでたっても「広島から来ました~、よろしくお願いしま~す」感が漂う超女子っぽさのギャップに毎回新鮮に驚く。そしてそれが彼女たちの魅力だろうなって、ファンの人はにこにこと愛してるんだろうなって思う。Perfumeは誰かが何かをするためのツールに、「お人形さん」になることを厭わないどころか完璧にやってのけるのが最高にかっこいい。

精巧にプログラミングされたアンドロイドのように現実離れして美しい彼女たちをここに押しとどめているのはMCじゃないかなと思う。東京ドームで「今年は辛いことがたくさんあった」「しんどかった」と繰り返していて、そんなことを言うイメージが今までなかったのでちょっとびっくりした。「今日ここに立ってあったかく迎えてもらっているのはご褒美」「言葉が通じるっていいね!」と冗談のように言っていたけどこれは本当の話なんだろうなって気がした。4万5000人を一瞬で、うーんなんだろう、仲間でもファンでもお客様でもなく……こうとしか言えない、「内輪」にしてしまう力すごい。海外でこれができないのはものすごく心細いだろうなぁと思った。

LEVEL3のアルバム全体がそういう構成だからだけど、なんていうか音を理解するのが複雑で2時間半で、どっと疲れてぐったりしてしまった。楽しかったー!って手放しで言える感じじゃなかった。いろんなもの過剰摂取で、帰りの電車で中田ヤスタカ聞けなかった。映像もかっこよくてテンション上がったしカンヌの時みたいな衣装へのプロジェクションマッピングもすげーと思いつつ、あまりに溢れるアートっぽさというかどや顔感というか、優先順位がわからなくなって混乱した。な…何見たらいいんだ…いやわたしは女の子3人を見たいはずなのだが……。ディスでもなんでもなく素直に、Blu-rayで見た方が自分には楽しい側面がいくつもありそうな気がする。

映像ゴリゴリ使いまくり、レーザー何色も飛ばしまくり、メインモニタ超でかくて解像度も高い、そうやってガンガンお金かけてるの超クールだなと思った。だから、帰り道に、映像も演出もMCも一度もなくてただひたすらにパフォーマンスに徹して汗を流す姿見たいな、って逆に思った(あれ、それがもしかしたらフェスなのかしら)。

ものすごくきれいだった。ふわっとした白く透ける布が肩から大きく広がって、歩みを進めると揺れる。歌もダンスも煽りもなくて固唾を呑んで見守るしかないまま、3人は半円状のドームの中に入っていって、カチリと時が満ちて閉じられる。"SEE YOU NEXT LIVE"。非日常が音もなく終わる。ああ女神様。


ここからはコンサート本編とは少し離れたことを書く。

いろんなジャンルをミーハーに楽しんでいるとネタバレに関する意識の差がおもしろい。Perfumeは厳しい。今回のツアーは大阪、東京それぞれ2回の計4回だったけど、全部終わったので!といってイラストとかあげている人が多かったように思う(Perfume周りは絵を描かれる方が多いですね、かわいいのがいくつも流れてきて幸せだった)。前回のツアーではあ~ちゃんが、しないでね、って言ってたんでしたっけ。公式にアナウンスされてない暗黙の了解のようだし、どこからがクリティカルなのかわからなくて24日に結構書いてしまった。怒られることはなかったけど「昨日からRTしたかったけどネタバレになるから我慢してた」みたいに言ってる人もいて、わーそうなのか、気を悪くしたらすみません、とそこで初めて思った。とはいえ今見たコンサートの感想を今書いたとして、そのまま数日後にツイートする気にはなれない気がするな。温度が変わっちゃう。

(追記:「暗黙の了解」じゃなくて前回のツアーから公式にアナウンスされてますよって教えていただきました、「NOTICE」として丁寧に出てるんですね、知らなかったです、すみません……!次回は気をつけます http://www.perfume-web.jp/cam/LEVEL3/

そうか、わたしが普段見てるのはネタバレ上等の世界なんだな~って自覚した。いやもちろん嫌な人はいるだろうけど、その人達は自己防衛するしかない。ジャニヲタのみなさんはコンサートレポがめちゃくちゃにうまくて、よく140字にこんなに情報量詰め込めるなってくらい。しかもとにかく速い。ライブ終わった瞬間から日付変わるくらいにかけて洪水のように流れてくる。数百RTとかザラで一気に拡散されるし、MC以外にも曲中でこの2人がこういう風に遊んでたとかステージに移動する花道の途中でファンに向かってどうこうとかそういうのも全部レポるネタ。全国でいろんなグループが同じ日にやってるとさらにヤバい。そして読むのめっちゃ楽しい。レポだけで好きになっちゃう人がたくさんいる。テレビでの印象とキャラ違うなあって人もいっぱいいる。くそう、こんなMCしてたのかよ…!めっちゃ見たかったよー!!って地団駄を踏む。

AKBグループに至っては、コンサート中にリアルタイムにセトリや少人数曲の担当メンバー(人数が多いのでメンバーをシャッフルすることも多い、誰が何をやるのか気になる)が実況される。コンサート中なのにちょっと失礼だよね…と思う部分もあるけどそのネットを介した一体感おもしろすぎるのも本当。あと各地方の劇場ではほぼ毎日、大きな箱のコンサートと別に定員250~300人くらいの「公演」もやってて、それも日々すべてネットで生放送されているので、そのMCの内容とか今日の髪型かわいいとか衣装壊れて焦ってたとか全部文字になって即座に流れてくる。

何をエンタテインメントとして捉えてるかって話だろうか。Perfumeの場合はあの空間に居合わせること、体感すること自体にすごく重点があるんだろう。音楽とパフォーマンスが核にあってその世界観を共有することに。ジャニやAKBはとにかくファンのあいだでコンテクストを編んでいくのが、多すぎるノードをつないでいく部分が楽しい。情報は共有されてなんぼだし、なぜならその情報はテレビや雑誌やブログやGoogle+やTwitterで無限に供給され続けるからだ。コンサートの中身だってある意味同列だ。

それから、最近ずっと「アイドルは実体がなくたって変わらず愛でられるんじゃないか」ってことを考えていたのでこのタイミングでPerfumeを見られてよかった(便宜上この言葉を使うために彼女たちがアイドルかどうかに関する神学論争は割愛します)。「今あそこで踊っているように見える彼女たちが本当はホログラムだったり透明スクリーンに投影されてたりだとしても、自分は客としてこうやって体を揺らしていられるだろうな、どっちでもいいかもしれない」と何度も思った。「実体がなくたって変わらず愛でられる」1つの形が初音ミクなわけだけど、初音ミクは存在というより概念だから、もう少し違うところからもこの問いを考えたいなあと思っているのでした。

その意味で、今わたしがアイドルコンテンツとしてダントツでおもしろいと思ってるのは「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラクターたちで、彼らが期間限定で繰り広げているTwitterが、マジで、凄まじい。毎日のように感動してる。二次元かつアイドル……な彼らは文字通り、二重に「偶像で虚像」であって、でもリアルタイムにやりとりされる文字列だけでこんなにも実在に近づくんだ!これが現実なんだ!ってなってしまう。タイムラインに彼らが混ざるだけで、二次元と三次元の差がぐらついてドキドキする。botとも全然違う。だって公式アカウントがあることとツイートがタイムラインに並んでるのは現実じゃん…非実在でも今ここに見えているものは本当で、だから事実で真実になるっていうか…いや何言ってるかわかんないと思うんですけど。最近会う人会う人にこの感動を話してる気がする。
何も伝わらない予感しかなくてもどかしいけどとりあえず公式アカウントリストはこちらです。
@ShiningOffice/シャイニング事務所 on Twitter

「うたプリほんとヤバい」の話を続けたすぎますが、長くなってしまったのでまた改めて。